アスペルガー医師ロンの日常

医師でもあり、アスペルガー症候群当事者でもあり、更には911GT3&ロードスター乗りでもあるワタクシのささやか(?)な日常

CHANGE TODAY?

 ロンマニアの皆様、こんにちはm(_ _)m


「何時でも、現実の面白さよりも先に、規則のことを考えるという人がいる。無論、俺自身も、時によってはそういう人だ。なんていうかなぁ、犬がさ、散歩に行く前に、自分から首輪をつけるようなこと」

By 糸井重里


 といった今日この頃、皆様はどうお過ごしでしょうか。


*四輪駆動とパワー戦争

 インプ&ランエボ大ピンチである。この二台で守り抜いてきた「2リッター級世界最速」の座が【メルセデス・ベンツA45AMG】と【アウディTT-RSプラスクーペ】の登場で脅かされてきたからである。かつてインプ&ランエボが揃って”ニッポン最速のクルマ”を争ってたのだが、ソレがもう既に過去の話なのはご存じの通りである。ソレでも今までは「に、2リッター級のクルマの中ではまだ最速だから(震え声)」で何とかしのいできたが、今回ソレすらも追いつかれようとしてる話である。こう言っちゃアレだが、インプもランエボも正直ダサい。ただのファミリーカーにデカいウィングやらエアロやらを装着してるんだから、別名「羽の生えたカローラ」とも称されている(笑)ソレでも今まで称賛されていたのは、速かったからである。クルマ好きにとって、デザインと同等かソレ以上に、速さは正義だからである。4〜5リッター級に負けるのなら兎も角、同じ2リッター級で負けてしまうのはどうよって話なのである。


 速さってそんなに大事なのかって?スポーツイメージを押し出した4WDにとって、速さは全てなのである。運転の楽しさ?乗った事のあるロンマニアの方ならご存知かと思うが、運転の楽しさにおいて軽量&NAエンジン&後輪駆動に勝るモンは無いのである。4WDである限り構造的に必ず重くなるし、前輪がドライブシャフトで繋がってる限り必ずアンダーステアになるからである:

コーナリングでは左右の前輪が異なる回転数で回っている

後輪駆動ならば前輪は繋がっていないから、何ら抵抗なく個別に回れる

故に後輪駆動車(FRやMRやRR)は抵抗なく気持ち良く曲がれる

(゚д゚)ウマー

でも前輪駆動や4WDはドライブシャフトとデフで左右が繋がってる

デフがあるとはいえ、左右が繋がってると必ず回転差による抵抗が生じる

その抵抗により前輪の負荷が増え、結果アンダーステアになる

だから前輪が駆動するクルマ(FF、4WD)は気持ち良さが低下する

( ゚Д゚)マズー

だからこそ、4WDは速くなきゃダメなのである。そして4WDを速くするためには、パワーが絶対不可欠なのである。重量増とアンダーステアのネガを打ち消してお釣りがくる、反則級の圧倒的パワーが必要なのである。今のインプ&ランエボがダメなのは、このパワー戦争に出遅れてしまったからである。280馬力規制とかいうシロモノのせいで開発と進化が止まってしまい、ついてはハイパワー&高価格を許容するブランド作りに失敗してしまったからである。こう言っちゃ悪いのだが、ワタクシは「さ、最速でもないし、ドライビングプレジャーにも劣るけど、人や荷物をたくさん載せられるし、何より安いから(震え声)」っていうインプ&ランエボには魅力を感じないのである(笑)


*280馬力規制の負の遺産

 別にインプ&ランエボに限った話ではないが、ワタクシは280馬力規制こそがニッポン車、特にスポーツカーの停滞を招いた諸悪の根源だと考えている。280馬力しか出せないんだったら、ソレ以上の開発をしなくなる&出来なくなるからである。たかがパワー、されどパワーである。200馬力のクルマと400馬力のクルマ、乗り心地が良くて運転してて楽しいのはどっちか?答えは「断然後者」である。パワーのあるクルマってのは、必ずソレを受け止める優れたシャシーと足回りがあるからである。そして高負荷&高速に対応できるクルマってのは、低負荷&低速でも当然対応できるし、言うまでもなく低負荷&低速にしか対応できないクルマよりも確実に上だからである。だから公道じゃ使い切れないパワーっていうのは決してムダにはならず、公道内の領域でもその違いが確実に表れるモンなのである。


 ワタクシ自身経験したから分かるのであるが、同じ時速100kmでも、軽自動車とスーパーカーじゃ全然違うモンである。前者は剛性ギリギリだから怖い&踏んでも加速しないから楽しくないけど、後者は全然余裕だから乗ってて安心&その速度域でも加速が出来るから楽しいのである。だからパワーが重要なのであり、クルマ好きは更なるパワーを求めるのである。そう、280馬力規制の何がダメかって、こーゆー熱烈なクルマ好きである顧客を確保できなかったトコにあるのである。こういう人達は良いクルマに乗るためには出費を惜しまないし、好きになったらトコトンついて行くし、一般の人はこうしたクルマ好きの選ぶクルマを見て「コレは良いクルマなんだ」って確信する。フェラーリランボルギーニやポルシェがモデルチェンジするたびに値段やパワーが上がっても、誰も文句言わないどころか益々ブランド価値が上がるのは、つまりこーゆー事なのである。


 だから80年代後半に280馬力規制が出来て、その後欧米勢とのパワー戦争に参戦できなくなったのは、ニッポンのメーカーにとっては痛手なのである。アレが無ければ切磋琢磨し合う中でニッポン車にブランド力が付き、中にはホントに高級ブランドとして成長出来たかも知れなかったメーカーだってあったはずだからである。パワーが無いから性能的に劣ってしまい、性能が劣ってしまうから安売りせざるを得なくなり、安売りするからブランド力が低下する。安くてブランド力が無いシロモノの一番の問題は何かと問われたら、答えは「更なる低価格で駆逐されてしまう」である。もう既に家電なんかがそうなってるが「安くて高品質」って実はブランドでも何でもないのである。ブランドってのは「高くても良いからソレが欲しいっ☆o(> <)O☆」って思わせるソレであり、ソレが無いからニッポン車のラインナップからスポーツカーが次々と消えて行ったのである。


*もしもスバルが・・・

 だからワタクシは常々おもうのである。もしも280馬力規制さえなければ、今頃スバルはブランド力のあるメーカーになっていたのでは、と。ワタクシもGDBオーナーだったから分かるが、スバルってのは280馬力程度で収まるメーカーじゃないからである。流石にポルシェは厳しいけど、アウディぐらいのポジションとブランド力なら得られたんじゃないかなと思うのである。スバルが持つこだわりや技術力ってのは、高級メーカーになって初めて活きるモンだからである。規制が無ければ今頃WRX-STIは世代交代する毎にパワーアップし続け、今頃420馬力ぐらいになっていて、競う相手は【BMW・M3】とか【アウディRS5】とかになってたんじゃないかなと勝手に妄想していたりする(笑)無論、その時にはGRB/GVBの価格も上がり続けていて、ヘタしたら700諭吉前後になってるかも知れないが、ソレでもクルマ好きに支持されて売れるはずだとワタクシは睨んでいるのである。


 そして一車種でそーゆー伝説が作れれば、自ずと他の車種にもスポットライトが当たる。ポルシェ911に対するカイエンやパナメーラが良い例である。でもソレに失敗して300馬力止まりになっちゃったから、全てが中途半端になってしまったのである(´・ω・`)パワーが無いから高級車として売り出すにはインパクト不足だし、かと言って大衆車として売り出すにはオーバークォリティー。どっちつかずだから当然経営的に上手く行かなくなり、今じゃトヨタの4WD&スペシャリティーカー部門に成り果ててしまったのである┐( -"-)┌ソレが悪い事だとは言わないが、すんごく勿体無いとワタクシは感じるのである。スバル版【アウディR8】に乗りたいか?ワタクシは断然「乗りたい!」である。スバル車でクルマに目覚めたスバル好きとして、やっぱ「走りを極めた究極のスバル車」ってのを一度見てみたいからである。ソレが出てくるのであれば、ワタクシはまたスバル車に戻りたいと思うのであるが、来ない可能性のが断然高い今日この頃であった。