アスペルガー医師ロンの日常

医師でもあり、アスペルガー症候群当事者でもあり、更には911GT3&ロードスター乗りでもあるワタクシのささやか(?)な日常

TOWER OF SPITE

 ロンマニアの皆様、こんにちはm(_ _)m


「どんなに高価な平和の再構築でも、最も安価な戦争よりはるかに安く済む」

By ビル・クリントン


 といった今日この頃、皆様はどうお過ごしでしょうか。


*この世で最も公平な価値基準

 良いモンは高い、悪いモンは安い、もし良さそうに見えて安いモンがあったらソコには必ずカラクリがあり、もし悪そうに見えて高いのであればソレは見る目が無いだけ。コレがワタクシの値段に関するジャスティスである(笑)カネって何だかんだ言って、価値観を測る最も公平な物差しなんじゃないかと思うのである。もしもホントに悪くて高いモンがあればソレは必ず市場で淘汰されるし、安くて良いモンがあればソレは徐々に値上がりしていく。だから最終的には「良いモンは高く、悪いモンは安く」に落ち着くのである。モノの価値は市場によって変動し、でもって市場ってのはソコで売り買いする人々の総意でもあるんだから、やっぱ値段って客観性が高い価値基準なのである。


 だからワタクシはモノを選ぶとき、ソレがホントに必要で重要なモンならば、ワタクシは高価なモンを選ぶ事にしてるのである。高価なモンってのは大概質が良くて満足度も高いから、結果として長く愛着を持って使える場合が多いのである。その反対に安物ってのは愛着が持てない上にすぐダメになるから、結果として買い替えるスパンが短くなるのである。そう、高くても確実に良いモンを買った方が、長い目で見たら節約になるのである。あと高いモンってのは必ず何らかの形で匠の技が感じられるから、ソレを知る事は人生にとってプラスになるのである。ワタクシが思うに、正しいカネの使い方ってのは、こういう事なのである。値段でしかモノを見れんヤツに、その中にある価値は分からんのである。


*安価に賭ける生命

 コレが生命に関わらないモンだったら、ダメ元で安いモンを買うのもアリだと思うのである。かく言うワタクシもしょっちゅうクソゲーやらハズレの音楽アルバムやらを安く仕入れて、当ブログで散々ネタにしているからである(笑)が、生命に関わるモンなら話は別である。命に何かあったら笑ってネタには出来ないんだから、高くても確実に良いモンを選ぶに限るのである。だから【軽井沢でバスが転倒した事件】についてのワタクシの見解は「可哀想だとは思うけど、同情は出来ない」である。安いモンに生命を託すってのは言い換えればリスキーなギャンブルなのであり、言い方が大変悪いのがアレだけど、犠牲になった人達はそのギャンブルに負けたのである。




 だから世間の一部で「規制緩和ガー」って言って国や企業のせいにしようとしてるヤツも居るらしいのだが、ワタクシはそう思わないのである。何故なら今の世の中は水も安全も治安もカネで買うモンであり、更に言うと国と自治体と企業が出来るのは”治療”だけであり、肝心の”予防”は自分でやるしかないのである。だから安全に旅がしたいのであれば、少しぐらい高くてもちゃんとした移動手段を使うべきなのである。たったソレだけで、この様な重大な事件に巻き込まれる可能性はグッと減るんだから、ワタクシはソレを悪い投資だとは思わん次第である。どんなにインフラが発達したトコであろうとも、一番最初と一番最後に自分を守れるのは自分だけ。コレもワタクシのジャスティスである。


 こう書くと「じゃあ貧乏人はスキー行くなって事かよッ!」って怒る方もいらっしゃるだろうけど、ソレに対するワタクシの答えは「イエス」である。自分が貧乏だという自覚があるのなら、尚更リスキーなギャンブルをするべきではないのである。貧乏に見られたくないor貧乏であるテメェを認めたくないから、安物で見た目だけ取り繕って見栄を張る。言っちゃ悪いが、貧乏スパイラルから抜け出せないヤツの典型的な行動パターンである。安くて長持ちしなくて中身がスカスカなモンばかりを買ってるからコストパフォーマンスが低く、ソレ故に消費からより良いモンを引き出せない。よーするに「なぜ貧乏人はカネの使い方が悪いのか」ではなく「カネの使い方が悪いから貧乏になる」のである。


*犠牲はダメよ

 繰り返し言うが、良いモンは高い、悪いモンは安いのである。でもこう言うとまた「たとえ安くても安全を保障するのが当然なのでは」と言われそうだが、ソレに対してもワタクシは「ノー」と答える次第である。上記にもあるように、安くて良いモンがあったとしたら、ソコには必ずカラクリあるのである。でもってニッポン社会の場合、そのカラクリの正体が「犠牲」なのである。何処かに皺寄せをして、皺寄せ先に我慢させる事で成り立っている。ユニクロワタミすき屋が良い例だけど、そういう犠牲を強いるタイプのサービスってのは、遅かれ早かれ必ず破綻するのである。何故なら皺寄せ先は人間であり、人間には必ず限界があるからである。


 故に安くて良いモノを求めるって事は、その裏にあるカラクリに騙されるって事だけじゃなく、自分以外の誰かに犠牲を強いている可能性があるって事なのである。ワタクシはどっちもイヤだから、少しぐらい高くても良いモンを買う事にしているのである。口で「ブラック企業許すまじ」とか言いながら、その口でコンビニ店員の無作法を責めるのであれば、ソレは説得力皆無ってモンだからである。ニッポン人はマジメで我慢強いから、今まではソレである程度やっていけたのだけど、ソレももう飽和点に達したのである。ホントに良いモンが欲しいのなら、ホントに世の中を良くしたいのなら、高くてもシッカリしたモンを買い、安くて犠牲を強いるモンや悪いモンを駆逐する。益々以ってそう思う今日この頃であった。