アスペルガー医師ロンの日常

医師でもあり、アスペルガー症候群当事者でもあり、更には911GT3&ロードスター乗りでもあるワタクシのささやか(?)な日常

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 ロンマニアの皆様、こんにちはm(_ _)m


「人は何を笑いの対象にするかで、その人の人格がわかる」

By フリードリヒ・ヴィルヘルム・ニーチェ


 といった今日この頃、皆様はどうお過ごしでしょうか。


*政治と鉄のカーテンと和の精神

 何故ニッポンにおいて、政治や宗教の話をするのはタブーなのか?ワタクシが思うに「和を保つため」じゃないかと思うのである。政治や宗教の共通点は何か?答えは「人によって信じるモンが全く違うけど、でもソレを信じてるヤツはテメェのソレこそが絶対だと思い込んでる」である。だから政治や宗教の話をすると、揉めてケンカになる可能性が高いからである。コレが諸外国なら信条毎に住み分けて暮らしているんだけど、ニッポン社会は「リベラルは排除する」と言った某都知事がバッシングを受けるぐらい社会の分裂に対して強いアレルギーがあるのである。だから分裂せずに(形だけでも)皆で一緒に過ごそうと思ったら、政治や宗教のような揉めやすい話題はしないに限るのであり、決して興味が無いからではないのである。


 あともう一つは、第二次世界大戦後のニッポンの政治にあるんじゃないかと思うのである。資本主義と社会主義は水と油の関係であり、フツーの国ではどっちが片方が圧倒的多数でもう片方は泡沫政党or禁止されてるか、或いはドイツや朝鮮みたいに思想で国が分かれているかである。ところがニッポンッて国は、その水と油が同じ国の中で共存しているのである。そんな中で皆が政治の話に熱中してしまった結果が学生運動であり、ニッポン赤軍をはじめとしたガチのテロリスト集団なのである。だからこそ賢明な人ならば、政治の話題は敢えて避けるのである。繰り返し言うが、政治の話をしないって事は、政治に興味が無い事とイコールではないのであり、サヨクに傾倒するヤツはソレが分かってない場合が実に多いのである┐(´д`)┌


*ニッポンのレニー・ブルース

 芸術にせよ報道にせよエンタメにせよ、政治を扱う事の難しさは何処にあるのか。ワタクシは「本質を突く事の難しさにある」と答える次第である。戦争はダメ、核兵器は要らない、原発は危ない、経済格差は無くすべき等々。そんな事、古今東西皆分かってるのである。分っていても、そうせざるを得ない。その「じゃあ何故そうせざるを得ないのか」を作品や表現に落とし込むセンスこそが政治をネタにする上で重要なのであり、ただ単に「ダメなモンはダメ」じゃ説得力は無いのである:

こう書けば、この政治ネタの何がダメなのかが良く分かると思うのである。そう、本質を全く突いていないトコにあるのである。原発はあるよりも無い方が良い、米軍基地はあるよりも無い方が良い、被災地にカネを使わないよりも使った方が良い等々。そんな事は誰だって分かってるのである。分かってるんだけど、そうせざるを得ない理由が幾つもあるのである。ソレを指摘せずに「お前らニッポン人が何も分かってない&知ろうとしないからだ」って言っても、ソコに説得力は無いのである。



 言っちゃなんだが、コイツ等のネタのメンタリティーってサヨクのソレと全く一緒なのである。賢明な人が敢えて大っぴらに言わないだけの政治問題を「知らないか知る気が無いか、或いは知ってて悪用している」と勝手に思い込んで、ソコから「堂々と政治の話をする自分は意識が高いッ!反発を恐れず正義を貫く勇気があるッ!バカで無関心な一般人や腐敗したエリート共よりも偉いんだッ!」って思い上がってるのである。このネタが一部良い反響を得てるってのも、同じようなメンタリティのヤツが共感しているのであろう。ソレを実現するための具体案を出さずに只管と理想論だけを叫び続けて、何も変わらない現実に憤りを募らせて、また只管と理想論を叫び続けて、そのまま無限ループに突入するのである。


 「お笑い」「際どい政治ネタ」ってキーワードから、ワタクシはレニー・ブルースを連想してしまうのである。政治を扱う他の芸人、例えば立川談志とかビートたけしも、このレニー・ブルースの影響を受けてる事は有名な話である。ひょっとしたら上記のヤツもレニー・ブルースの影響を・・・受けてるどころか、存在すら知らないだろうな、ウン(^_^;)レニーのネタを見れば、その違いが明らかだからである:

もうコレだけで、レニーと上記のアレとのレベルの違いが分かるってモンである。今ニッポンじゃヘイトスピーチ云々で色々話題になってるが、レニー・ブルースは50年以上も前からソレの本質についてネタにしていたのである。政治で笑いを取るって事は、つまりそういう事なのである。政治をネタにすると、ソレを信念としてるヤツから少なからず反発を招く。ソレに立ち向かうネタの強さと気概が無けりゃ、政治ネタなんて出来ないのである。


ルサンチマン大国ニッポン

 先日も述べたのであるが、やっぱニッポンはルサンチマンの国なのである。ニッポンの野党と左派が不毛な一番の理由は何かって、票や支持層の取り込みにルサンチマンを用いたからである。理想を徐々に現実化させるための具体的なプランを掲げて有権者に問うのではなく、与党や成功者や権力者の不正を論って奴隷道徳を押し付け、ソレを法律云々を用いて正当化する&数を募って勢いで押す事で、ルサンチマンを抱えたヤツ等は留飲を下げる。世の中を良くしたいのではなく、留飲を下げたいから不正を叩く。そしてソレを狡賢いヤツが票集めに利用して、マスコミが黙認してる事を隠れ蓑にして私腹を肥やす。只々非建設的であり、実に下らない時間のムダ遣いである┐(´д`)┌



 じゃあ何故こんなバカバカしい事を延々と続けるかって、答えは「ニッポンが豊かだから」である。社会インフラがシッカリしてて、余程の事をしない限り行き倒れになる事は無いんだから、他国みたいに「理想だけじゃ食ってけないから現実的な妥協も必要」とか考えられんのである。権利をフル駆使して非建設的な政治ゴッコに現を抜かして、果たす義務は最低限の納税だけ。ソレが非建設的だと分かっていても、そうやってガス抜きを与えておけば社会の分裂を避けられるし、テロや暴力の可能性も減らせるから、強者に一方的な妥協を迫る。ホント、エネルギーのムダとしか言い様が無いのである┐(´д`)┌ワタクシの言葉が本質に迫れてるかどうかは分からんが、迫るための努力は続けていきたいと思う今日この頃であった。