アスペルガー医師ロンの日常

医師でもあり、アスペルガー症候群当事者でもあり、更には911GT3&ロードスター乗りでもあるワタクシのささやか(?)な日常

THE CHTHONIC CHRONICLES

 ロンマニアの皆様、こんにちはm(_ _)m

「労働者と資本家は、自分らの関係を改善しようと思ったら、愛の律法を実行しなければならない。換言すれば、人にされたいと思うごとく、人にも振る舞わねばならない」
By リュシー・マローリ

 といった今日この頃、皆様はどうお過ごしでしょうか。


*グッバイ単純作業、フォーエバー単純作業
 何故ココ最近になってニッポンでも発達障害が問題になりだしたのか。ワタクシはその理由を「近代化で職が無くなっちゃったから」と答える次第である。発達障害は昔からあったんだろうけど、昔はなぜ然程問題にならなかったかって、仕事があったからである。若いロンマニアの方には想像付かないと思うが、昔は「え?こんなモンまで昔は人力だったの(゚д゚)」ってモンが結構あるのである:

1990 新宿駅JR有人改札 Shinjuku Manual Ticket Gates 901120
20代のロンマニアの方は、多分コレを生で見た事が無いのではないであろうか。流石にコレではないけど、昔は人力でやってた単純作業が数多くあって、発達障害者はそういう単純作業に就いて給料を貰えてたのである。ソレに加え昔は高度成長期~バブル期だったから、不満はソレなりにあったとしても食いっぱぐれる事は無かったのである。

 が、時代は流れてバブルも弾けて氷河期に突入して、そんでもって各種技術も進化して自動化が進んで、グローバル化が進んで海外に仕事を委託するのも当たり前になって、最近じゃロボットやAIの進化も著しいのである。つまり、昔は発達障害者がやってたような人力での単純作業が、今は自動化されるか海外に委託されるかになってしまったのである:

ズラリと並んだ東京駅の東海道新幹線改札機が早朝に一斉に開場する瞬間
そうなると発達障害者はどうなるかって、言うまでもなくニートと化すのである。でもってニート化すると家族との軋轢とかで諸問題が起こったり、精神を病んで色々とヤバい事になったりするのである。だから単純作業以上の事をやる仕事に発達障害者をどう就けていくのかが問題になるのであり、ワタクシもこの件に一役買ってたりするのである。

*働かせたくないでござる
 でも実際に就労させようとすると色々問題が起こるモンである。今回【緊急雇用の障害者131人が退職】ってニュースが流れた時は「やっぱそうなったかぁ~( ̄~ ̄)」ってワタクシも半ば納得してしまったのである。障害者就労において一番肝心な事は何か?ワタクシは「実は企業は障害者を雇いたくない」だと思うのである。他の人と同じペースで仕事できず、出来ないどころか他の人の手を煩わせるから実質マイナス。かと言ってソレを指摘すると「差別だッ!訴えるッ!マスコミ呼ぶッ!」ってなるし、指摘しなければ「何故アイツなんかの為に(# ̄З ̄) 」って職場内の空気が最悪になる。会社に余裕があるならまだしも、無ければそりゃ雇いたくない筈である。


「障がい者の就労支援」

 そう、この問題の何が難しいって、健常者側に一方的に皺寄せが行ってしまうトコにあるのである。上記リンク先の記事も「もっと職場は理解を」とか「職員はもっと配慮しろ」ばかりであり、実際何らかの問題が起こった時も責任は殆ど企業側や健常者側が背負う場合が殆どである。でもって障害者側に問題があったとしても、ソレを「良識ある方々」が「更なる差別を生まないために」黙殺されてしまうのである。そんな状況ならば、そりゃ上記記事にあるような違法スレスレのやり方で干すような事だって起きてしまうのである。健常者や企業だって人間であり、人間ならば我慢の限界だってあるのである。ソコを尊重しなければ、そりゃ上手く行かないのである。

 こう書くと「だったら法整備をシッカリさせて、雇用者側がそういう陰湿な事を出来ないようにすればいい」って言う人も居るだろうけど、ワタクシはそのやり方には賛同できんのである。何故ならどんな法律にも抜け穴ってのは必ずあるモンであり、何だったら抜け穴を作る事だって出来てしまうのである。F1属性のあるロンマニアの方ならば、レギュレーションが如何に絶対でないかが分かると思うのである:

2018年型F1マシンに第2のTウイング!?搭載場所はどこ? [2018/01/26]
だから法整備を増やして抜け穴を埋めたとしても、まだ新しい抜け穴が出来るだけで、根本的な解決にはならんのである。無論ソレに意味が無いとは言わないが、ソレだけじゃダメなのである。他にどうすればいいかっていったら、障害者側も色々努力して「障害者だけど是非ウチに来てくれッ!」って人材を育てればいいのである。そうすれば法律云々関係なく、互いに気持ち良く働けるってモンである。

*The格差社会
 でもって今後、AI技術やロボット技術が更に進化すれば、益々以って障害者雇用に拘る必要は無いのである。何だったら、技術で浮いたコストの分で障害者雇用納付金を払っちゃうなんてトコも出てくるかも知れないのである。だからワタクシが思うに、今後の障害者雇用は”量”よりも”質”が重要になって来るんじゃないかと思うのである。今までは「単純作業しかできなくても良いから、兎に角出来るだけ多くの障害者を就労させようッ!」だったのであるが、今後は「数は減っちゃうけど、会社で確実に必要とされるレベルの障害者を育てて送り出そう」ってなるんじゃないかと思うのである。

 そうなるとどうなるかって、障害者間でも格差が、ソレも健常者のソレを上回るような格差社会になってくると思うのである。今ですら「成功した発達当事者の話は聞くなッ!」ってヤツが結構居るのに、そうなったらまた更に分断が大きくなって揉め事も増えるんじゃないかと今から心配なのである(^_^;)そうすると何が必要になってくるかって、ベーシックインカム(以後BI)と現代貨幣理論(以後MMT)じゃないかと思うのである:

[ただでお金がもらえる?] ベーシックインカムとは

京都大学レジリエンス実践ユニット・MMT勉強会:「 MMT(現代貨幣理論)の論理構造と実践的意義」【講師:青木泰樹】
ちゅーのも今後技術の進歩で職を失うのは障害者だけじゃなく、健常者だってそうなるからである。ソレを救おうと思ったら、機械が稼いだ分をBIという形で均等に分配する&足らん財源をMMTで確保するのが一番なのである。コレなら差別も逆差別も起こらないし、もっと稼ぎたいor稼げる人間の足を引っ張る事も無い。まぁ実際はどうなるか分からんが、確実に言える事は「より良い生き方をしたいなら障害があっても頑張るっきゃない」である事を再認識した今日この頃であった。

f:id:LiongHMD:20190610235509j:plain