アスペルガー医師ロンの日常

医師でもあり、アスペルガー症候群当事者でもあり、更には911GT3&ロードスター乗りでもあるワタクシのささやか(?)な日常

THE OBSIDIAN CONSPIRACY

 ロンマニアの皆様、こんにちはm(_ _)m

「幸運は毎月やって来る。だがこれを迎える準備ができていなければ、ほとんど見過ごしてしまう。今月こそ幸運を見逃すな」
By デール・カーネギー

 といった今日この頃、皆様はどうお過ごしでしょうか。


*ニッポン人になって1ヶ月
 さて、ワタクシの帰化申請が許可されて、ニッポン国籍をゲットしてから1ヶ月ばかり経ったのである。感想はと問われたら「ビックリするほど何も変わってない」である。ニッポン人になったら仕事で成功しまくってギャンブルで勝ちまくって異性にモテまくって、身長が10cm伸びて彼女をゲットできるんじゃないかとも思っていたのだが、そんな事は全く無かったのである(笑)インドネシア人だった頃と全く同じように太陽が昇ってきて、インドネシア人だった頃と全く同じような仕事をこなして、メシの味もインドネシア人だった頃とまるで変わらないのである(^_^;)仕事の書類見て知らない名前があって、ソコで「何処の馬の骨だコイツは・・・ってワタクシじゃん( ̄▽ ̄;)」ってなるが、ソレだけである(爆)


帰化と永住の違い

 あと帰化して1つ思う事が「何故SNSだとかでニッポンに毎日のように文句言ってるヤツ等は、住み易い国へ移住しないんだ?」って事である。SNSでどんなに叫んだってニッポンは変わらないし、長い目で見れば時間と労力のムダ以外の何でもないからである。だったら自分の理想としてる社会の国へ移住して帰化しちゃえば良いだけの話だし、現にワタクシも(別にインドネシアに強い不満があったワケではないが)そうしたからである。でもそうしないという事は、つまりそういう事であり、そしてソレこそがワタクシがニッポンに帰化した理由の1つでもあるのである。マジメにさえやれてれば、ニッポンほど住み易い国は他に無いのである。

*過去を変えてはいけない
 バカはどんなに考えても時間のムダだから、奴隷として力仕事に従事した方が良い。逆に賢い人は考えれば考えるほどに有意義なんで、賢い人の分の労働を奴隷がやればウィンウィンの関係になるんで、奴隷は必要である。ゲームやマンガの悪役のようなセリフであるが、コレを言ったのは古代ギリシャのトップクラスの哲学者アリストテレスである。そう、2500年前はコレが最も先進的なライフスタイルであるとされてたのであり、アリストテレスとかも「コレこそが人類を更にステップアップさせる最高の思想」って思っていた筈である。そう、何が正しくて何が正しくないかなんて、時代が流れれば全然変わってしまうモンなのである。


ハーバード白熱教室 第10回 「アリストテレスは死んでいない」

 そう、人間というナマモノの歴史ってのは、過去の反省と改良の歴史でもあるのである。だから過去の情報や資料ってのは改変してもいけないし、選択廃棄してもいけないのである。今の価値観では酷いと思うような事でも、ソレがあった時代においては理に適った選択だったって事もあるからである。今の価値観に合わないからってソレを廃棄してしまったら、ソレが必要とされていた時代背景の知識までも失ってしまうからである。故にワタクシは【クリスマスソングの歌詞がレイプを示唆云々】の歌詞改変には反対する次第である。改変はあの時代を精一杯生きた人に対する侮辱であり、正しければ侮辱して良いという事にはならないのである。


Margaret Whiting and Johnny Mercer - Baby Its Cold Outside

 ワタクシが#metooもだけど、この手の少数派や弱者の為の運動を好きになれない理由が正にソレである。無論、批判するのは自由だし、そうやって議論を重ねる内に止揚アウフヘーベン)していく事だってあるんだから、そういう意味でも批判する自由はシッカリあった方が良いのである。何がダメって【ハリポタ作者のソレ】みたいに、相手に意見を言わせないようにしてしまう事である。もう一度言うが、意見を言わせないための大義名分にしてる”正義”ってのは、ひょっとしたら今現在でしか通じない価値観なのかも知れないのである。その先に更に進んだより良い価値観が生まれる可能性があるからこそ、相手の意見を封じてはいけないのである。

*安心>正義
 何故この様な少数派だとか弱者だとかの運動が排他的なモンになってしまうかだけど、ワタクシはこの手の少数派活動に関わった事があるから、何となくその理由が分かるのである。この手の運動の根底にあるのが「自分達は多数派や強者に抑圧され虐げられてきたッ!」っていう被害者意識であり、ソコから「団結しようッ!抑圧を跳ね除けて安全な暮らしを手に入れようッ!」ってなるのである。そう、この人等が求めてるのは安全と安心であって、正義や真実じゃないのである。そして安全に生きるためには止揚も妥協も不要であり、自分等の意にそぐわない人間をテリトリーから追い出してしまえば良いだけなのである。


#Metoo: how it's changing the world | The Economist

 よくこの手の運動が多数派や強者だけに一方的に我慢を強いるように感じられるのも、上記の被害者意識ゆえである。要するに「今まで我々は貴方等の所為で酷い目に合ってきたんだから、まずその埋め合わせをしてからッ!」って認識があって、その埋め合わせをした上でやっと「平等」なのである。じゃあどの程度埋め合わせをすれば良いのかに関しては、誰も明確な答えを持っていないから、ソコが問題なのである。でもって”加害者”とされる側も実際に加害行動を行ってるヤツは少数派であり、そうでない人等は巻き添え喰らって良い迷惑なのである。物事を解決するのは、何時だって正義と真実の終わりなき精製のみ。今回、改めてそう思う今日この頃であった。

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