アスペルガー医師ロンの日常

医師でもあり、アスペルガー症候群当事者でもあり、更にはGT-R&ロードスター乗りでもあるワタクシのささやか(?)な日常

SCREAM

 ロンマニアの皆様、こんにちはm(_ _)m

「(自分の)意識の中身を昇華せず、または、その正体を確認しないで逃げ出すことは、人生の貧困を招きます」
By ジッドゥ・クリシュナムルティ

 といった今日この頃、皆様はどうお過ごしでしょうか。


*日産の救世主
 年末年始と言っても基本大晦日と元旦以外はヒマを持て余すので、今日はサブタイで示すように今ニッポンで最もホットなフランス人の話をしようと思うのである(笑)カルロス・ゴーンについてどう思うかと問われたら、ワタクシの答えは以前と変わらず「何だかんだ言って日産をピンチから救った有能な経営者」である。こう書くと「ゴーンがやったのはコストカットとリストラだけ」と言われるのであるが、じゃあそのコストカットとリストラすらできなかったニッポンの経営陣は何をやってたんだって話である。あのまま従来のやり方を延々と続けていたら連合を組むどころか、別のメーカーに合併吸収されてた事請け合いナシだからである。


日産GT-R登場の瞬間

 水野和敏氏も言ってたけど、ゴーンが居なけりゃ間違いなくR35という稀代の名車はこの世に誕生しなかったのであるから、その点だけでもワタクシはゴーンを評価してる次第である。ゴーンは人間的に云々って声も少なくないけど、言っちゃ何だがこの手のトップエリートなんて大概そんなモンである。世の中の社長だとか教授だとかエースだとかいう肩書の付いた人間は基本エキセントリックで、そのエキセントリックさを昇華させたからこそ卓越した技術や能力やセンスを発揮できるのであり、逆に言えば人間的にクソでも頂点に居るヤツってのは、そのクソな人間性を補って余りあるほどの能力を持ってるって事であり、ワタクシも実際にそういうヤツを何人も見てきてるのである。

*グローバル時代に対する免疫
 そのゴーンが【ニッポンからレバノンへ逃亡した】んだから、そりゃ驚いたモンである(^_^;)多分ロンマニアの方の中には「何故レバノン?」って思う方がいらっしゃるだろうけど、その答えは実に簡単である。ゴーンはフランスとブラジルの二重国籍者であるが、出生時の国籍&幼少時を過ごした国はレバノンなのである。ブラジル国籍を持ってるのはゴーンがブラジル生まれで、ブラジルは出生地主義の国→生まれたと同時にレバノン国籍だけでなくブラジル国籍も自動的に貰えるからである。ブラジルで生まれた後にレバノンに帰ってきて、レバノン内戦の云々でフランスに逃亡してフランス国籍を取得して、フランスの大学出た後ミシュランに入社してルノーにヘッドハントされて、後はロンマニアに皆様の知る通りである。


日産前会長のゴーン被告が日本出国しレバノンに到着(19/12/31)

 でもってフランスも別件でゴーンをタイーホしたがってて、アメリカはニッポンと犯罪者引き渡し条約を結んでて、ブラジルは”オマケで国籍持ってる国”だからスルーで、残ったレバノンに逃げたって話である。当然、こうなったからにはもう北米圏&西欧圏&極東圏の先進国グループの国には行けなくなってしまうワケであるが、ゴーンにとってはソレでも別に構わんのであろう。ゴーンは老い先短いし、レバノンじゃ”オラが村”の英雄だし、カネと権力があれば腐敗したレバノン政府なんて何とでもなるし、ソレに加え今はネット社会なんでレバノンに居ながら世界中の情報をゲット&世界中の要人と連絡を取り合えるんだから、困る事なんて何も無いのである。


カルロス・ゴーンの日本脱出はなぜ起きたのか解説します

 まぁ何ちゅーか、コレはニッポンに限った話じゃなく、世界中が抱えてる大きな問題の一つである。世界が急速にグローバル化してヒトとカネとモノの行き来がし易くなり過ぎて、カネと資本家の持つ権力が一気に肥大してしまったのである。国家に縛られる官僚や選挙に縛られる政治家とは違って、資本家は容易に国を超えられるし、選挙による一般国民の審判を恐れる必要も無い。商売だったらイメージダウン云々もあるだろうけど、投資信託ならソレも恐れる必要は無いのである。ニッポンは国内に捉われ過ぎて、こういう海外の本気でヤバいヤツ等と対峙する為の免疫力が不足してるのである。ソコんトコの免疫を付ける事が、今後のニッポンの課題だと思うのである。

*内向き過ぎた武士道
 先日も少し書いたけど、ニッポンという国は兎に角内向的なのである。ちゅーのもニッポンは実質的な単一民族国家で、その上経済的にも大きな成功を納めてて8割ぐらい内需でやって行けてるのである。コレはどういう事かというと「諸外国の民族や文化を理解しなくても殆どの人が生きてける」って事である。殆どの国が自国内に多数の民族を抱えているか、或いは内需だけじゃやってけずに他国に依存してる→生きてくために必然と他の民族や文化を理解しなければならないのであるが、ニッポンにはソレが殆ど無いのである。だから異文化に対し無関心化、或いは逆に「人類皆兄弟、話し合えば皆分かり合える」っていうお花畑思想が蔓延してしまうのである。


【高橋のセンター政経】民族問題と地域紛争

 だから「地位のある人間は高潔でなければいけない。もし悪事を働いたら名誉は地に落ち、もう二度と信用されなくなり、肉体的な死よりも厳しい社会的な死を迎えるであろう」っていう武士道的メンタリティーを外国人も持ってるだろうと勘違いし易いのであるが、決してそうではないのである。コレは良いとか悪いとかそういう事ではなく、民族性と分化の違いなのである。ワタクシがゴーンのやった事を悪いとも良いとも言わない理由がコレであり、正義の鉄槌も届かなければ意味が無いのである。武士道は素晴らしいと思うが、ソレは守るべきモンをシッカリ守った上での話である。内向きな死よりも、外向きな生。今回の事件を経て改めてそう思う今日この頃であった。

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