アスペルガー医師ロンの日常

医師でもあり、アスペルガー症候群当事者でもあり、更には911GT3&ロードスター乗りでもあるワタクシのささやか(?)な日常

WHITE NOISE

 ロンマニアの皆様、こんにちはm(_ _)m

「女というものは、今日の楽しみにも、将来の夢にも貪欲なものだ」
By 堺屋太一

 といった今日この頃、皆様はどうお過ごしでしょうか。


*フツーの学校が一番楽
 東大に入学する一番のメリットは何か。成功者になれる事?答えは「失敗者になる確率が非常に低くなる事」である。たとえ末席でも東大を出てればソコソコのトコに就職できるし、ソレなりのトコへ就職さえできれば、余程の事をやらかさない限りは定年まで勤めあげる事が出来るからである。そう良い学校行って良い会社入るのは、ソレが一番幸せになる方法だからではなく、一番不幸になり難い方法なのである。だから死ぬ気でやりたい事が無いのであれば、無難に学校行って無難に就職するのが一番安全なのである。だから数年前、親戚の子供が不登校になったという話を聞いた時、ワタクシは「出来る限り学校行っといた方が良いよ」とアドバイスしたのである。やりたい事が無くて学校も行かないってのは、一番不幸になるパターンだからである。


札幌 不登校対応の中学校が開校 星槎札幌もみじ中学校

 で、この前その子の親に「あの子どうしてる?学校行ってる( ̄▽ ̄)」って試しに聞いてみたら、中坊になった今も不登校は続いてるんだそうである(^_^;)ただやりたい事が無いのかといったらそうではなく、曰く「絵を描くのが好きだから、将来は美大行ってデザイン系の仕事がしたい」んだそうである。故にワタクシは「やりたい事があるなら良いけど、やるならガチでやってね」と答えた次第である。単純に出身校と先輩や教授のコネで決まる一般的な就職のソレとは違って、芸術だとか美術だとかの世界は才能と運が無けりゃ成功できず、ヘタしたら東大以上に狭き門かも知れんからである。ワタクシはそんな度胸も才能もないチキンなアホだったから、親に言われるがまま素直に大学行ったのである(笑)

*逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ
 とは言っても美大云々に関してはワタクシは全くの素人であり、かつワタクシの美的センスはゼロに限りなく近いので(笑)ココは大人しく他人の意見を参考にしてみたのである。色んな人に話を聞いてみたけど、まぁやっぱそんな簡単な話じゃなかったのである(^_^;)東京とかの有名な美大だと、ソレこそニッポン中の美術自慢が集まってくるんだから、当然ながら入学希望者のレベルは上がるのである:

“美大の最高峰”東京藝術大学に満点合格した鬼才 磯村暖が描く”ニュースのアート”|けやきヒルズ【AbemaTV】
まぁやきうとかでも、地元で神童と呼ばれた有名中学選手が強豪高校行ったら3年間一度もレギュラーになれなかったりとか、強豪高校のエースで4番がNPB入り後は一度も一軍に上がらずに引退したとか、NPBで複数のタイトル獲ったヤツがMLBじゃフルボッコだったりとか、ソレと同じ事が絵画の世界でもあるのであろう(^_^;)

 あと運良くロンマニアの方の中に美大出身で東京の方でプロ絵描きやってる方がいらっしゃったので、少しだけ話を聞けたのである。その方も「フツーの学校生活やフツーの就職活動に馴染めそうになかったから絵の道を選んだ」らしいのであるが、親戚の子が同じ絵の道を歩むにはどうすればいいか簡単に聞いてみたのである:

  1. 兎に角描かないと絶対に上手くならないから、描いて描いて描きまくるべし
  2. 入学もきついけど、卒業するまでも結構きつい。楽しみながらやれるとは思わない方が良い
  3. 就職しようと思ったら一般大学のソレ同様、先輩だとか教授だとかのコネは重要
  4. 絵は人に見られてナンボだから、テメェの殻に閉じ籠ったような独り善がりな作品は通用しない
  5. 逃げ道として一番選んじゃいけないのが美大

だそうである。特に不登校という事もあって、その方は(5)を一番心配していたのである。ちゅーのも他の項目を読めば想像が付くように、美大の世界も他の世界同様に理不尽や厳しさが多少なりとあるし、忍耐が必要な場合も間々あるのである。そして何かから逃げてきたヤツってのは、大概その理不尽や厳しさを忍耐できなかったヤツだからである。

 そう、何かから逃げてきたヤツってのは、忍耐の閾値が低い場合が殆どなのである。だから厳しいノルマを課せられて耐えられなくて留年したら、そのまま一気に美大を辞めちゃう場合が多いんだそうである( ̄~ ̄)努力って逃げてきたヤツでも出来るんだけど、忍耐はホントに好きなヤツじゃなきゃ出来ないのである:

【PL学園野球部】強さの秘密!えげつない練習TOP3!
そう、逃げてきたヤツと、ガチで好きだから来たヤツ、その最大の違いが「忍耐力」なのである。ガチで好きなヤツは「コレを耐えきれば夢のプロ生活があるんだッ!」ってモチベーションを保ち続けられるから忍耐力が高いけど、逃げてきたヤツは「ココに来れば辛いだけの一般生活とはオサラバできると思ったのにッ!」って折れちゃうのである。

*でもやっぱプロは夢がある
 じゃあ今となってはその子の美大行きに反対してるのかと言われたら、その答えは「行って人生懸けてこい( ´∀`)b」である(笑)ちゅーのもどんな形であれ、好きなモンを追いかけて好きな事で食っていくってのは、シビれるし憧れるからである。ワタクシだってもしも自分の息子がクルマ大好きでカートに興味があってカートの才能があったのならば、その子にF1目指すように促す事であろう。確かにF1のシートをゲットする確率は低いだろうけど、ソコにはデカい夢があるからである。だからプロになれるのは一握り&プロの中で成功できるのは更に一握りだと分かってても、親は子供がプロスポーツ選手を目指すのを応援してしまうのである。


F1優勝目指す野田樹潤さん 時速240キロのマシンを駆る小6女子

 まぁ流石にチャンピオンになるのは厳しいだろうけど、その道で食えるようになれればソレで十分である。選手として食えるのが最高であるが、選手じゃなくてもインストラクターやコーチとして生活が立てられればソレでも十分である。以前にもネタにした事があるが、プロとは何かと問われたら、答えは「その分野の技能だけで自立するだけ稼げる人間」である。ソレだけで食ってけるって事は、ソレ即ちソイツの技能が必要十分に認められてるという証だからである。カネは全て正しいというワケではないが、何だかんだカネは最も公平で最も中立的な物差しである。社会人になって益々そう思う今日この頃であった。

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