アスペルガー医師ロンの日常

医師でもあり、アスペルガー症候群当事者でもあり、更には911GT3&ロードスター乗りでもあるワタクシのささやか(?)な日常

HEAVEN IN FLAMES

 ロンマニアの皆様、こんにちはm(_ _)m

神道に書籍なし。天地をもって書籍とし、日月をもって証明とす」
By 吉田兼倶

 といった今日この頃、皆様はどうお過ごしでしょうか。


*便利は全てを凌駕する
 この世界にクルマが誕生したのが今から251年前の1769年で、蒸気機関を動力としたクルマだったんだそうである。ガソリン車が登場したのは今から134年前の1886年で、現在のメルセデス・ベンツが作ったベンツ・パテント・モートル・ヴァーゲンとかいう3輪車である。多分19世紀末~20世紀初頭の人々の中には「馬は生命の息吹を感じるし、馬と仲良くなる楽しみがあるし、共に暮らす事で愛着も湧いてくる。ところがクルマにはそんなモンが無い。クルマは単なる移動手段、馬こそが完成された移動運送手段( ー`дー´)キリッ」とかドヤ顔で言ってたヤツ、相当数居たんじゃないかと思うのである(笑)でもってその後どうなったのかは、最早言うまでもないと思うのである。


トヨタ博物館  世界初のガソリン自動車~ベンツ パテント モトールヴァーゲン

 何故無機質で生命の息吹を感じないクルマが馬を超えられたかって、理由は簡単である。ソレはズバリ「クルマの方が馬よりも圧倒的に便利だから」である。馬はどんなに速くても時速300kmで走れないし、どんなに力強くても25トンの荷物を運ぶ事はできないのである。その上クルマはある程度訓練すれば誰でも乗れちゃうし、メンテナンスだって馬よりも全然楽である。そう、圧倒的な利便性は、情緒を駆逐してしまうのである。そして今となっては「内燃機関車は排気音から生命の息吹を感じるし、様々な手間は愛着を生み出す。でも電気自動車にはそんなモンが無い。電気自動車は単なる移動手段、内燃機関車こそが完成された移動運送手段( ー`дー´)キリッ」になってるんだから、歴史は繰り返すってヤツである(笑)

*紙本は馬が如く
 ワタクシが電子書籍についてどう思うかと言えば、正に上記の馬とクルマのソレである(笑)確かに今の電子書籍はまだ完璧とは言えないが、時間が経てば技術が確実にソレを解決するからである。ワタクシが電子書籍の成功を確信してるのは、電子書籍のが圧倒的に便利であり、そして上記にもあるように圧倒的な利便性は情緒を駆逐するからである。人間というナマモノはソレが便利なのであれば、気合と根性で危険を乗り越えて実用化しちゃうモンなのである。古くは火に始まり、飛行機然り、電気然り、ガス然り、原子力然り、クルマ然り、火薬然り。何れも危険極まりないシロモノであるが、便利だからこそ人類はリスクを冒し犠牲を払いながらもモノにしてきたのである。


【衝撃】なぜ人類は「原子力発電」を使うのか?

 だから電子書籍も、ソレが便利である限り間違いなく普及すると確信してるのである。まぁ紙本も無くなる事は無いだろうけど、今の馬がそうであるように、特殊な立ち位置(マニアアイテム、芸術品としてなど)になるだろうと思うのである。ネットが繋がって電気さえあれば何時でも何処でも在庫切れを心配する事無く欲しい本がゲットできて、デジタルデータだから嵩張る事が一切無い。ジョジョ全巻とこち亀全巻とワンピース全巻を何処へでも気軽に持ち運べて読みたい時に簡単に読める事を考えれば、紙本の「紙の手触りと匂いガー」「棚に並べて所有感と満足感ガー」なんて屁みたいなモンである(笑)だからこの度の【鬼滅最終巻で行列が云々】って気持ちがワタクシには理解できんのである( ̄~ ̄)


「鬼滅の刃」最終巻に大行列…深夜の争奪戦(2020年12月4日放送「news every.」より)

 まぁコレの場合は紙本が云々、電子書籍が云々ではなく、同好の士と同じ熱狂の中での一体感を味わうのが目的なのであろう。コレがSNSに引っ掛かったら炎上するのを覚悟で言うが(笑)鬼滅の刃って「自分で読んでみてメチャクチャ面白かったから熱狂した」よりも「隣のヤツがメチャクチャ面白がってて熱狂してたから自分も熱狂した」ってヤツの方が多いんじゃないかと思うのである。分かり易く言うと、BLMみたいなモンである。誰かが熱狂して、ソレがネットやSNSを介してガンガン伝搬して、熱狂の流れが止まらなくなって誰も何も言えなくなってしまったって感じである。果たして10年後、鬼滅人気がどうなってるのかで、この作品の価値は決まると思うのである。

*使い捨ての熱狂
 何だかココ10年ぐらいで、ブームってシロモノの在り方が変わってしまった希ガスのである。10年以上前、SNSとかがソコまで普及してなかった時代とかは、爆発するようなブームってホント稀だったし、流行りモンは焚火みたいにジワリと燃えて、そのまま結構長くチロチロと続いてたって感じである。ソレが今だと、ブームの爆発がビックリするほど頻回に起こるのである。ただ爆発してもソレが長く続く事は稀で、どんなにデカく爆発しても1~2年ほどで忘れられてしまうって感じである。何ちゅーかブームの中身よりもブームそのものを楽しむ、言わば「ブームの使い捨て」みたいな感じである。


空前の大ヒット!映画「鬼滅の刃」なぜ社会現象?(テーマ別)【そこまで言って委員会NP|2020年11月8日放送】

 ワタクシは思うのである、もしも鬼滅の刃の連載が20年早かったら、売れただろうとは思うけどココまで爆発的には売れなかったのではないか、と。前にも言ったと思うけど、ネットとSNSが爆発的に普及した事で、昔以上に簡単に「隣のヤツは何が好きか」を分かるようになってしまったのである。そうなると当然、皆一層勝ち馬に乗りたいがために1つの何かに一斉集中し、集中が熱狂を生み出し、熱狂が更なる熱狂を呼び込むのである。一気に視野が広くなっても辿るべき道を見失わない確固たるビジョンを持ったヤツは実に少なく、大概は広がり過ぎた視野の中で道を見失って安易に他人の背中を追ってしまう。テメェの頭で考える事の大事さを思い知らされた今日この頃であった。

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