ロンマニアの皆様、こんにちはm(_ _)m
「読書はしばしば、考えることを回避するための巧妙な手段である」
Ｂｙ アーサー・ヘルプス
といった今日この頃、皆様はどうお過ごしでしょうか。
＊手段を選ぶ自由
もしも「一般的な評価はアレだけど個人的に高く評価してるゲームを１つ挙げろ」と問われたら、ワタクシは【キングダムカム・デリバランス】と答える次第である。濃いオープンワールド好き向けの色々とリアル過ぎるコアな内容だった事がプレイヤーを選ぶ原因だったが、ワタクシはコアゲーマーなので何ら問題は無かった次第である（笑）DLCが溜まりまくってたんで久々に再開したのであるが、やっぱ面白いのである：
【レビュー】超コアゲーマー向けでも好評？キングダムカム・デリバランスは何が面白いか徹底解説！【Kingdom Come: Deliverance】
舞台が１５世紀のリアルチェコだから魔法もドラゴンも出て来ない、主人公がガチ平民で文盲、主人公は勇者でも何でもないから３人以上に襲われると確実にフルボッコになる、メシ食わなきゃ飢えるし寝なきゃ気力が持たない、汚い下品なカッコしてると白い目で見られる、武器も防具も使うと摩耗するから修繕が必要、電気なんか無いから夜になると真っ暗になる上に野盗が襲いかかってくる等々。色々とリアル過ぎて、ただ爽快感と冒険感を求めるプレイヤーには敬遠されるであろう。が、一度ハマると、他のゲームには無いリアルさの虜になるのである。
このゲームの何がワタクシ的に楽しいって、ソレはズバリ「目的を達成さえできれば手段は問わない」と「悪事はバレなきゃ無問題」という事である（笑）無論、手段や悪事には其々リスクや難易度が多少なりとあるのであるが、ソレを背負うのもプレイヤーの自由なのである。例えばＡという人物に入手を依頼されたブツをＢという人物が持っていて、Ｂは「安くは譲れない」と言ったとする。この場合、どの選択肢が正解であろうか：
- 高いカネを出して買う
- Ｂの依頼を請け負う事を条件に安く譲ってもらう
- 夜な夜なＢの自宅に忍び込んで盗む
- Ｂを殺して奪い取る
答えは勿論「全て正解」である。要はAにブツさえ届けられれば、方法は何だって良いのである。勿論、どの選択肢を選ぶにしても負うリスクやクリア難易度やかかる時間や必要なスキルが各々変わるが、ソコはプレイヤーが自分の得意とするやり方でやれば良いのである。最終的に損するかも知れないし、得するかも知れないが、ソレはプレイヤーがシッカリ考えた上で選択すれば良いのである。
＊直３ＯＴＧ
前にも言ったけど、オープンワールドの面白さってのは、ソレ即ち「自己責任の楽しさ」なのである。より良いモンを得る為に茨の道を突き進むのも、時間と手間をかけて堅実に積み重ねるのも、全てプレイヤー次第なのである。やり過ぎて後々困窮したり、ケチり過ぎて丸々余ったり、そういう成功も失敗も併せて「自分の選択だから」で納得できちゃうのである。さて話は変わって、と：
MOTOR FAN illustrated - モーターファンイラストレーテッド - Vol.174 (モーターファン別冊)
- 発売日: 2021/03/15
- メディア: ムック
＊自己責任アレルギー
何故ニッポンじゃオープンワールドがソコまで流行らなかったかって、ワタクシは「ニッポン人は自己責任アレルギーが少なくないから」だと推測するのである。ニッポンって昔からずっと上位下達の縦社会で、今では欧米式の法治主義や人権思想を受け入れたものの、基本的な思想はそのままなのである。ソレ即ち「下の人間は上に自由と権利の一部を譲渡するけど、その代わり上の人間は下の面倒を見て責任も取ってくれ」って発想である。欧米式のソレは本来「人間を上下に分けないし、下の自由も権利も譲らなくていいけど、でもその代わり自己責任だよ」なんだけど、ニッポン人は少なからず後者を忘れてるか意図的にスルーしてるかなのである。
あと自己責任の上で得られる大きな自由で得するのは、能力や運やコネや環境に恵まれた人間だけってのがデカいのである。テメェでテメェの未来を予測して行動する能力の無いヤツに自由を与えても高い確率で破滅してしまうモンであり、狡賢いヤツはそういう能力の無いヤツを見抜いて、甘い言葉をささやいて”優しく”搾取するのである。つまり自己責任ってのは多くの人を不幸にするだけでなく、社会の分裂を更に広げてしまう毒リンゴでもあるのである。和を重んじるニッポン人はソレが何となく分かってるからこそオープンワールドに違和感を感じ、その代わり自由の無く目的地の決まったソシャゲを愛するのではと思ってしまう今日この頃であった。
