アスペルガー医師ロンの日常

医師でもあり、アスペルガー症候群当事者でもあり、更には911GT3&ロードスター乗りでもあるワタクシのささやか(?)な日常

THE EROSION OF SANITY

 ロンマニアの皆様、こんにちはm(_ _)m

「技術力とは“心の蓄積”である」
By 関戸寿雄

 といった今日この頃、皆様はどうお過ごしでしょうか。


*国産スポーツカー黄金時代の集大成
 BNR34が4980諭吉。冗談ではなくマジな話である(-_-;)最終記念モデルであるVスペックIIニュルの走行距離僅か4キロの超極上車の値段がコレである(;´Д`)ワタクシがカネ持ってたとしても、間違いなくコレは買わないであろう。フェラーリランボルギーニ買った方がコスパ的にも確実に良いのもだけど、BNR34にこの値段はバブル以外の何でもないからである。フェラーリランボルギーニの特別限定モデルなら兎も角、元々がフツーのスポーツカーでしかないBNR34の相場がこのまま値上がりし続けるとはワタクシには思えないからである。乗れないのは勿論、投資対象としても疑問符が付くからである。

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 何故あの時代のクルマでBNR34だけがココまで神格化されるのか、ワタクシが思うに「BNR34があの時代の国産スポーツカーの頂点であり集大成であったから」だからである。あの時代のクルマって280馬力規制があったからチューニングが前提であり、そしてパワーアップにおいてRB26DETTに勝るエンジンは無かった&その超絶パワーを受け止められるシャシーと4WDシステムがあったからこそBNR34があの時代の頂点に立ち、あの時代のアイコンとして現在に至るまでクルマ好きに崇拝されてるのではないかと思うのである。速さはクルマにおいて最大の正義であり、そしてクルマの速さはパワーで決まるのである。

*やはり技術・・・・!!技術は全てを解決する・・・・!?
 実はこの前、NSXに実際乗った事のあるロンマニアの方とNSXについての雑談を交わしたんだけど、曰く「NSXが失敗したのは、スポーツかラグジュアリーか、そのどちらも中途半端だったから」だそうである。ポルシェみたいな徹底した走行性能や速さがあるワケでもなく、でもアストン・マーチンみたいに優雅さやラグジュアリーに満ちたデザインや内装もしていない。だからスーパーカーを買い求めるような顧客には響かないのではとの事である。あと更に言ってたのは「ポルシェはオプションや特注でラグジュアリーさを出せるし、アストンも走らせれば実はかなりスポーツできるけど、NSXはどっちもダメ」だそうである(´ヘ`;)

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 じゃあホンダは何を考えてあのクルマ作ったんだろうという疑問をぶつけたのであるが、そのロンマニアの方曰く「多分だけど、技術を売りにしようとしてたんじゃないか」だそうである。スポーツでもなくラグジュアリーでもなく、技術という新しいジャンルを作り出し勝負する。確かにソレは良いアイディアだと思うのだが、問題が一つあるのである。ソレは「余程の革新的技術でない限り無理ゲー」という事である。今時のホンダがやってるような「他社と比べて1~2割優れてる」といったセコいモンじゃなく、CVCCとかオールアルミモノコックとかいった、昔のホンダが得意としてたパラダイムシフトを巻き起こすレベルの革新技術が必要なのである。

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 でもってどんな技術もそうであるが、一度世間の目に晒されればコピーされたりリバースエンジニアリングされたりしてしまうモンなのである。あとスマホやパソコンが良い例であるが、技術だけを売りにすると古いモンは価値が激減してしまうのである。30年前の古いポルシェや古いアストンに乗る人は多い&その数が減る事は無いだろうけど、X68000やポケベルを未だ使うヤツは変態である(笑)だからホンダは技術でのウケ狙いは程々にして伝統の維持だとか枯れた技術の熟成とかをやるべきだったんだけど、ホンダももう後には引けないんだろうなと感じてしまうのである( ̄~ ̄)

*優れた技術とは
 上記サブタイに対するワタクシの答えは「ソレが表に出た後、同業者達が一斉にパクりだす技術」である。古くはフォードのベルトコンベア式クルマ製造やライト兄弟の飛行機、ちょっと昔だとクオーツ式時計やファミコン、最近だとスマホタブレットとかである。ソレが明らかに有用だと分かってるから、二番煎じでも間違いなく売れると分かってるからこそ、パクりと言われようが挙って採用するのである。実はNSXに無くてR35にあったのが、他ならぬこの「パクられまくった優れた技術」なのである。ソレは何かって、実は「DCT式トランスミッションの有用化実用化」がソレである。

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 DCTそのものは決して新しいモンではなかったけど、ソレを500馬力前後の超ハイパワーな量産車に積むモンとして実用化したのはR35が最初だったのである。でもってその有用性をR35が立証したからこそ、フェラーリランボルギーニマクラーレンもポルシェも、及び他社のスーパーカーも挙ってDCTを採用しMTを廃止or縮小していったのである。そういう先見性がNSXにあったのかと問われたら、ワタクシの答えはノーである。優れた技術ってのは必ずしも新しい技術である必要は無く、枯れても熟成された技術は新しいだけのモンよりも遥かに有用である。ソコが分からなければ優れたモンは生み出せないと思う今日この頃であった。

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