アスペルガー医師ロンの日常

医師でもあり、アスペルガー症候群当事者でもあり、更には911GT3&ロードスター乗りでもあるワタクシのささやか(?)な日常

FEEL THE RAGE

 ロンマニアの皆様、こんにちはm(_ _)m

「恐怖を生むのは弱さです」
By マハトマ・ガンジー

 といった今日この頃、皆様はどうお過ごしでしょうか。


*恐怖こそ全ての根源
 発達障害当事者の心には、多かれ少なかれある共通の感情が心の奥底にあるのである。ソレは「健常者及び健常者社会への恐怖」であり、発達当事者の活動ってのは「如何にこの恐怖と立ち向かうか」にあると言っても過言ではないのである。何故ソレに恐怖を感じるかって、向こうの方が数が圧倒的に多くて、力も圧倒的に強いからである。メチャクチャぶっちゃけた話、健常者サイドが不要だと断定すれば発達当事者は簡単に追い出されるし、何だったら発達当事者が居なくたって社会や世界は成り立つからである。発達に限らず昔の障害者がどういう扱いを受けてたか調べてみれば、ワタクシの言わんとしてる事が分かると思うのである。

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 勿論、そういう悪意を持った人間は少数だという事は分かっていても、ソレでも昔イヤな思いをした事がある当事者は多かれ少なかれトラウマになっていて、何も無くとも「その可能性がある」ってだけで多少なりと警戒し疑心暗鬼になってしまうのである。例えば190cm120kgのプロレスラーとマンツーマンで会話してるとして、そのプロレスラーが善良な人間だと分かっていても「コイツがマジギレして突然襲いかかってきたら、俺死ぬな( ̄▽ ̄;)」って考えが頭の片隅を過るようなモンである(笑)その恐怖を何とかするために、色んな当事者が色んなアプローチを試みてるのである。

*恐怖克服・虎の巻
 まず最初に挙げる克服法は「自分で身を守る」である。ワタクシがやってるのもコレで、多分コレが一番確実な方法だと思うのである。どうするかって、発達障害の特性と上手く折り合いながら、社会で生きるのに技能や才能を伸ばしていくのである。アメリカなんかはコレで多くの天才を輩出してるし、ニッポンでも最近は進学支援や就労支援が増えてきて、そっち方向が活発に進んでるのである:
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健常者社会で十二分にやってけるだけのスキルがあれば、人間関係が上手く行かなくてもスキルだけは買ってもらえるし、スキルで稼いだカネでメシを食ってけるようになるからである。カネで幸せは買えないが、カネで不幸を防ぐ事は可能なのである。軽自動車だと一発即死な大事故でも、ベンツ乗ってれば無傷か軽症で済むのである。

 でもって次が「他人に守ってもらう」である。親に理解があってソレなりに稼ぎの良い人であれば、当事者である子供の為に親の死後も食ってけるだけの貯金を残す事が出来るからである。あとは結婚して伴侶に守って稼いで貰ったり、或いは自分の子供が大人になった時に扶養してもらうって感じにである。実際当事者会なんかを主催してる当事者ってのは、このパターンが多いのである:
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確かに楽っちゃ楽だけど、オススメできるかと問われたらワタクシ的にはノーである。ちゅーのも親ガチャは当たり外れがデカいからアテにならないし、結婚だって上手く行く可能性はコレまたガチャだからである(^_^;)流石に自分の人生を運要素に委ねるのは、ソシャゲ嫌いのワタクシ的にゃ薦められんのである(笑)

 じゃあ能力やスキルが無くて、且つ家族ガチャも外したらどうすれば良いかと言えば「互いに守り合う」か「行政に守ってもらう」である。所謂”発達界隈”って言うのがコレであり、自助会だとかSNSだとかワークショップだとか、そういうトコで繋がり合って支え合って励まし合って「自分は独りじゃないッ!仲間が居るッ!」って安心感と自己肯定感を得るのである:
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でもって言っちゃ悪いが、コレもワタクシ的にはオススメできない次第である。ちゅーのも確かに気分的には楽にはなるけど、楽になるだけで根本的な「恐怖を克服する」には繋がらないからである。寧ろソレに依存し過ぎて界隈や仲間の維持に汲々として、異論反論や離脱を許さない空気も出来てしまい、結果として空気が殺伐としてしまうのである。ネガティブな感情で繋がった界隈は、やっぱネガティブな空気が漂うのである。

*社会が変わっても恐怖は消えない
 でもってワタクシが最もオススメしないのが、最後に挙げる「怖がらなくて済むように社会を変える」であり、残念ながらこの方向に進んでしまう当事者が少なくなかったりするのである(-_-;)最近はSNSの進化もあって、所謂「横の連携」ってヤツがやり易くなったから尚更である。発達界隈をデカくして勢力伸ばすのに加えて、同じように社会に恐怖や生き辛さを感じてる他ジャンルの人等と連携して一緒に社会運動を起こして世の中を変えていこうという運動、最近多いのである( ̄~ ̄)アメリカでBLMがあんだけ盛り上がったのは、黒人だけじゃなく様々なジャンルのサヨク活動家が相乗りしたからである。

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 幸い今はまだ発達界隈はソコまで盛り上がってないが、BLMやグレタ等みたいになったら大事である(´ヘ`;)そうなったらどうなるかって、話し合いが出来なくなるからである。少数派で非力な発達当事者がどうやって社会を変えてくかって、地道に説得して味方を増やしていくしかないのである。実績を積み重ねて徐々に認められて偏見を少しずつ打ち消していって、隔たりを徐々に消していくしかないのである。でも過激な言動はただの条件闘争であり、心からの和解ではないのである。ネガティブな感情が根底にあったら、ネガティブな方向にしか世の中は変わらない、改めてそう思う今日この頃であった。

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