アスペルガー医師ロンの日常

医師でもあり、アスペルガー症候群当事者でもあり、更には911GT3&ロードスター乗りでもあるワタクシのささやか(?)な日常

TURN IT AROUND

 ロンマニアの皆様、こんにちはm(_ _)m

「いかなる問題にあっても、具体的という事は、最後の、しかして最良の結論だ」
By 石川啄木

 といった今日この頃、皆様はどうお過ごしでしょうか。


*ダイナミズムは人を感動させる
 あんま知られてない事だけど、ロシア軍って意外とショボいのである。ソ連時代の遺産である核兵器だけは世界最大の保有数を誇るが、軍事予算はアメリカの1/12、中国の1/4ぐらいしかないのである。だから当初19万人もウクライナに動員したと聞いて「運用する予算あるの、コレ( ̄ー ̄?)」って思ってたんだけど、多分こういう筋書きだったんじゃないかと思うのである:

開戦から2~3日で首都キエフを陥落して大統領をとっ捕まえて、政権と議会を総解散させる

「諸悪の根源はもう成敗した。犠牲は最小限に留めたし、もうコレ以上の戦闘は無いから、ウクライナの件はココで終わりッ!」って宣言する

当分は国際世論が大炎上するだろうけど、何も起こらなければ次第に怒りも薄れる

ロシア好みの傀儡政権をウクライナに樹立する

世論が冷めた頃にNATO諸国との各種取引をシレっと再開して、何事も無かったかのように元に戻る

(゚д゚)ウマー

コレならば予算や備蓄がショボくても大軍団を動かせるし、被った損害もウクライナ傀儡政権に”賠償”させれば済む話である。が、多分裏でCIAなり何なりが情報回してるんだろうけど予定通りに事が運ばなくて、備蓄や供給がヤバくなって、逆にウクライナ側が用意した「泥沼のゲリラ戦パルチザン戦に持ち込んでロシア軍を徹底的に消耗させて、徹底抗戦アピールで国際世論を味方につける」という作戦を決行されてしまったのが今って感じである。

 そう、もしもウクライナが早々に降参してしまったら、反戦ムードがココまで盛り上がる事は無かったんじゃないかと思うのである。この「弱い側の人間が勇気と覚悟を振り絞って、勝ち目の無い戦いに挑む」ってシチュエーションこそが人々の心をグッと掴み、ココまで盛り上がったのである。人間というナマモノは正しいか否かよりも、心を揺さぶられた方が強く納得するのである:
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ニッポンにも「命は大事なんだからウクライナはさっさと降伏すべし」とか言うヤツは大勢居るけど、降伏しなかったからこそ国際世論はココまで大きく盛り上がったのである。もしも早々に降参してたら人々の怒りは早々に冷めて、主権奪われた後のウクライナチベットウイグルと化したとしても、チベットウイグル同様に見向きもされなくなったであろう。繰り返し言うが、人は正しさだけじゃ動かないのである。

*お花畑主義の終焉
 でもって今回の件がニッポンにどう影響するかって、中国やロシアによる直接の云々もそうだけど、ニッポン国内に関して言えば「今までずっと続いてきた”フワッとした平和幻想”が崩れた」って事であろう。どんなに外交を頑張っても戦争を防げない場合もあり、そうなったら国を守るにおいて憲法九条なんぞ屁の役にも立たない。そういったサヨク連中が議論する事すらも許さない現実を、こうやって明確に突き付けられたワケである。サヨク連中や野党連中はその現実に対する具体的かつ現実的な答えを示さない限り、今夏の参議院議員選挙は与党にボロ負けするであろう。

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 結局今まで「憲法九条ガー、非武装中立ガー、平和外交ガー」ってお花畑全開な政策がソレなりに支持されてたのは、ニッポンにガチ危機が迫ってなかったからである。平和過ぎたからこそフワッとした抽象的な平和論でも「まぁこんなモンで良いか( ̄▽ ̄)」って受け入れられてたけど、今回は隣国による余りにも現実的かつ具体的なガチ危機を突き付けられた事により、そんな甘えと余裕は吹き飛んでしまったのである。今回はあのドイツでさえ【軍事費ガッツリ増やす】って決断するレベルであり、与党も間違いなくソレで票を取りに行くであろう。で、野党はソコんトコどうするんだって話である。

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 そう、平和外交を貫きたいのであれば、ソレを上手く実現させるための具体的かつ現実的な方法が不可欠なのである。今までは平和だったから曖昧で良かったけど、隣国でしかも四島取られてるロシアがあんだけの事をやらかして、その所為で今までは「何となく」レベルだった中国が台湾や尖閣や沖縄でやらかしかねない懸念にリアリティーが伴ってしまったのである。今ココにある具体的かつ現実的な危機に対応するためには、今すぐ実行できる具体的かつ現実的な政策しかないのであり、ソレが提示できなきゃ野党は更にソッポ向かれるだけなのである。

*守るべきモンがある?
 でもって度々心配されてる中国による台湾云々であるが、実はこっちはワタクシあんま心配してないのである。ちゅーのも言っちゃ悪いが取られても損する事があんま無いウクライナと違って、台湾は取られたらアメリカ含む先進国が超絶ヤバい事になるからである。台湾にゃTSMCがあって、ソコで作られてる最高品質の半導体は先進国の産業にゃ欠かせないからである。特に先進国ほどクルマやデジタルガジェットやITといった半導体無しでは成り立たない産業に支えられてる→TSMC押さえられたらリーマンショックなんぞ比較にならないレベルの大不況になるから、アメリカも世界最強の第七艦隊を台湾海峡にスタンバらせてるのである。

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 時折「アメリカは台湾も沖縄も守らない」って言うが、ワタクシは「守る理由は十二分にある」って答える次第である。TSMC云々もそうだけど、沖縄と台湾失ったらアメリカの安全保障が崩れるだけじゃなく、今後ポスト中国で経済的に成長するであろう東南アジア地域における信頼も失ってしまい、損失が余りにも大き過ぎるからである。そう、国家ってのは古今東西、正しさや感情論じゃ動かないのである。国家を動かすのは利益であり、国家の利益があるからこそ豊かになった国民が国家を更に支えるのである。ベストってのは終わりなきベターの積み重ね、改めてそう思う今日この頃であった。

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