アスペルガー医師ロンの日常

医師でもあり、アスペルガー症候群当事者でもあり、更には911GT3&ロードスター乗りでもあるワタクシのささやか(?)な日常

SVARTSYN

 ロンマニアの皆様、こんにちはm(_ _)m

「どんな困難な仕事でも、私はまず”はい、できます”と答える。答えてからやり方を考える」
By セオドア・ルーズベルト

 といった今日この頃、皆様はどうお過ごしでしょうか。


*スポーツカーの2つの楽しみ方
 同じ100の出力を得るにしても、その方法は大きく2つに分かれるのである。1つ目は「100のムダを200のパワーで補う」であり、コレの典型がR35である。クルマがデカく重たくなっても、大出力とソレを地面に伝え切る為の4WDシステムで補えば、結果としてタイムが出るって考えである。このタイプのクルマにおいて重要なのは大パワーを捻じ伏せるのに特化したドライビングと、あとデカく重たいが故に高額化する消耗品やメンテナンス代である:
youtu.be
そしてもう1つが「パワーは150しかないけど、100のムダを50まで減らす」であり、コレの典型がロドスタである。でもってGT3はどっちなのかと問われたら、ワタクシの答えは「後者」である。パワーは510馬力とR35と比べ”非力”だが、車重は1465kgまで軽量化(素カレラが1530kg)されてて、サスジオメトリーの改良やトランスミッションの設定等でパワーをムダなく使い切る。GT3はそういったムダの無さが醍醐味なのである。

 まだ慣らし運転の最中なんでハデな事は出来ないのがアレであるが、単純に高速道路のインターチェンジで高めのGを掛けて旋回したり、高速の合流で少し強めにアクセルを踏んだり、そういうトコでこのクルマのヤバさを実感する次第である( ̄Д ̄;)何がヤバいって、ロールしないのである。水平対向エンジンドライサンプだから重心がドチャクソ低いのもだけど、ロールセンターも同じくドチャクソ低いから、強めに旋回しても傾かんのである。でもって車体が軽いから、少し強めに踏んだだけでも鋭い加速をするのである:


NAエンジンだから上まで回せば回すほどにパワーが出る仕組みなのであるが、残念な事に慣らし運転が終わってないから上まで回せないのである(´・ω・`)そう、このクルマは慣らし運転が必要なのである。因みに慣らし運転の方法であるが、ちゃんとマニュアルに書いてあるのである:

このマニュアルが実に秀逸で、必要な分が事細かく描かれていて、実に合理的で使い勝手が良いのである。だから1500キロ走り切るまでは7000rpm以上は回せんし、回せんのなら加速云々に関するインプレは難しいのである。ただソレでも、このクルマの持つポテンシャルがハンパじゃない事だけは分かるのである。

*分かる人の、分かる人による、分かる人の為のクルマ
 そう、このGT3というクルマ、サーキットを速く走る事に特化したクルマなのである。軽い車重、ロールしない車体、硬めのサスペンション等々、全てはサーキットで効率よくタイムを出す為にあるのである。中古市場でターボは少なくてもGT3は結構出てくるのは、つまりそういう事なのであろう。街乗りやワインディングじゃオーバースペック過ぎるから、持て余して売っちゃうオーナーが多いんじゃないかと思うのである:


街乗りやワインディングにはデカいウィングは必要無いし、角度調節機能はもっと要らないのである。あとバックミラー越しに見るウィングは結構ジャマなのである。特にこの手のクルマは覆面にマークされ易いので、後ろが見え難いと少しヤバいのである(笑)

あとレースカー的なドラポジを強いられるこのバケットシートも、公道を気持ち良く流すには向いてないのである。でもこの独特のドラポジ、サーキット走行には実に適してるのである。何が良いって、フルブレーキしても身体が前に飛んでかないのである。腰をベルトでシッカリ固定さえすれば、そんだけでサーキットでの減速Gに十分耐えられるのである。あとフルバケらしく横方向のホールド性もバッチリだから、結構な横Gがかかっても屁じゃないのである。でもコレ、リラックスして座るには向いてないし、車中泊なんて以ての外である(笑)


あとカレラ系やターボ系だと5つある走行モードも、GT3だと3つしかないのである。分かり易く言うと「ノーマル=街乗り用」「スポーツ=ワインディングor路面の粗いサーキット用」「トラック=路面状態の良いサーキット用」ってトコである。あと巷では「硬い」って言われる足であるが、ワタクシの率直な感想は「確かに硬いけどゴツゴツしたイヤな硬さじゃない」ってトコである。サーキット仕様のチューニングカーに乗り慣れた人ならば、何ら問題が無いどころか心地良くすら感じるであろう。硬くてしんどいと感じる人は、恐らくサーキット走行の経験の無い人であろう。


あとPDKであるが、変速スピードも滑らかさも異次元レベルである。高回転まで回せないから詳しいレビューは出来んが、街乗りレベルだとCVTかと思うぐらいに何時変速したのか分からんぐらい滑らかで速いのである。ワタクシは常々「究極のトランスミッションはDCT」と言ってるが、ソレが正にコレだと言えるのである。コレをサーキットで使える日が楽しみで仕方が無いのである。


あとライトのPDLS Plusであるが、奮発して入れた価値は十二分にあったのである。基本ハイビームで広角だから前が見易くて、前方車や対向車が来ても自動で照射範囲を調節してくれるから、一々切り替えたりする煩わしさが無い上に安全なのである。ポルシェのオプションって高いけど満足感があるから、ソコんトコ悩まし過ぎるのである(笑)


あとこうした小物の数々も、センスがムダに良いから困ったモンである。実に些細なトコなのであるが、乗る度に見るモン触れるモンがカッコ良いと、その積み重ねで気分もアガってくるのである。言っちゃ悪いが、ニッポン車はこういう細かいトコで手抜きするから、些細な不満が年月を経てストレスへと変わってしまうのである。古人曰く「神はナントカに宿る」ってヤツである。

発達障害者でもポルシェ乗れる
 ワタクシのようなアスペルガー症候群当事者でも、すべき事をシッカリやってればGT3のオーナーになれる。サブタイと合わせて重要な事だから2度言った次第である(笑)納車時のブログでも書いたが、ワタクシは一時何もかも上手く行かなかった時期があり、カーチャンから「実家に帰って何年か休んだらどうか」と言われた事があったのである。その時のワタクシは「ココで休んだらアカン」と本能で感じて踏み止まる道を選んだが、もしも折れて休んでしまったら確実にニート化してしまい、今頃ジャカルタの実家で8050待ったナシだったであろう(笑)

 だからワタクシはワタクシの実体験を以って「発達障害だからって人生諦めるのはまだ早いぞ。すべき事をシッカリやって、積み重ねるべきモンを地道に積み重ね続ければ、人生意外とチャンスが巡ってくるモンだぞ」と、コレを読んでるかも知れない世界中の発達障害当事者(及びその家族や支援者)達に向かって言う次第である。まぁワタクシもまだまだ発展途上で、改善すべき点は山ほどあるのであるが、ソレも今後地道にやり続けていけば何とかなると信じてる次第である。今回のコレはゴールではなく、新しいスタート。ワタクシのクルマ道はまだまだ終わらない今日この頃であった。