アスペルガー医師ロンの日常

医師でもあり、アスペルガー症候群当事者でもあり、更には911GT3&ロードスター乗りでもあるワタクシのささやか(?)な日常

LAST RITES

 ロンマニアの皆様、こんにちはm(_ _)m

「成長は一時的に安定を失うことだ。それは、慣れ親しんでいるが型にはまったやり方や、安定しているが退屈な仕事、時代遅れの価値観、意味のないつき合いを排除することでもある」
By ゲイル・シーヒー

 といった今日この頃、皆様はどうお過ごしでしょうか。


*昔は昔、今は今
 何故ニッポンのチューニング文化が独特の道を辿ったかって、高度成長期~バブル期という特殊な時代と、あとあの当時のニッポン車のブランド力ゆえだったとワタクシは考えるのである。80年代前後のニッポン車ってのは世界的にはまだ二流メーカーで、色んなトコにセッティングや作り込みの粗さがあったりだとか、安く売る為に敢えて品質の劣る低コストな部品で作ってたりしたのである。だからマトモに走らせるためにはチューニングしなきゃならない&チューニングの余地が多くあり、ソコに上記時代でカネの余ってた若者が数多く居たのだから、結果としてチューニング業界が栄えたのである。

 で、当然ながら今は時代が違うのである。もうニッポン車は二流品なんかじゃなく、チューニング業界の主要顧客だった若者にカネは無いのである、だからチューニングの在り方も、カーライフの在り方も、当然ながらソレに合わせて変わるべきなのである。純正で最大公約数の効果が出てるのに、チューニングパーツを入れたせいでトータルで性能ダウンしてしまった例、ワタクシも結構見てきたのである:
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でも昔のやり方でいち黄金時代を築いちゃったモンだから、業界もユーザーもあの時代の楽しさと華やかさが忘れられず、時代が変わってもあの時代の続きを求めてしまうのである。結局今時のクルマも昔風に仕立てちゃうし、昔のクルマを今も延々と乗り続けちゃうのである。

*一番気に入ってるのは、ブレーキだ
 だから何だかんだ言って、クルマ云々においてニッポンが参考にすべしはアメリカではなく、ヨーロッパなのである。やはりモタスポ云々ブランド云々に関してのメジャーリーグは依然ヨーロッパであり、成長し切って安定期に入った先進国という意味でもヨーロッパは参考になるのである。そんなヨーロッパで新しく生まれた活きの良いスポーツカーがコレであり、今回の試乗の本命もコレなのである:

ルノーと言えば、兄弟ブランドの【アルピーヌA110S】である。どのクルマ雑誌もベタ褒め状態で、実際に乗った知人達も口を揃えて絶賛するし、実際買っちゃった人も居たりするので、そりゃ気にならないと言ったらウソになるのである。外車の右ハンドルで最も気になるペダルレイアウトであるが、全開のメガーヌ同様全く問題無かった次第である。寧ろ逆に、GT3のオフセットが相対的にデカく感じてしまうぐらいである(笑)

 メガーヌ同様の小排気量で低回転からレスポンス良くブーストの掛かるエンジン、1120kgの軽量ボディーの楽しさは様々なメディアが散々書いているので、ソコんトコ省略である。このクルマでワタクシが感動したのは、サブタイにあるようにブレーキである。ペダルストロークが殆ど無く、踏力でブレーキ力が決まる、レーシングカーのブレーキである。多分ブレーキブースターが無いか、あっても小さいのであろう。サーキット等で曲げるブレーキングをするにおいて、この類のブレーキは実に使い易いのである。そういうのを市販車に搭載してきた時点で、このクルマのガチっぷりが分かるってモンである。

 そう、このクルマの何がヤバいって、何から何までスポーツ走行に特化してるって事がである。荷物スペースも少ないし、後方視野も悪いし、車内も狭いし、値段も高いのである。が、だからこそこのクルマでなければ味わえない凄みがあるワケであり、その凄みを味わうために出費を惜しまなくなるのである。ソレがスポーツカーの矜持ってモンであり、フランス車メーカーは何だかんだモタスポ歴が深く長いから、ソコんトコ良く分かってるのである:
youtu.be
お値段は900諭吉と安くはないが、300諭吉の国産車買って600諭吉かけて弄るよりも、ワタクシは900諭吉でコレ買ってノーマルで乗る方を選ぶ次第である。確かに後者の方が速いかも知れないが、速けりゃ良いってモンじゃないのである。牛丼屋の牛丼をン十種類のスパイスや薬味をブチ込んで高級フレンチに匹敵する美味さに仕立て上げたって、ソレをデートで食いに行けるかって話である(笑)

*国産スポーツカーはオワコン
 前回のブログのサブタイに付いていた「?」マークが今回は消えているが、コレがこの2台に試乗した今のワタクシの正直な感想である。フェラーリランボルギーニやポルシェに負けるのは、そりゃ歴史やブランド力から考えても仕方が無いと言えるのである。が、ルノー(及びアルピーヌ)はレクサス以外のニッポン車メーカー同様にマスブランドである。そのマスブランドのルノーのクルマに底力で負けているのであるから、そりゃオワコンだとしか言い様が無いのである┐(´д`)┌ヨーロッパはEV化を進めつつもこういう魅力的なスポーツカーを出してきてるのに、ニッポンはランエボWRX-STIS2000RX-8も悉く消えてしまってるのである┐( -"-)┌

youtu.be

 結局昔ながらの「スポーツカーは速くてナンボ」って考えからチューニングが持て囃されたのは、やはり国産車にブランド力が無かったからこその考え方なのである。安く買ったから多少粗末に扱っても構わないし、デザインが洗礼されてないから外装をゴテゴテにしちゃっても構わないし、音も元々大した事無いからマフラーは抜け重視で良い等々。顧客もメーカーもその認識に捉われ続けてるから、何時まで経っても同じトコをグルグル回る羽目になってしまってるのである。ソレを何とかしないとコレからクルマに目覚めた若い子達は挙って外車に行ってしまう、そんな危機感を募らせてしまう今日この頃であった。