アスペルガー医師ロンの日常

医師でもあり、アスペルガー症候群当事者でもあり、更には911GT3&ロードスター乗りでもあるワタクシのささやか(?)な日常

AWAKENED

 ロンマニアの皆様、こんにちはm(_ _)m

「製造会社がおかしくなるのは在庫がたまって赤字になるからで、ライバル会社に負けて倒産するわけじゃない。仮にライバルに負けて、販売が一割下がったとする。その時に、生産量を一割下げることができれば利益は確保できるんだ」
By 張富士夫

 といった今日この頃、皆様はどうお過ごしでしょうか。

*神様、仏様、半導体
 半導体を作るには超純水とか99.999999999%の超高純度シリコンとかを準備しなきゃならないから、増産の指示を受けてすぐに増産できるワケじゃないのである。でもって半導体は作り過ぎると価格が暴落するから、作る側は作り過ぎてはいけないのである。だから新コロ禍改めコロ19禍において、世界的な半導体不足が発生してしまったのである:

コロ19禍が起こる

需要の低下を見越して各社減産する

ところが巣ごもり需要が増えた&思った以上に早く元に戻ったため、半導体需要は逆に増えた

増産したくても上記理由で急には増やせない

需要は寧ろコロ19禍前よりも増えてるので、相対的な半導体不足にも陥ってしまってる

( ゚Д゚)マズー

という感じになってたのが去年の今頃ぐらいまでであり、ソコから増産かけた半導体が追い付いてきて、今では新型スマホがほぼ発売開始日にゲットできるようになったのである。

 でもソレは一桁ナノ級の現世代半導体の話であり、クルマはそうじゃないのである。クルマに使われてるのは二桁ナノ級の前世代半導体であり、コレは半導体全体のたった1~2割しかないので、当然だが後回しになってるのである:

コロ19禍が終息しつつあるのでクルマ需要も回復

クルマ用の半導体も増産かける

前々から押さえてないと他所にパイを先に取られて後回しにされる

( ゚Д゚)マズー

国産車勢が軒並み半導体不足で納車が遅れまくってるのも、要はこういう事らしいのである。トヨタの中の人が「今年いっぱいはこんな感じ」って言ってたのは、恐らく他所に本来の分を今年いっぱい分まで先に取られてしまったからなのであろう。何故先に取られてしまったかって、ワタクシが思うにトヨタ及びその他メーカーが採用してるジャスト・イン・タイム方式が仇になったんじゃないかと思うのである。

*ジャスト・イン・タイムはおしまい!
 ジャスト・イン・タイム(以後JIT)生産についての説明はググれば分かるから省略するが、聡いロンマニアの方ならば「ひょっとして、半導体JITって相性悪くね( ̄▽ ̄;)」って事に気付く筈である。そう、半導体は「必要な時に必要な分だけ」って発注ができないのである。欲しくなった時に注文してもすぐ来ないし、今回みたいな非常事態においては先回りしなければ更に手遅れになるのである。JITってのは、その企業が全ての部品とその資源を完全に確保してないと、今回みたいな非常時においては脆く崩れ去ってしまう方式なのである。東日本大震災の時も似たような事が起こったが、今回は規模がケタ違いである。

youtu.be

 こう書くと「トヨタがソレでヤバい事になってるのは分かるけど、じゃあ何故他もヤバいの?」って疑問が沸くだろうが、恐らく他所(特に国産メーカー)もJITパクってるからじゃないかとワタクシは推測するのである。高級車みたいに予め年間生産量が決まってる&完全受注制で顧客が待たされる事を厭わないトコなら問題無いが、大衆車は安さと性能と納車の早さは欠かせないモンであり、ソレを最も効率良く達成できるJIT&カンバンをパクらない方がおかしいのである。でもこのJITって、今考えてみたら元ネタの豊田喜一郎の時代だからこそ成り立った方法だとも言えるのである。

youtu.be

 あの時代のクルマはフルアナログで、殆どの部品は発注かけたらソコまで手間掛けずに増産できるモンで構成されてたのである。だから「必要なモンを、必要な時に、必要な分だけ」が成り立ったし、多少のトラブルがあっても比較的対処し易かったのである。でも今のクルマはデジタルが中心であり、今後クルマに用いられる半導体の数はは増えこそすれ減る事は無いであろう。他にも中国みたいな政治的にアレな国に大規模な部品工場を構えるリスクも考えると、JITはもう見直しの時期に差し掛かってるとワタクシは考えてるのである。じゃないと今後、コストよりも大事なモンを失ってしまうからである。

*時間はカネより重い…!
 その結果、RZ34は受注一旦停止&試乗車が何処にも無く、FL5もオーダーストップ&納車まで3年待ちで、ランクル300に至っては納車4年ときたモンである( ̄~ ̄)ソレ等が良いクルマなのは間違いないと思うが、じゃあ「ソコまで待ってまで乗る価値のあるクルマか?」と言われたら答えは「ノー」である。ニッポン車が安くて高性能なのは間違いないが、ワタクシにとってはコスパよりも時間の方が遥かに貴重だからである。ぶっちゃけRZ34やFL5に4年も5年も待つぐらいなら、少しぐらい高くても【新型BMW M2】が数ヶ月待ちならソッチ選ぶ次第である。

youtu.be

 何故かって、今のワタクシにとって、時間は非常に貴重だからである。40歳以上のロンマニアの方なら分かると思うが、40過ぎると本格的に老化が始まってくるのである。身体機能はドンドン落ちるわ、怪我や病気をし易く治り難くなるわ、癌になり易くなるは等々。そう、40過ぎるとマジで未来を保証できなくなるのである。フェラーリランボルギーニみたいに唯一無二だからなら兎も角、そうでないなら4年5年なんて待てないのである。コストを下げる事で利益を得られても、その利益でブランド力を得る事はできない。ブランド商売の難しさを再認識した今日この頃であった。