アスペルガー医師ロンの日常

医師でもあり、アスペルガー症候群当事者でもあり、更には911GT3&ロードスター乗りでもあるワタクシのささやか(?)な日常

ALIENIGMA

 ロンマニアの皆様、こんにちはm(_ _)m

「人生を変えるきっかけっていうものは、日常茶飯のいろいろなところに転がっていると思うんです。転がっているのに気付くか、気付かないか。気付いたときに取るのか、取らないのか」
By 向井千秋

 といった今日この頃、皆様はどうお過ごしでしょうか。

*たかが素人、されど素人
 歴代ロードスターの中で一番売れたのは、ご存知の様に初代のNA型(11.8万台)である。じゃあ2番目は?と問われたら多くの人は2代目(NB型)と答えるであろう。でも正解は「現行のND型(5.1万台)」なのである。因みにNBが3.0万台、NCが1.9万台である。グローバルだとNA>>NB>NC≧NDであるが、NDがNCを越すのは時間の問題であろう:
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多くの場合、クルマって世代交代する毎に売上台数が減っていって、コレ以上減ったらは儲からないと見做されればソコで生産終了である。世代交代してもコンスタントに売れる車種なんてのは非常にレアで、大概は3~5代目ぐらい&15~25年ぐらいでモデルが終わってしまうのである。

 でもってNDが売れた事により、ロドスタはその呪縛から逃れられそうなのである。ココまで売れれば次期型(NE型?)は確実であろう。一体NDの何が優れてるのか?ワタクシが思うに「ロードスターの”ロ”の字も知らない人にもアピールできたから」だと思うのである。具体的に言うとこんな感じである:

  • スーパーカーを彷彿とさせて、且つロドスタだと一発で分かる秀逸なデザイン
  • 1トン前後の軽い車重と、理想的な重量バランスと低重心を実現したレイアウト
  • 長年の経験とノウハウの蓄積から得られた走行性能の高さと使い勝手の良さ

取り敢えずこんなトコであろう。そう、ロドスタの事を何も知らなくても、クルマにソレなりの興味や知識のある人なら「乗ってみたいッ!」って思わせる要素が多数あるのである。興味や知識が無かったとしても「カッコ良いッ!」ってだけで乗ってみたくなるのである。

*良いモンは売れない
 そう、同じようなモンをレベルアップさせるだけじゃ、自ずとジリ貧になっていくのである。ちゅーのも、ソレを評価して世代交代毎に買ってくれるコアなファンなんて極一握りであり、殆どの顧客は1~2代乗れば飽きて離れるモンであり、故にモデルを長く続けるためには常に新しい顧客を掴んでいかなきゃならんのである。NDはソコで思い切って大胆にデザインを変え、大幅な小型軽量化に踏み切ったからこそ、ワタクシ含む今までロドスタに興味無かった人までも惹きつけたのである。もしもNDがNCの延長線だったら、間違いなく売り上げはNC以下となり、ロドスタの歴史はNDで終わってたであろう。

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 例えばFL5もVABも、ワタクシは双方とも乗った事があるから分かるが、どっちも非常に良く出来た良いクルマである。良いクルマなんだけど、ソレが良いと分かるのは、ワタクシみたいな一部のクルマバカぐらいなモンなのである。スポーツカーのスの字もロクに知らないフツーの人からしてみれば「どっちも羽根の生えたカローラ」である(笑)全く知らない人や初心者が、400~500諭吉払って敢えて「羽根の生えたカローラ」を買おうと思うだろうか?間違いなくもっと安いモンを選ぶか、あるいはもっとスポーツカーらしい佇まいのモンを選ぶと思うのである。

 「今までソレに興味無かったも振り向くようなモンを作る」以外にも、もう一つ方法があるのである。ソレは「ブランド力でゴリ押ししてしまう」である(笑)ポルシェ911が典型的なソレであるが、スポーツカーのスの字も知らないヤツに対しても「高級車の代名詞であるポルシェの伝統ある車種」ってだけで売り捌けるし、グレード設定でミーハー客からコア客まで万遍無く売れるポルシェの商魂逞しさには脱帽である(爆)
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コレはポルシェに限らず、フェラーリランボルギーニマクラーレンもやってる事である。が、ニッポンのブランドでコレ出来るトコは今んトコ皆無である。大幅な性能アップに伴った大幅な値上げができないから小手先のレベルアップで誤魔化して、中途半端だからミーハー客にもコア客にもウケず、結局顧客は離れていくって結末に向かってしまうのである。

*やはり素性‥‥!! 素性は全てを解決する‥‥!!
 じゃあどういうクルマがブランドやジャンルを飛び越えてクルマ好きの関心を得れるかって、ワタクシは「基本的な素性の良いクルマ」だと思うのである。某ロンマニアの方がSNSで「メカは廉価でも良い基本があれば一級のスポーツカー」って仰ってたが、ワタクシもその通りだと思うのである。ワタクシ以外にもND買ったR35オーナーは結構な数居るし、スーパーカーを所有してる人等がGRヤリスやGRカローラに興味を持ってたりするのも、この素性の良さが理由なのである:
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ちゅーのも素性の良いクルマってのは、ただ単にソレだけで乗ってて楽しいのである。ただ楽しいだけでなく、飽きないのである。速さだけならエンジンパワー上げて太いタイヤ履かせれば素性の悪いクルマでも出せるが、パワーに頼った速さって飽きるのも早いのである。素性の良いクルマは刺激こそ少ないが飽きが来ないモンであり、故にクルマが分かる人は素性の良いクルマを求めるのである。

 NDの何が良いって、兎に角素性が良いのである。車体の軽さ、重量バランスの良さ、重心の低さ、ジオメトリーの正確さ、サスストロークの長さ、パワーバンドの広さ等々。そういうのが良ければ良いほど、走るに際しての各種メリットがデカくなるのである:

  • 挙動が乱れ難い&乱れても対処が簡単
  • 電子制御の介入を最小限にできるから感覚が自然
  • ブレーキややタイヤの過度なor偏った摩耗が少ない
  • 燃費も良くてランニングコストも低くなる
  • チューニングが最小限で済む

NDだけじゃなく、GT3もこんな感じなのである。素性の悪いクルマは幾つか乗ってきたが、概して上記の逆の現象が起こるのである。だから走るのが好きな人間は1~2台限りで敬遠するし、ミーハー客は刺激に飽きて離れるのである。クルマに限った話じゃなく、素性が良い事は何においても重要だと改めて思う今日この頃であった。