アスペルガー医師ロンの日常

医師でもあり、アスペルガー症候群当事者でもあり、更には911GT3&ロードスター乗りでもあるワタクシのささやか(?)な日常

STEADY AS SHE GOES

 医局と話をしてきた、「確かに今非常に忙しいし、君が戻ってくると助かる。But・・・・」こんな時に出てくる「But」は大抵ロクな言葉が続かない。案の定「やっぱり君のコミュニケーション能力と、あと情緒不安定なところが・・・・」予想通りの返答が出てきた。よーするに、だ。「付き合い下手のキレキャラに臨床はやらせたくない」って事だろう。

 やはり臨床の場では、人付き合いがヘタという事自体がすでに罪な様である。話下手→患者とのトラブル発生率大→それだけは勘弁、というのが本音だろう。だったらこっちにも考えがある、臨床なんか辞めてしまえば良い。精神的にも肉体的にも自分を殺して、モラル・マジョリティーの靴を舐めなければ臨床が出来ないんだったら、ワタクシは胸を張ってキレキャラのオタクでいよう。

 臨床がダメなら、研究に行けばよいのである。勿論そんなに簡単にいくとは思わないし、研究は研究で難しい所があるのだろう。だが、ワタクシは「モラル・マジョリティーに非ずは人間に非ず」という考え方には絶対に賛同できない。「たとえ一人を除いて全員がその考えに賛成したとしても、反対した一人にそれを押し付けることは出来ない」民主主義の権威、ジョン・ステュアート・ミルの言葉である。コカコーラとペプシコーラポカリスエットアクエリアスの違いしかない今の日本の民主主義では考えられないであろう。

 でも、ワタクシは睡眠障害との戦いを諦めるつもりは毛頭ない。人間、挫折感という物はそう簡単に忘れることは出来ないように出来ているようである。忘れたつもりでも必ず心のどこかに引っかかっており、押さえれば押さえるほど歪な形でどこかから漏れ出してくる。俗に心理学用語で言う「逃避」「投影」「抑制」「合理化」「退行」「投射」といった精神防衛機構のことである。

 これを唯一ポジティヴな精神防衛機構である「昇華」にもって行くのは並大抵の事ではない。それ以上の大きな目標を見つけるか、その挫折感に堂々と立ち向かって勝つしかない。何か良い方法があったら教えて欲しいな〜〜〜なんて他力本願な今日この頃であった。