アスペルガー医師ロンの日常

医師でもあり、アスペルガー症候群当事者でもあり、更には911GT3&ロードスター乗りでもあるワタクシのささやか(?)な日常

SERPENT SERMON

 ロンマニアの皆様、こんにちはm(_ _)m

「私がしたいのは、性能のよいコンピューターを作ることではない。コンピューターを使って、感動を巻き起こすことなのだ」
By スティーブ・ジョブズ

 といった今日この頃、皆様はどうお過ごしでしょうか。

*ムダを楽しむ人、楽しめない人
 クルマを運転して何処かへ行く時間ってのは、実は何気に「ムダで危険な時間」だったりするのである。運転してる間は有意義な事を何も出来ないし、移動中における各種リスクだってあるのである。そうすると人は「そのムダで危険な時間をどうしよう」と考えるようになり、その結果生まれたのが「そのムダで危険な運転という行為を楽しめるようにしよう」と考え、ソコからスポーツカーやグランドツーリングカーの発想が出てくるのである:
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ニッポンは狭いからその考え方が生まれなかったのかも知れんが、欧米じゃ長距離をクルマで移動するなんてのは良くある事なのである、だから余裕のある大排気量大馬力のエンジンや、長時間座ってても疲れないドラポジや、些細な運転行為にも心が弾むような演出が随所に込められたりするのである。本来時間のムダで疲れて危険な行為を、運転の楽しさ等で相殺するのである。

 でも中には「時間のムダ使いもイヤだし、リスクを負うのもイヤだし、そういうのを楽しむ為に余計なカネを費やすのもイヤ」ってヤツも多く居て、そういうヤツはヒコーキやテツドーを使って移動中にタブレット等を開いて別の事やったりしたり、最近EV乗りの間で流行ってるのが「自動運転に身を委ねる」ってヤツである:
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こんな風に「運転は任せられる限りクルマに任せてしまえばいい」「その間に別の事をできればタイパも最高に良い」ってのも、ある意味クルマの在り方の一つなのである。でもってワタクシが見る限りでも、こっちの後者の方がクルマユーザーの中では圧倒的に多いのである(´・ω・`)そりゃ前者の方が多ければ、スポーツカーやGTカーはもっと数多く売れるはずだからである(笑)

*SDVの落とし穴
 そう考えると、つい先日に発表された【AFEELA1】も後者に属するクルマだと言えるのである。スポーツカー専門のワタクシとしては本来ドチャクソどーでもいいクルマなのであるが(笑)まぁ考察の材料としては面白いのでネタにする事にしたのである。まぁこの類のクルマは所謂SDV(Software Defined Vehicle、ソフト中心のクルマ)なので、ハードはぶっちゃけ「乗ってて不快でなければおk」って感じなのであろう。ただワタクシとして気掛かりなのが「今は最新でも、10年後は?」ってトコである。従来のクルマなら20年後30年後でも十分乗れるし価値はあるが、コンピューターは10年経てばもう旧規格だからである。

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 ぶっちゃけこの手のSDVってのはパソコンやスマホ同様「定期的に最新のに買い替える」が前提になってるのである。じゃないとスマホと連動してる場合、規格が全然合わなくなったり、相性が悪くて不具合を起こしたりしちゃうだろう事が予想されるからである。スマホだったら然程高くないから数年毎に買い替えられるけど、クルマは?って話である。リセールが高ければそういう使い方もできるだろうが、上記にあるようにソフトの古さがリセールのネックになるであろう。BNR32は新車価格よりも高く売れるが、初代iMacに新品以上の価格が付くであろうか?答えは当然「付かない」である。

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 クラシックカーがソレであるが、クルマのハードは古くなっても「あの時のクルマにしかない乗り味がある」って感じに価値が残るが。古いソフトにその価値は無いのである。演算速度や処理能力が著しく劣るだけでなく、コネクターや周辺機器の規格も変わるからである。カネ持ちだったら高いEVをリセールが悪くても定期的に買い替えられるが、世の中の9割以上を占めるフツーの人&ビンボー人は?って話である。ワタクシがSDVの普及に懐疑的な理由がコレであり、20年以上使えないとSDVが既存のICEを完全に置き換えることは不可能と考える理由なのである。

*最後にモノを言うのはブランド
 でもってソレ以外に懸念するのが「ブランド力」である。何せ値段が9万~10.3万ワシントン(約1400~1600栄一)なんだから、思いっきり高級車の部類である。でもってその価格帯だとベンツEQSやポルシェ・タイカン、あと大正義テスラSなどと競合するのである。問題は「ド新参モンであるソニーホンダが、そういうブランドと渡り合うだけの”何か”があるのか?」って話である。ワタクシも見立てでは「何もナッシング」である。マシンスペックやバッテリー充電スペックも足らんし、走りが良さそうにも見えない。マジで「EQSやタイカンすらロクに売れてないのに、何故コレ売ろうと思った( ̄Д ̄;)」ってレベルである。

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 そう、最大の問題は「EV界隈全体に逆風が吹いている」に尽きるのである。一番肝心な「EVであること自体のステータス性」ってのが損なわれちゃってるから、誰もEVに大金を出したがらないのである。前々から言ってる事であるが、EVそのものやEVへ移行する事自体は正しいのであるが、各種技術やインフラが追い付いてない現在まだその時ではないのである。ぶっちゃけこのAFEELA1、作った方も「ココまでやっちゃったからにはもう売るしかないから」って感じにコンコルドった結果だとワタクシは思ってるのである( ̄~ ̄)まぁEV界隈は今後もまたコロコロ変わるだろうから、今後は当分様子見しるしかない今日この頃であった。