アスペルガー医師ロンの日常

医師でもあり、アスペルガー症候群当事者でもあり、更には911GT3&ロードスター乗りでもあるワタクシのささやか(?)な日常

Straight A's

 最近の研修医はやたらと肌つやが良い。良いモン食ってタップリ寝ているからだろう。スーパーローテーションとやらが始まってからずっとこんな感じである。廊下を歩いていると「5時になったから帰ろうぜ」などとワタクシの時代には上司に聞かれたら半殺し確定のセリフまで飛び出す始末である。やはりこれも21世紀だからなのだろうか。

 スーパーローテーションになってからは、最初の2年間で研修医達は全ての科を順番に回る、そして3年目になってから好きな医局を選ぶというものだが、ワタクシの目から見れば美味しいことだらけである。時間外のアルバイトから開放されて給料もしっかり貰えて、医局の方からも入局して欲しいから手荒に扱うことも出来ない、しかも勉強室や実習室などを与えられ、しっかりとカリキュラムに則って最低限の仕事は保障される。

 ワタクシの研修医時代は直接医局に入局していたから、こうした好待遇など夢また夢であった。研修医は英語で言うとレシデント、仕事があまりにも忙しくて家に殆ど帰れない生活を送ることからresident(住み込み)と呼ばれることが由来である。給料は月五万円、足りない分はただでさえ少ない自由時間をバイトに費やして稼ぐ。仕事というものは、あのつまらなくて効率の悪い雑用を山ほどこなしたお礼としてやっと頂ける物、だから必然として同期同士での仕事の取り合いが起きる。それらの事をやらないとどうなるか、仕事が与えられず取り残される。それだけである、替わりならいくらでもいる。