アスペルガー医師ロンの日常

医師でもあり、アスペルガー症候群当事者でもあり、更には911GT3&ロードスター乗りでもあるワタクシのささやか(?)な日常

WEIGHT

 ロンマニアの皆様、こんにちはm(_ _)m

「変わったものと美味しいものは違う」
By 西音松

 といった今日この頃、皆様はどうお過ごしでしょうか。


*奇妙なモンには理由がある
 世の中どんなジャンルにおいても、変わったモンだとか奇妙奇天烈なモンは何時の時代も現れるモンであり、ソレは支持されたりバカにされたりと、色んな反応を得てるのである。じゃあ奇妙奇天烈だけど支持されるモンとはどういうモンか、ワタクシの答えは「ソレが理に適ってるか否か」である。クルマで言うと【ティレルP34】が正にソレである。6輪車なんて奇を衒ってるだけにしか見えないのだが、前輪が巻き起こす空気抵抗を減らす&小型化した事により失われるタイヤグリップを得るためと考えると、非常に理に適った設計でもあるのである:

伝説の6輪F1ティレルP34(Tyrrell P34)が鈴鹿を爆走! (速報版)SUZUKA Sound of ENGINE 2019 タイレル6輪
だからレギュレーションで禁止になった今でも、ティレルP34はF1ファンに支持され続けているのである。鉄砲で言うと、ステアーAUGやL85やFA-MASに代表されるようなブルパップアサルトライフルもソレである。機関部を後ろにする事で長いバレルと短い銃身長が両立するようになり、命中精度と取り回しの良さが両立するようになったのである:

ステアーAUGアサルトライフル・オーストリア陸軍戦闘訓練 - Steyr AUG (StG 77) Austrian Army
今となってはM4カービン(とその派生やクローン)が余りにも大正義過ぎるが故に駆逐されてしまってるが、ちょっと前までは多くの国の軍隊で正式採用されていたのである。この様に実用性があって優秀でありさえすれば、奇抜なデザインってのはすんなり受け入れられるモンなのである。

 逆に言えば、実用性が無く性能でも劣っていれば、どんなに奇抜なモンであっても人々の記憶には残らないのである。そういうモンは最初は珍しがられても、使えないと分かった途端にウザさが面白さを上回るようになってしまうのである。だからすぐに忘れられて、マニア以外には忘れられてしまうのである:

【史上最速マッハ3で衝撃波に乗る】超音速爆撃機XB-70ヴァルキリー

迷銃で撃て! H&K G11
分かり易く言うと、スポーツと同じなのである。選手の模範的な行動が広く支持されるのも、奇妙でバカげた言動が持て囃されるのも、肝心のスポーツでの成績が良いからこそなのである。結果の出せないヤツがどんなに聖人であろうが愚物であろうが、ファンは誰も気に留めないのである。そう、世の中は結果が全てなのである。

*ぐゎんばるナントカ
 だから奇妙なデザインの何かが出てきた時にワタクシがまず最初に考えるのは「その奇妙なデザインに何のメリットがあるのか」って事である。無論、見た目からくる生理的嫌悪感を完全に無視できると言ったらウソになるが、ソレでもメリットが大きいのであれば支持しないでもないのである。そういう意味でこの【テスラ・サイバートラックは「アリ」か「ナシ」か?】を見直してみたのであるが、やっぱワタクシの意見は「コレはナシ( ̄^  ̄)」である。何故ナシかって、このデザインから何らかの優位性が見られないからである。カクカクしてるせいで衝突安全的にもアレであるが、何より空力的優位性が見られないからである。


防弾車のはずが・・・窓ガラス割れた テスラ株大幅下落(19/11/25)

 現代のクルマにおいて、特にEVやHVみたいな電費が何よりも重要なクルマにおいて、空力が悪くて良い事は何一つ無いのである。何故リーフやプリウスがあんなに丸っこいデザインをしてるかって、空気抵抗を減らすためである。あんなカクカクしたデザインじゃ空気の剥離も強いだろうし、乱流からのリフトも凄い事になるだろう事は想像に難くないからである。あと頑丈さをアピールしてるけど、コレも余計である。あんだけ頑丈って事は、つまり相当な厚さと密度の高い鋼鉄を使ってるって事であって、ソレ即ち「重たい」って事である。クルマが重くて良い事は何一つ無く、EVも然りである。


(SHOCKING)TESLA CYBERTRUCK VS FORD 150 AND PORSCHE 911 SHOCKING WHO WINS ?

 あとこのフォードF150やポルシェ911との比較も、言っちゃ悪いが子供騙しとしか言い様がないのである。つーのも、モーターってのは特性上、停止状態から最大トルクが出るようになってるのである。だから停止状態からガソリンエンジン車と同時にスタートしたら、そりゃEVが勝つに決まってるのである。あとポルシェ911との加速勝負も、冒頭の数秒しか映してないのもソレが理由である。回転数が上がってくれば、軽くて空力に優れる911が追い越すからである。だから「コレが欲しいか?」と問われたら「逆にカネを貰ったとしても要らねぇ」とワタクシは答える次第である。テスラは昔からハッタリとコケ脅しが凄かったが、今回も例外じゃなかったって事である┐(´-`)┌

*反逆のシンボル
 そうすると次は「だったら何故テスラは堂々とこのデザインで新車を出したのか」って疑問が浮かんでくるのである。当然、向こうも素人じゃないんだから、ワタクシ如きが思い付くようなデメリットを知らん筈が無いのである。ソレでも尚コレを出してきたって事は、何らかの理由が必ずある筈である。色々考えたのであるが、ワタクシは「クルマに真剣に興味を持つ人がアメリカでも減ったから」じゃないかなと思うのである。空力だとかその辺に興味の無い人にとっちゃ、デザインってのはインパクトがあってカッコ良い事が全てになってしまい、テスラは顧客のそういうニーズに応えたんじゃないかと思うのである。


2021 Tesla Cybertruck pickup truck is here! Full presentation exterior interior

 あとテスラみたいな新興メーカーを支持するヤツってのは、概して既存の社会や伝統的なやり方に少なからず反発を抱いてるヤツが少なくないのである。ニッポンでもホリエモンが過激な言動で挑発を繰り返すのは、自分の支持者のそういう気質に応えてるからである。そういう反抗精神真っ盛りな顧客的には、デザインやメカニズムってのは極端であるほどに、過激であるほどに、反逆のシンボルとしての意味が強くなるのである。まぁソレはソレでクルマ文化の一部でもあるから、ワタクシは好きにはなれんが拒絶はしない次第である。でもワタクシにとってはクルマは走りの良さこそが全てなんで、反抗や反逆は二の次三の次な今日この頃であった。

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