先日の"師匠"とのサバゲーぶらり旅の話の続き。今回はコスプレイヤーについて。大体、このテのコスプレで一番多いのがやっぱり米軍装備であり、特に特殊部隊系が最も人気が高い。やはり「世界最強の軍隊の中で、更に選抜された猛者たち」というイメージが人気の秘密であろう。メジャーなところで行くと映画「ブラックホーク・ダウン」のデルタフォースや75thレンジャー部隊、現用で言えば海軍SEALsや陸軍グリーンベレー、ブラックウォーター社の民間軍事社員、VIP警護部隊装備なんかであろう。他にもベトナム戦争時代の装備や第二次世界大戦時のコスプレをする人もいる。
その他、最近俄かに増えてきたのが自衛隊装備の方々である。最近、テレビや雑誌での露出が多いせいか、ここ数ヶ月の間タケノコの様に増えていている。ひねくれ者のワタクシは、これは実は防衛庁の陰謀なのではないかと思ってしまうほどだ。メディアにドンドン出させて、戦争を知らない若い世代に「自衛隊ってカッコいい」って思わせるための情報操作ではないのか、と。自衛隊が強いのか弱いのかは分からないが、何故だか増えている。客観的に見れば、自衛隊の迷彩服という物は実に日本の風土に上手く溶け込むように出来ていて、上手い人が隠れれば殆ど見つからない。逆に米軍装備で有名なウッドランドは、実は日本の風土に合わなかったりする。果たして、自衛隊コスプレの方々はこれを認識して使っているのだろうか?
そんな中、ワタクシも"師匠"も(゜Д゜)ハァ?と首を傾げてしまうようなコスプレをしてくる方がいた。何と、旧日本陸軍のコスプレである。他のコスプレイヤー同様、頭のてっぺんから足の先まで見事なまでに旧日本軍を再現している。肩にはキチンと三十八式歩兵銃が掛けられており、銃剣までキチッと腰に下げている。ご丁寧な事に南部十四年式拳銃を携帯しており、しかも一般歩兵はそれを腰につけない事を知っていてキチンと用具袋の中に入れて携帯している。
で、その方は強いのかといったらそうではない。味方だったが、ハッキリ言って役に立たない。そもそも三十八式歩兵銃のエアガンはとてもじゃないがゲームに使えるシロモノではない。おまけに迷彩効果ゼロの服装はもう目立つ目立つ。しかも何発撃ち込んでもヒットコールをしないことで他の方々の顰蹙を買っていた。この方もやっぱり自分に酔っているのであろう、皇国兵士になりきったつもりで。どうせなら米軍装備の方に向かって「鬼畜米英、覚悟〜〜〜」とか言って突っ込んでくれたら及第点をあげるのだが(笑)
しかし何よりもワタクシや"師匠"が理解不可能なのが、「何故、旧日本陸軍?」の一点に尽きるであろう。米軍ならその勝利の歴史があるからこそコスプレして様になる。一方、敗北したといえどもナチス・ドイツ装備の人気が高いのは、当時ナチス・ドイツが軍事技術の最先端にあった事に由来しているが、旧日本軍にはそれらが無い。装備も旧式でお世辞にもカッコいいとは言えないし、戦争だって負けている。それに現在のドイツにおけるナチス・ドイツ時代がそうであるように、第二次世界大戦中の日本というものは、いわば現代日本においての"歴史の暗部"とも言えるであろう。だからそこまでして旧日本陸軍にこだわる理由がさっぱり分からない。
まぁ、「十人十色」という言葉があるように、その人には旧日本軍の美学があり、ワタクシや"師匠"はそれが出来ないだけなのであろう。逆にコスプレイヤーの方々から見れば、ワタクシや"師匠"は「何だあのダサい格好の連中は、何遊びに本気になっちゃっているわけ?楽しけりゃいーじゃん」という所であろう。人間というものはつくづく理解しがたい生き物である、と痛感する今日この頃であった。