アスペルガー医師ロンの日常

医師でもあり、アスペルガー症候群当事者でもあり、更には911GT3&ロードスター乗りでもあるワタクシのささやか(?)な日常

TAPPING THE VEIN

 足がガタガタである、疲れが全然抜け切れていない、おまけにムチャクチャ眠い。昨日ゲームしたからであろう、やはりしばらく動いていない後に動きまくると体の節々が悲鳴を上げる。今日一日乗り切れたのが不思議なぐらいである。本日は1stコール、願わくば呼ばれん事を。

 もう賞味期限切れのネタではあるが、野茂英雄が200勝を達成した。ノモマニアのワタクシとしては非常に喜ばしい事である。ノモマニアとは随分聴かれなくなって久しい言葉だが、ワタクシは今でも「好きなスポーツ選手は?」と聞かれたら、迷わず「野茂英雄」と答える事にしている。ワタクシにとってただ一人ヒーローと呼べるのは野茂だけである。

 よく「ヒーローとは何か」という記事がスポーツ誌に書かれる事が多いが、ワタクシ的な定義はこうである。「ヒーローとは、"自分もこうなりたい"と思わせる人である」と。確かにイチロー松井秀みたいに、今の野茂よりも活躍が目覚しい日本人メジャーリーガーはいるが、何故だか知らないがワタクシはイチロー松井秀みたいになりたいと思えないのである。

 ワタクシが野茂に惹かれる理由は色々あるが、主なものを3つあげるとしよう。一つ目は、野茂が何があろうとも常にオリジナルであったこと。日本人メジャーリーガーの歴史は、常に野茂が先導を切って切り開いていたようなものである。こういっちゃぁ何だが、後のその他大勢の日本人メジャーリーガーは、野茂がいなかったら恐らく全員日本でプレーしていたのではないのであろうか。

 二つ目は、野茂は本物のプライドを持っているということ。これは"師匠"からの受け売りであるが、世の中には"プライド"と"見栄"の区別がつかない奴が多いとの事である。ワタクシが見る限り、野茂のそれは惑う事無き"プライド"であると思う。でなければ、あんな辛酸を舐めてまでメジャーでやっていこうなんて思わない筈だ。"見栄"を優先して日本に戻り、カネばかり貰って結果を出せず、挙句の果てに週刊誌で醜態晒している某クローザーとは格が違うのである。

 三つめは、彼が本物のチャレンジャーであるということである。話は飛ぶが、ワタクシは訒小平は凄いと思う。勿論、天安門事件のように評価出来ない事も数多いが、それでも凄いと思う。何せ中国のトップに立つまでに3回失脚しているのだから。成功率はともかくチャンスだけは平等な欧米と違って、日本みたいな儒教社会では一度失敗した人は"ダメ人間"の烙印を押され、和を乱すという理由でチャンスを与えられない事が多い。儒教の総本山である中国では、失敗は殆ど犯罪に等しいものであろう。そんな中で訒小平は3回も失脚し、失脚するたびに蘇って、遂に中国のトップに上り詰めて、香港返還以外の自分の夢を全て叶えてしまったのであるから。

 ユダヤ人の諺に「本物の勇者というのは倒れない人ではなくて、何度倒されても立ち上がってくる人だ」とあるが、野茂と訒小平がまさにそれであろう。こういう人達を見るたびワタクシもこう思うのである「よし、ワタクシも彼らみたいになるぞ。何度ブチのめされてもその度に立ち上がって、いつかブチのめし(勿論、非暴力的な方法で)返してやる」と。ヒーローになる事を夢見つつ、五里霧中の現在の中で堂々巡りを続けている今日この頃であった。