アスペルガー医師ロンの日常

医師でもあり、アスペルガー症候群当事者でもあり、更には911GT3&ロードスター乗りでもあるワタクシのささやか(?)な日常

AEALO

 ロンマニアの皆様、こんにちはm(_ _)m

「ブランドというのは結果である。そこを勘違いしてはならない」
By 田坂広志

 といった今日この頃、皆様はどうお過ごしでしょうか。

*ではまた来年?
 ワタクシと同じようにGRヤリスを検討してた千葉在住のロンマニアの方曰く「買えるのは来年以降になりそう」だそうである('A`)やっぱワタクシ同様、申し込んだ時にはディーラーは既にバックオーダーを大量に抱えていて、その人等の分で枠が埋まってしまったんだそうである。要約すると:

  • 抑々GRヤリスの生産台数が少ない
  • その方のディーラーには僅か11台しか割り当てられてない
  • その11台で今年分の枠は終了
  • 次の予約受付は来年春になりそう

との事である('A`)一瞬「GRヤリスの話したいのに、なぜフェラーリランボルギーニの話してるのこの人( ̄▽ ̄;)」って思ったが、紛れもなくGRヤリスの話なのである(笑)一応最悪の状況はシミュレートしておいたつもりだったのであるが、ソレの遥か斜め上を行かれてしまったのである(´ヘ`;)

 何がアレって「そうやって激しく長い枠取り合戦の末に得られるのが1.6リッター3気筒の大衆車」だという事がである('A`)コレがフェラーリランボルギーニのV12だったら、ソレでも別に構わんのである。何故ならソレ等は一級品のスーパーカーで、持ってるだけで価値があるし、時が経てば経つ程に価値が上がっていくからである。でもGRヤリスはそうじゃないからである:
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GRヤリスは何処まで行っても大衆車だし、工芸品としての価値も無ければ、時と共に価値が上がってく要素も無いのである。そんなモンを来年の注文再開まで首を長くして待って、抽選に当たる事を祈って、当たってから納車までをヤキモキしてられるだろうかって話である。ワタクシだったら、少しぐらい値が張っても別のクルマを探す次第である。

*サラリーマンが作る高級品
 水野和敏氏曰く「ニッポン人に高級ブランドを築けないのは、ニッポンが階級社会じゃなくて上流国民が殆ど居らず、その人等が何を真に欲してるかが分かんないから」との事であるが、ワタクシも実際に接してみてソレが何となく分かったのである。何処の国の高級ブランドでも「お客様をもてなす」って根本は変わらないのであるが、国産ブランドの場合は「上級国民の皆様はこういうサービスされたら喜ぶだろうな(* ̄∇ ̄*)」ってのを「一般庶民が考える」のである:
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例えばレクサスとかだと、トヨタや日産から移行してきたなら、レクサスのおもてなしやレクサス車は大いに気に入るのである。が、コレがポルシェやベントレーマセラティを乗ってる人になると「( ̄ー ̄?).....??アレ??」って違和感を感じてしまうのである。何故ならレクサスのソレは「一般庶民が考える高級感や高級車」だからである。

 でもってコレがロールスロイスだと話は変わるのである。ロールスロイスってのは、部長以上は全員貴族なのである。名前に「サー」が付いていて、城みたいな家(ちゅーかリアル城)に住んでる人等だから「上級国民が何を真に望んでるか」が分かってるし、ソレがクルマ作りや各種おもてなしに存分無く活かされているのである。ロールスロイスだけでなく、欧州高級ブランドも同じ様な感じである:
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当然だけどロールスロイス乗るような人は、ソレ1台で全てをこなすなんて事はしないのである。別の用途の為に、また別のメーカーのクルマを買うのである。だから欧州メーカーは上級国民やソレに準ずるような人等の気持ちが分かるし、ソレに応じたクルマやサービスを提供できるのである。

 そう、高級車を求める人の基本的な考え方の一つに「クルマに利便性を求めていない」があるのである。ニッポン人らしいと言えばソコまでであるが、ニッポン人は「ソレ1つあれば何でも出来る」を高級で美徳だと考えてるが、ソレって実は庶民の発想なのである。十徳ナイフが二十徳ナイフになったって、ソコに感動は生まれないのである。が、一振りの上等なニッポン刀なら話は別である:
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高級車って、例えるならニッポン刀みたいなモンなのである。殆どソレしか出来ないけど、ソレに関しては他の追随を許さず、長年の伝統や熟練の職人の技術によるソレがオーナー達を感動させるのである。そしてその感動は、単純に市場原理で説明できるモンじゃないのである。

*不便こそ美徳
 だからクルマに限らず高級ブランドのキモってのは「如何にオーナーに不便を強いれるか」じゃないかと思うのである。ホントに出来が良いモンってのは、基本的に不便なのである。ソコんトコはGT3の整備ネタでワタクシが散々「マンドクセ━━━('A`)━━━━!!」と叫んでる事からも分かると思うのである(笑)色々と不便で面倒臭いけど、だからこそ911GT3にしか成し得ない走りに繋がるし、走るステージがハマった時の快感は他に代え難いのである。ココで「ユーザーがもっと気軽に使えるように」って考えて余計な事をしたら、その時点でブランドは失われるであろう。

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 何でも出来るって凄く良い事に思えるが、マルチツールみたいに全てが中途半端になってしまうのである。そして中途半端なモンからは感動は生まれないのである。レクサスが残念なのは、正にその中途半端さが故なのである。色んな人に便利に使ってもらいたい、最大公約数の満足を得たいというのは分かるのであるが、その結果走りやら内外装やらセキュリティ対策やらに綻びが見られてしまい、その詰めの甘さが故に欧州ブランドに未だ並び立てられないのだとワタクシは思うのである。ブランドにとって利便性や親切心は敵、世知辛いけど事実な今日この頃であった。