アスペルガー医師ロンの日常

医師でもあり、アスペルガー症候群当事者でもあり、更には911GT3&ロードスター乗りでもあるワタクシのささやか(?)な日常

FEAR OF THE DARK

 ロンマニアの皆様、こんにちはm(_ _)m


「勇気というのは強いからとか、勇ましいから勇気があるというのではない。たとえ、自分にとってどんなに不利な結果になろうとも、自分が真実であり妥当であると考えたことを認め、それに賛成することこそが勇気である」

By 本田宗一郎


 といった今日この頃、皆様はどうお過ごしでしょうか。


 前回の続きである。R35型GT−Rの話に及んだ時、ふと"師匠"がワタクシにこう尋ねてきたのである「お前、1000馬力のGT−Rって乗ったことあるか?」と。答えは言うまでもなく「ノー」であるが、ソコんトコはさすが"師匠"で「アクセルをパーシャルで踏んでもケツが流れるし、それを返そうとすると今度はアンダーが出る。どんなに繊細にコントロールしようとしても、パワーが余りにも凄過ぎて暴れまくるんだよ」だそうである。聞いた話、ソコまでチューンするのに軽く1000諭吉は飛んで行く&各パーツの寿命も極端に短くなるからメンテ代もバカにならないらしいのである。


 それ聞いて、ふと疑問に思ったのである「それじゃマトモに走らんじゃん?何のために皆1000馬力やりたがるんだろ(・_・?)」と。実は授かりたかった"教え・その2"は、何とも恥ずかしい話であるが「走りを楽しむってどういう事なんだろう?」である。ソレ聞いた"師匠"は「まぁ、とりあえず案内してくれ。クルマでも見ながらゆっくり話そうや」とのご指示を受けたため、早速各施設を案内する事に。因みにFISCO本コースは以下の通りである:

"師匠"曰く「本当に良く考えて作ったコースだよ。ドライバーが慌てふためいてオロオロする様を想像しながら、ほくそ笑んでコース作っている設計者の顔が浮かんでくるようだ」との事である。あと各所回りながら話をしているとふと一言「例の質問だけどさぁ。俺としてはR35型GT−Rで綺麗に走るのを見るよりかは、ミニバンにロールケージ組んで必死こいて走らせている方が見たい」とポツリ一言。で、実を言うとワタクシが考えたツボになるポイントと"師匠"が「絶好の観戦スポット」と称した場所は実は同じだったりする:

この4ヶ所である。曰く「こーゆーコースだと、一見ポルシェやGT−R等の「直線上等、大パワー上等」的なクルマが圧倒的に有利なように見えるけど、実はそうじゃないんだよね。きちんとそういう車種の"泣き所"が作ってあって、逆に非力なFF車でもそいつ等(ポルシェやGT−R等)をカモれるスポットがあるんだよ。総合的に見ればやっぱりハイパワー車有利なのは変わらないけど、ちゃんとそれ以外の車種でも攻められるポイントが設けてある。本当に良く出来たサーキットだよ」との事である。


 んで、実は美味しいスポットを美味しい角度で眺められる"秘密の場所"とか、FISCO本コース攻略のミソなども教えて頂いたのであるが、当然トップシークレットなのでご容赦の程を(笑)丁度最終コーナーの内側とネッツコーナーの間内側に観客席があり、ココが結構面白いのである。曰く「踏めている奴とそうでない奴。考えて走っている奴とそうでない奴。そして、お前が知りたがっていた"楽しんでいる奴とそうでない奴"もここから見れば分かる。走っている連中を良く見るんだ」という事で(3)のネッツコーナー〜(4)の最終コーナーにかけてのクルマの動きをチェックする事に。


 ココの最大の特徴は何と言っても「出口が狭い上に角度が急なブラインドコーナーが2つ連続で続いている」である。ヘタに踏み込むとあっという間にコースアウトだし、かと言って躊躇うと上り坂である事も加わって大幅にタイムロスする。この場所で何処から踏めるか、マシンを如何に上手く制御して踏める状態に持ち込むか、こういうきついコーナーの連続でも挙動が乱れないようにセッティングできるか、等といったセンスが多いに問われる場所である。曰く「日本GPでライコネンが最後尾から追い上げたのもこの場所、ヘアピンから最終コーナーにかけてなんだよ。この場所でタイムを縮められる事が他のドライバーとは違うライコネンの非凡さなんだよ」という事である。


 ソコに外からでもハッキリ聞こえるぐらいのタービン音とブローオフ音、ソレに加えアホみたいなスキール音を鳴らしながら何かがやってきたので、思わず振り向く"師匠"とワタクシ。R34型GT−Rである。余りの大パワーに4WD&Sタイヤでも受け止めきれず、コーナーを通過する度にとんでもないスキール音を鳴らしていたワケである。てゆーか、ネッツ→最終コーナーに至るまでタイヤが全然グリップしていない(笑)んでもって、最終コーナーを抜けて挙動が落ち着いた途端、とんでもない勢いでストレートを駆け抜けていったのである。正に「瓢箪から独楽」とはこの事で、その時間帯を目一杯使って、恐らく700馬力は軽く超えているであろうと思われるR34が、パワーを持て余しつつこの箇所を抜ける様を笑いながら見ていたりする。


 そして、満を持したとばかりに"師匠"から一言:


「ロン。さっきのR34どーよ」
「いや、正直驚きました(^_^;)まさか実物見れるなんて」
「あいつ、最速タイム狙っているように見えたか?」
「いいえ、全然」
「見てて面白かっただろ」
「メチャクチャ面白かったです(^-^)」
「中で運転している奴、楽しんでいたと思うか?」
「楽しんでいたと思います。何せアホみたいに踏んでいましたから(^▽^)」
「これが"クルマを楽しむ"って事だよ(ーoー)y~~~」
「・・・・・Σ(□ ̄; )Σ(    ;)Σ( ; ̄□)Σ( ̄□ ̄;)」
「ここまで言えば、何故俺がただ速いだけのクルマに興味が無い理由は分かるよな(-o-)」


・・・・・アホである、今に始まった事ではないが(笑)ワタクシはマジモンのアホである。こんな簡単な事に延々と悩み続けていたんだから、時間のムダも良いトコである。が、ソコんトコも"師匠"曰く「無駄はないよ、絶対何かの役に立つ。むしろ、何も考えていない方が時間の無駄だ」と一言。更に「お前はもっとアホな方がいい。人間、大人になる前に一度アホになって"最低限のライン"ってものを身を持って覚えるんだけど、お前の場合覚える前に大人になったからねぇ。だったら、今アホになっておけ」ともう一言。


 この時点で「ツインリンクもてぎ行きたいけど、天気がなぁ(^_^;)それに、費用諸々掛かる上に、距離も遠いし・・・(;^_^A)」という悩みは既に消えていたのは言うまでもあるまい。というワケで、勢いと成り行きで明日はツインリンクもてぎ逝き・・・ぢゃなくて行きケテーイになってしまったりする(笑)最新の天気予報によると「雨のち晴れ、降水確率20%」である。午前は流石に凄い事になるだろう事が想像されるが、午後からは晴れそうである。どう表現していいのか分からんが、まるで終戦後に焼け野原と化した東京に帰ってきた人のような気分である今日この頃であった。