アスペルガー医師ロンの日常

医師でもあり、アスペルガー症候群当事者でもあり、更には911GT3&ロードスター乗りでもあるワタクシのささやか(?)な日常

OPEN YOUR EYES

 ロンマニアの皆様、こんにちはm(_ _)m


「真に知的な人は、他人が知識として有しているだけの事柄を身体で感得している」

By シャルル・ド・モンテスキュー


 といった今日この頃、皆様はどうお過ごしでしょうか。


 今日は大変珍しい事に、医学ネタである(笑)多くのロンマニアの皆様が抱いている「医師像」っていうのは多分ドラマなんかに出てくるシャーカステン(レントゲン写真を後ろから照らすアレ)の前に座って処方箋を書くシャツとネクタイの上に白衣を着た人だとか、目以外の全てを覆い尽くす手術衣を纏ってオペ室で切った張ったやっている姿であろうと思う(爆)まぁ上記の「内科医と外科医」はバンドに例えると「ヴォーカリストとギタリスト」みたいな、ある意味「バンド/医療の華」であるから、当らずとも遠からずなのであるが(^_^;)


 で、無論ヴォーカリストとギタリストだけではバンドは成り立たないので、その他にも「ドラマー」だとか「ベーシスト」だとか「キーボーディスト」といった「縁の下の力持ち」がいて初めてバンドが成り立つのは音楽経験の無いロンマニアの方でも容易に想像付くであろうと思う。で、色んなジャンルの音楽を聴いていると、中には「DJ」だとか「バックダンサー」とか「パッカーショニスト」とか、果ては「テルミン奏者」とか「二胡奏者」とか「ティンホイッスル奏者」とかいった「オーディションするどころか、奏者が見つかっただけでも恩の字じゃね( ̄Д ̄;)」みたいなプレーヤーがいるのと同様(笑)医学にも「手術もしなけりゃ処方箋も書かないし、その上患者を受け持たないどころか、専攻分野次第では白衣すら着ない医者」という分野が実は結構あったりするのである。


 例えとして一番分かり易いのが「放射線科医」である。一般的な「放射線科医のイメージ」というと「地下室で延々とレントゲン写真と睨めっこしている人」的な想像しがちであるのだが、実際その通りの人も結構いるので強ちウソではない(笑)が、モノホンの音楽をやっているロンマニアの方なら「リードギターリズムギターよりも格上なのか?」と聞かれたら99.9%「ノー!」と答えるのと同様、熟練した放射線科医はヘタな内科医や外科医よりも遥かに医学に精通している。コレはあくまでワタクシの独断と偏見であるが、他科のドクターをバカにする医者がいたら、ソイツは十中八九「自分の専門以外何も知らない、井の中の蛙的ヤブ医者」だと思って良い。医者として云々以前に、他人を貶して相対的に自分を良く見せようとするヤツは人間としても尊敬するに値しない。例えソレが真実だとしても、である。


 理由はこうである。外科医や内科医は映像所見を見る時に「○○と××と△△が見えた。コレは□□病だ!」って考える事が多いのであるが、実はコレが落とし穴なのである。上記の「○○と××と△△が見える」というのは実は単に「一番多いパターンの見本」でしかないのであり、必ずその通りの所見が得られるワケではないからである。ソコを見抜ける優秀なドクターは決して放射線科医をバカにしないし、ソコに気付かないアホなヤブ医者は遅かれ早かれ落とし穴にハマって自爆する。もうこの時点で何が「どうすれば落とし穴を回避できるか」に気付いたロンマニアの方も少なくないと思うのであるが、よーするに「逆方向に考えている」のである。


 放射線科のドクターの見方は「□□病発現の原因は、☆☆が▼▼する事により引き起こされる。だからAを使って撮影すれば△△が写って、Bを使って撮影すれば××が写って、Cを使えば○○が写るんだ。それでも確定に迷う場合は場合はDを使う。Dを使って◎◎が写れば□□病とほぼ確定できるけど、◎◎が写らなかった場合は□□病でない可能性も考える」である。つまり疾患の発生要因や性質、更には撮影機器の原理や応用法を知り尽くしているからこそ成し得るのである。実際ワタクシも相当数のオペに携わって、放射線科で勉強した経験から見ると、いざ手術で病巣を摘出する前に生検にかけてみると、外科医のソレよりも放射線科医の読みの方が当っている場合も少なくなかったりする。だから優秀なドクターは他科のドクターをむしろ尊敬し、連携を重要視するワケである。


 まぁ、長い前置きはコレぐらいにしておいて(笑)ワタクシが思うに上記の「放射線科的アプローチ」っていうのは別に医学に限らず、どんな分野でも同じ事が言えるのではと思うのである。かのミハエル・シューマッハは子供の頃からレーシングカートを自分1人で組み立て&分解が出来たそうである。つまり、シューマッハは「放射線科的アプローチ」同様に、レーシングマシンを根本的な部分から理解し応用する術を知っていたからこそ、マシンを殆ど壊さない&その性能を極限まで引き出す術を駆使して数々の伝説を築き上げられたのではないかと思うのである。言っちゃあ何だが、マシンを壊しまくっている&全然勝てないにも関わらず、国籍が"日本"だというだけでマスコミに持て囃されている某現役F1ドライバーとは大違いである。


 まぁ、お国柄の違いっちゃ違いなのであろう。実際、雑誌に載っているような有名カーショップの話なんかを聞いてみると、コレ言っちゃあアレのであるが「学習塾的ショップ」が少なくないのであるε-( ̄ヘ ̄)よくある有名な学習塾の「教科書」を「ショップで扱っているパーツ」に書き換えて、んで「中間テストの点数」を「○×サーキットでのベストタイム」に置き換えて、更には「もう一ランク上の教室での学習」を「更なるステップアップのチューニング」に書き換えればアラ不思議。面白いぐらい何の違和感も無く当てはまるのである。ワタクシが小坊〜浪坊時代に嫌々ながら散々通わされたトラウマがあるから、偏見と独断が思いっきり混じっているのがアレなのであるが(笑)学習塾や予備校で学んだ事っちゅーのは、自分の受験番号を掲示板で見つけて「やった〜〜\(*T▽T*)/遂にワタクシは大坊になったぞ〜〜」と感極まった瞬間、あっちゅー間に教わった事の99.99%を忘れる(爆)


 んで、大坊を卒業して医者になったらなったで、患者を受け持ち病気と向かい合う内に、何時か必ず上記「落とし穴」に落ちそうになる瞬間が来る。ココがある意味"試練"の場で、ホントの意味で優秀な上司は敢えてソコを注意しない(無論、患者の命に直接関わる場合、話は別)のである。目的は勿論「実力を測るため」であり、ココで穴を回避出来たヤツor落ちても即座に這い上がれたヤツはそのまま優秀な上司について行けるワケであり、落ちたヤツは言うまでも無く置き去りである(実話)ワタクシが研修医の頃は正に「落とし穴」に警戒する毎日であり、ワタクシは警戒していたにも関わらず、数え切れないほど落っこちまくっていたりする(笑)将来医師志望のロンマニアの方々、新学期までまだあと3週間もジックリ考える時間がありますゆえ(爆)


 もうこの時点でお分かりかと思うが、ココで「落とし穴の」存在を教える上司に付いていっても、大概ロクな事が無い。何故かといえば「落とし穴を見抜く技術を取得できない」のもそうであるが、性質の悪いのになると「自分で何も考えられないバカのままにしておく→情報量&経験量で常に優位に立つようにしていてば、あとはこっち(ダメな上司)の手の平で思うがままに転がせる」って考えるヤツも少なからずいる(てゆーか、実際見た事あるし-_-;)からである。こう言っちゃあアレであるが「TC1000で40秒切り」とか「TC2000で1分5秒切り」を目指すのも大変良い事だと思うのであるが、お節介ながら「何故RX−7は"コーナリングマシン"と呼ばれるようになったのか?」とか「バネ下重量1kgの軽量化はバネ上重量の4倍〜15倍と言われるが、その所以は?」とか「かのVW創始者フェルディナンド・ポルシェが、何故RRにこだわったのか?」とかを知ってみると、意外と面白いとワタクシは思うのである。


 と、散々クルマで失敗しまくっているワタクシが「放射線科的アプローチ」だの「落とし穴を見抜く技術」だの言っても、何の説得力も無いのを書いてからやっと理解したりする(笑)・・・・が、時既に遅し。もう新たに書き換えるのも面倒くさかったりする(爆)そろそろフロ入って・・・・はい( ・◇・)?「内科や外科をヴォーカリストやギターに例えて語っているけど、そーゆーお前のパートは何だ?」でしょうか。う〜む(-_-;)コレまた回答に悩む質問であるが、何せワタクシの場合例外の例外の例外の例外の中で更に稀有な存在なので、敢えて言うなら「大ホラ吹き」であろうか(核爆)何だか「楽器じゃねーだろ、ソレ!」とか「誰がボケかませと言った!」とか「楽器とかボケ以前に、つまんねぇぞ!!」とかいう声がモニター越しに聞こえてきそうな気がするが、敢えて知らん振りする今日この頃であった。