アスペルガー医師ロンの日常

医師でもあり、アスペルガー症候群当事者でもあり、更には911GT3&ロードスター乗りでもあるワタクシのささやか(?)な日常

ALCHEMY

 ロンマニアの皆様、こんにちはm(_ _)m


「本当にリッチな男だけが冒険をする。馬鹿な成金はフランス料理で満足する」

By 村上龍


 といった今日この頃、皆様はどうお過ごしでしょうか。


*戦果報告

 さて、先日の【日本発達障害学会】の発表であるが、感想を一言で表すと「とりあえずウケた」ってトコであろうか(笑)ネタバレをしてしまうと、壇上でワタクシが訴えたのは「非言語コミュニケーションの言語化」である。言語ってのは2種類あって、一つは「言語的コミュニケーション(Verbal Communication)」と呼ばれるシロモノであり、文字通り口頭や文章などで直接伝えられるメッセージである、そしてもう一つが「非言語的コミュニケーション(Non-Verbal Communication)」と呼ばれるシロモノで、コレは身振り手振り、姿勢、表情、視線、服装、髪型、声質、距離の置き方などで間接的に伝えられるメッセージである。


 非言語と言語の割合は「非言語93%:言語7%」という人や「非言語65%:言語35%」という人もいるが、面倒くさいんでロンマニアの方は「非言語>>>>>>>言語」とでも覚えてくだされば結構である(笑)アスペルガー症候群の何が問題かと問われたら、生まれつき非言語的コミュニケーションの伝達に障害があるという事である。相手のメッセージを受け取るのが困難ということは、相手にメッセージを伝えるのも困難という事なのである。何せ"正しいメッセージの形"を知らなければ、相手に同様のことを伝えようと思ってもメッセージを形に出来ない。コミュニケーションがマトモにできなきゃ人間関係を上手く築くことが出来ず、その結果社会に出ても上手く行かなくなるって話である。


 ソコでワタクシは考えた。非言語的メッセージを直接的に理解できないのであれば、間接的に理解できるようにすればいい、と。身振り手振り、姿勢、表情、視線、服装、髪型、声質、距離の置き方が示す意味を"翻訳"して、言語メッセージを理解する回路を用いて学習するのである。確かに直接的なソレと比べると感度や正確度には劣るかも知れないが、ソレでも大まかな概観だけは掴める。そして大まかな概観さえ分かれば、大まかながら相手にメッセージを送る事が出来る。コレがワタクシの提唱する「非言語コミュニケーションの言語化」なのである。


*同情と同調

 別にこーゆー事は珍しい事でも何でもなく、ワタクシ以外の当事者もよくやられていることである。が、皆が皆素晴らしい目的のためにやっているにしても、ドナ・ウィリアムズやテンプル・グランディンみたいに受け入れられている人は少ない。こういう言い方はアレだが、ワタクシ自身「この人と一緒にやってみたい」と思う人は少ない。何故だろうと考えていたのであるが、つい最近答えが分かった希ガスのである。ソレは「復讐心」である。この手の障害を持つ人達は多かれ少なかれ何らかの形で苦汁を舐めさせられていて、ソレが行動を起こすキッカケだったりする場合が多い。かく言うワタクシだってそうである。


 とは言え、復讐そのものは否定しない。問題はどの様な形で出すかである。ワタクシが見る限り、上手くやれない人は殆どの場合ネガティヴな形でソレが滲み出てる。怒り、恨み辛み、責任転換、孤立と孤独感、プライドとコンプレックスのアンビバレンス、理想と現実の乖離など。口に出さず笑顔で取り繕えばバレないと思ってるのは本人だけである。我々アスペは言語的にしか相手の気持ちが分からない場合が多い→その反対で「言語にしなきゃ自分の本心はバレない」と考えてしまうって話である。何で分かるのかと問われたら、ワタクシがそう思っていた時期があったからである(笑)


 が、言語的にはカモフラージュしたつもりでも、実際には非言語的にネガティヴな本心が漏れ出ているのである。フツーの人にはソレが分かるからこそ胡散臭さを感じてしまい、その活動が受け入れられないって寸法である。だからワタクシは同じような苦労をしたであろうと思われるその方には同情はするが、その心意には同調できないのである。第一、ネガティヴな感情で繋がった集団ってのは大概ロクな終わり方をしない。歴史学社会学の教科書を見れば、その前例が山のように書いてある。差別は確かにNGであるが、逆差別は同じかソレ以上にNGだって話である。


*最高の復讐

 じゃあ上手くやった人はどうやったか&どうすればいいのかと問われたら、ワタクシはこう考える。元ネタはスペインの諺であるが、自らの幸福こそが最高の復讐なのである。コレを専門用語では「昇華」と呼び、よーするにネガティヴなストレスをポジティヴなモンに変換してしまう(例:仕事、芸術、音楽など)であり、コレが上手くやってる人の共通点だとワタクシは考えている。具体的に言えば、昔学校で障害ゆえにいじめられていた&ハブられていたんだったらその悔しさを仕事にぶつけて、将来そのクラスの同窓会に自らの稼ぎで買ったフェラーリで乗り付けてやる、そんな感じである(笑)
 

 そんな形の復讐だったら、自身は言うまでもなく傍から見てる第三者から見ても痛快であろうからである。ンでもって、相手に対しては精神の根本的な部分に強烈な一撃を見舞う事ができる。正に最高の復讐である(笑)ネガティヴをネガティヴで返したって、何をどーやっても後味の悪さは残る。何ちゅーか「結局自分も同じ穴のムジナか・・・orz」って感じである。そう感じないんだったら、ソイツのレベルは所詮その程度って話であり、ワタクシはそんなヤツには全く興味が無い。さて、ワタクシもこの「非言語コミュニケーションの言語化」をネタに大儲けして、新車の【フェラーリ458イタリア】で同窓会に突撃ィィィィ(-(-д(-д(`д´)д-)д-)-)・・・と妄想ネタはコレぐらいにしておいて(爆)明日も地道に仕事するに限る今日この頃であった。