アスペルガー医師ロンの日常

医師でもあり、アスペルガー症候群当事者でもあり、更には911GT3&ロードスター乗りでもあるワタクシのささやか(?)な日常

HELLBOUND

 ロンマニアの皆様、こんにちはm(_ _)m

「憎むのは易しく、愛するのは難しい。良いものを創り上げるのは難しく、悪いものは簡単に手に入る」
By モラルジ・デサイ

 といった今日この頃、皆様はどうお過ごしでしょうか。


*凄いクルマとは
 クルマ好きとその類の議論をしたら三日三晩経っても答えは出ないだろうが(笑)ワタクシの答えは「オーナーに夢とロマンを与えてくれるクルマ」である。国産車で一番分かり易いのが歴代GT-Rである。GT-Rってのはどの世代でもそうだけど、国産最強のエンジンを搭載し、兎に角アホほど速くて、オーナー達に「世界トップクラスの速さの国産車をバーゲン価格で売ってやるッ!お前等に最高の夢を見させてやるッ!」って訴えかけるのである。だからGT-Rはどの世代でも同時代のスポーツカーの倍ぐらいの値段がするけど、ソレでも皆挙って買っていて、時代が過ぎて最速でなくなっても夢とロマンは残り続けるのである。

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 そう、ただ単に速いだけじゃダメなのである。その速さの裏に長年貫かれたメーカーの確固とした哲学があって、その哲学に沿って長年進化熟成されてきたからこそ、所謂「説得力のある速さ」が生まれるのである。その分かり易い例がポルシェ911であり、あの速さが「RRレイアウト+水平対向エンジンという他に何処もやってないモンを貫き続けた上で」って条件があるからこそ他車種には無い独特過ぎる走りの個性が生まれ、ソレが夢とロマンを生み出し「凄いクルマ」となるのである。1~2代しか作らずに生産終了し、十数年後に人気出たら復活させる。そんなクルマ作りからは「凄いクルマ」は生まれんのである。

*6代目誕生
 ホンダのスポーツカー作りの何がダメなのか、コレで十二分に分かったと思うのである(笑)そんなホンダでもS2000までは、間違いなくその”凄いクルマ”を作ってたのである。初代NSXなんて夢とロマンの塊だし、インテグラシビックのTypeRなんかは「F1エンジンの片鱗を市販車にて格安で味わう」というワクワク感に満ちてたのである・・・が、S2000以降はソレが薄れていってしまい、何時の間にか「良いクルマ」ばかりになってしまったのである( ̄~ ̄)今回ネタにする【新型シビックTypeR】も、ワタクシの見立てでは「良いクルマ」であり、どう見ても「凄いクルマ」じゃないのである。

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 無論ホンダの事だから、このクルマのハンドリングや速さに関しては文句ナシなのであろう。多分試乗しても、ワタクシはこのクルマの性能や走りソレ自体は高く評価するであろう。が、ソコに夢やロマンはあるのかって話である。同じ系統のハイパワーFF(メガーヌRS、ゴルフGTI等)に比べ「コレこそがホンダにしか作り得ない○×だッ!」ってのがあるのかって話である。あとワタクシ的に気になったのが、公式HPには載ってない各種データである:

  • 値段は500諭吉、オプションの類は一切ナシ
  • サイズは4595mmx1890mmx1415mm
  • 車重は1430kgで、ホイールベースは2735mm
  • パワーは330馬力&トルクは43kgf
  • タイヤサイズは265/30ZR19(ミシュランPS4

ワタクシの率直な感想は「でけぇ( ̄Д ̄;)」である(笑)GT3が4573mmx1850mmx1279mm(ホイールベース2457mm)の1435kgだから、コレGT3よりもデカいのである(´ヘ`;)コレじゃワタクシの想定してる「通勤や仕事の足として」「筑波1000&2000をメインに走らせる」「各種コスパに優れたクルマ」として全然使えないから、この半分の価格だったとしても購入は考えられんのである。

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 言っちゃ悪いが、根狂的なホンダファンとか、投機目的の転売ヤーとか、シビックTypeRに特別な思い入れのある人以外、コレを積極的な理由で買う姿を想像できんのである( ̄~ ̄)例えば家族が居てクルマが一台しか持てないってなら、このクルマを選ぶ理由としては分かるのであるが、ソレは積極的な理由ではないのである。ワタクシだったら、コレよりも断然GRヤリスを選ぶであろう。GRヤリスのが車体が小さくてコスパも良いだろうし、150kgも軽い上に4WDだからより速いだろうし、何より夢とロマンがGRヤリスにはあるのである。この新型シビックTypeRは、やっぱ「良いクルマ」止まりなのである。

*最後の内燃機関商法
 でもどうやらそう考えてるのはワタクシぐらいしか居ないらしく、小耳に挟んだ話、コレ既に完売しちゃったっぽいのである(^_^;)そのホンダファンの数が思った以上に多い、300馬力級の国産車の中では一番安い、インプランエボ難民の受け皿になった、外車アレルギーが依然強い、先代の乗り継ぎ需要等、考えられる事は色々あるのであるが、一番はやっぱ「コレが最後の純内燃機関(以後ICE)のTypeRかも知れない」って皆が予想してるからじゃないかと思うのである。別にコレに限った話じゃなく、最近の国産スポーツカーは大概こんな感じである。

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 特にホンダは国産勢で真っ先に脱ICE宣言をしたメーカーでだから、尚更「コレが最後なら買っとかなきゃ損だッ!」って気持ちが逸ったのであろう。ソコに半導体云々が重なって、大して高いシロモノじゃないのにも関わらず変なプレ値が付く。フツーにクルマ乗りたいワタクシとしては迷惑な事この上ないのである┐(´д`)┌ワタクシはホンダにもTypeRにも特別な思い入れは無いし、ICEに対しても特別な思い入れは無いのである。ソレが凄いクルマであれば、国産車だろうが外車だろうがICE車だろうがEVだろうが楽しく乗れる。ココにまた新たなジャスティスの誕生を祝う今日この頃であった。