アスペルガー医師ロンの日常

医師でもあり、アスペルガー症候群当事者でもあり、更には911GT3&ロードスター乗りでもあるワタクシのささやか(?)な日常

SILENT NIGHT FEVER

 ロンマニアの皆様、こんにちはm(_ _)m

「死を覚悟し生きていれば、何かを失う気がするという心配をせずに済みます。あなたは初めから裸なんです。素直に自分の心に従えば良いんですよ」
By スティーブ・ジョブズ

 といった今日この頃、皆様はどうお過ごしでしょうか。

*おいでよケイマンの森
 長年スポーツカーに乗って思う事は「サーキットでのラップタイムには何の意味も無い」って事である。プロ級の腕が無いとそのタイムは出せないし、何より見えないトコでの様々なインチキがあったりするからである。ワタクシが評価するのは「実際自分で乗ってみてどうか」である。運転し易いか否か、運転し応えがあるか否か、車体に技術的構造的な問題点があるか否か、タイヤやブレーキなどのコスパは如何ほどか等々。そういった点を総合的に評価して初めて「良いクルマか否か」を判断するのである。ドチャクソ速いけど2~3周しか持たない&タイヤがすぐダメになるのは、ワタクシとしては問題外である。

 ポルシェエクスペリエンスセンター東京(以後PECT)の何が良いって、極限状態での試乗が可能だという事である。良くあるポルセンの試乗コースで街中をダラダラと走ったトコで、ソレにはドラポジを確かめる以上の意味は無いからである:


こうやってポルシェの主要車種を一様に集めて、公道では不可能な状況での試乗を行い、極限状態でのポルシェ車の性能を体感する。コレがPECTの醍醐味なのである:
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生憎館内は動画撮影禁止なので、ワタクシ自身の運転動画ではなくテレビの特集動画しか貼れないのが惜しまれるトコである(´・ω・`)この様に公道では体験不可能な事でも、ココPECTなら体感できてしまうのである。

 前置きが長くなってしまったが、今回ワタクシが選んだ車種がコレである:

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サブタイで想像付いたかも知れないが【718ケイマンGT4RS(以後GT4RS)】である。ケイマンは素とGTSは乗ったが、ソレも街中だけの話である。折角PECT来た&こーゆートコ来たなら最高のモンを試したいと考え、結構値は張ったがGT4RSにしたのである。先輩曰く「乗ったら余りの凄さに飛ぶぞ」と言われてたので、そりゃ乗らないワケにはいかないのである(笑)


鍛マグホイール&カーボンボンネット&チタン製ロールバーでポルシェ属性のあるロンマニアの方ならお分かりになったと思うが、ヴァイザッハパッケージなのである。ドアハンドルに至るまでありとあらゆるトコが軽量化されており、総重量はたったの1415kgである。


当日はバリバリのニッポン晴れ&Race-Texのステアリングという事で、クルマからサングラスとレーシンググローブを引っ張り出してきた次第である。Race-Tex素手だと結構滑るので、レーシンググローブあると凄い捗るのである。だからワタクシはGT3を敢えてオプションでレザー仕様のステアリングにしたのである。

 第一印象であるが、先ず音がヤベェのである( ̄Д ̄;)ワタクシのアレでもエンジン音は結構響いてくるのであるが、ソレの比じゃないぐらいの大音量が車内に響いてくるのである。一応GT3やGT4同様にBOSEサラウンドシステムがオプションで選べるが、素GT3以上に無用の長物と化すであろう(笑)走り始めて3000~4000rpmでも音がヤバいんだから、7000rpm以上回した時の音といったら、マジで脳幹まで響いてくるのである。昔ながらのガソリンエンジンが好きなロンマニアの方ならば、もうこの音だけで丼飯3杯はいける事であろう(爆)

*とびだせケイマンの森
 ケイマンと911の違いは何かと問われたら、911は「スポーツカーに必要な諸々を全て盛り込んだグランドツーリングカー」なのに対し、ケイマンは「スポーツ性能に特化したピュアスポーツカー」といったトコである。食いモンに例えると911が定食ならば、ケイマンは牛丼といったトコである(笑)特に走行性能を徹底的に突き詰めたGT4RSは、言うならば牛丼特盛つゆだく生卵付きといったトコであろうか(爆)
youtu.be
GT3と比べて思う事は「素GT3はまだ幾分かマイルドだった」って事である。素GT3は街乗り云々を考慮して、ドライバーが疲れ過ぎないように若干の緩さがあるが、GT4RSはソレが無くなってるのである。足回りはカチカチで、アクセルもブレーキもハンドリングもダイレクトでキレキレで、緩いトコが何処にも無いのである(^_^;)街乗りじゃ過敏過ぎて疲れるが、サーキットだとコレが最高なのである。

 でもってGT3と違ってリアアクスルステアが無いから、単純にステアリング切っただけじゃ曲がらんのである。スラロームするにせよ、荷重をちゃんと乗せないと曲がってくれんのである。あと純粋なMRなので、当然だがフロント駆動による挙動のアシストなんぞ存在しないのである。だからキックプレートとかドリフトサークルとか、前回のターボSでは上手く出来たのにGT4RSじゃ全然ダメになってたのである(;´Д`)
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GT4RSにどこか懐かしさを感じると思ってたのだが、レンタルカートのソレなのである。重量物が中心やや後ろにある素性の良いマシンを用意して、電子制御云々は最小限にして、ドライバーの腕が比例的に反映され易いようにしてあるのである。絶対的な速さを追い求めるのではなく、クルマとの純度の高い対話を通じてドライバーの速さを楽しむクルマ、ソレがGT4RSなのである。

 その圧倒的な素朴さがGT4RSの難しさであり、同時に楽しさでもあるのである。ワタクシは以前から「MRのスポーツカーを存分に振り回してみてぇなぁ~( ̄▽ ̄)」って思ってたのであるが、図らずともその究極を味わう事となってしまったのである(笑)ソレと同時に「如何にワタクシが4WDや4WSといったシステムに乗せられていたか」までも間接的に実体験させられる事となったのである(´・ω・`)
youtu.be
この動画で「乗り易い」「怖くない」って言ってるのは、アレ全部電子制御でアシストされてるからなのである。GT4RSと比べてやっと分かったのであるが、アシストされてる実感がワタクシにも全然分からなかったのである( ̄Д ̄;)つまり恐ろしくナチュラルに電子制御が介入してたのである。こうやって乗り比べる事で、色んな車種の色んな長所短所が見えてくる。コレもPECTの醍醐味なのである。

*あつまれケイマンの森
 余りにも楽しくて、90分の体験時間はあっという間に終わってしまったのである(´・ω・`)先輩が仰られてた様に、GT4RS乗ったらマジで飛んだ次第である(笑)脳ミソが直接タイヤと繋がったようなダイレクト感、ドラテクがそのまま速さに直結する純朴さ、MRの理想を最大限追及した車体構造。その全てが真にクルマを運転するのが大好きなヤツにブッ刺さるのである:

2000諭吉越えの車体価格が高い?90分10諭吉の体験料金が高い?ワタクシは全くそう思わない次第である。究極のMRがこの値段で所有できるのなら、究極のMRの真髄をこの値段で味わえるなら、寧ろバーゲンセールだと言っても良いぐらいである。


あとインストラクターさん曰く「RS系はレースカー同様のダウンフォース前提のマシン」だそうである。足が必要以上にカチカチなのも、レーシングスピードで起こるダウンフォースでグッと押さえ付けられる前提でセットされてるからだそうである。そういう意味でも、RS系はサーキットがメインステージのクルマであり、街乗りの方がオマケなのである。


というワケで、この上なくひじょ~~~に名残惜しいのであるが、ワタクシ2回目のPECT訪問はコレにて終了である。ポルシェの最高峰の1つであるRS系を体感できて、しかもソレによって今まで分からなかったターボSやGT3の魅力が更に分かるようになって、納車からもうすぐ2年なのに益々ポルシェが好きになってしまったのである(*´Д`*)どの車種にも個性があって、しかも其々が奥深い。そりゃ飽きろという方がムリな話である。

 改めて思う事は「クルマを走らせる事に興味が無いヤツやクルマをステータスシンボルとしてしか考えてないヤツ。そういうヤツ等は役物ポルシェを、特にRS系はできれば買って欲しくない」って事である。そういうヤツがRS系買うってのは、例えるなら高級ケーキ店でバースデーホールケーキ買ってきて、ロウソクの灯を吹き消した後は全部捨てるようなモンだからである(笑)ただでさえ役物は生産枠が少ないんだから、ならその少ない生産枠は真に欲してる人にムダ無く渡るべきだと思うからである。早速次に乗りたいモンが思い浮かんでアレだが(爆)ソレはもっと焦らしてから目一杯楽しもうと思う今日この頃であった。