アスペルガー医師ロンの日常

医師でもあり、アスペルガー症候群当事者でもあり、更には911GT3&ロードスター乗りでもあるワタクシのささやか(?)な日常

BLOOD OATH

 ロンマニアの皆様、こんにちはm(_ _)m

「金なんかなくたって、心が豊かで、誰にも迷惑をかけずに、好きなことをやっていけたら、これが一番幸せな人生なんだろうな」
By 本田宗一郎

 といった今日この頃、皆様はどうお過ごしでしょうか。


*道徳vs法律
 ワタクシが繰り返し言ってきてる事であるが。正義だとか道徳だとかいうシロモノは基本的に主観的なモンであり、ソレは出自や所属や民族や宗教や教育により異なるモンであり、各論に至るまで追求したら人其々違うモンなのである。でも、正義だとか道徳を重んじるヤツってのは、テメェのソレを唯一絶対の教えだと信じて疑わない事が実に多いのである( ̄▽ ̄;)だから「テメェ等がテメェの正義と道徳に忠実なのは良いけど、最低でも全員コレだけは守れ」って事で法律が存在するのであり、そして「正義と道徳が全員違うなら全員納得できるような国政なんて出来る筈が無いから、最後は多数決で決めような」って事で選挙や議会政治が存在するのである。

 ワタクシが常々「ニッポン人に民主主義や法治国家は基本合わない」って言い続けてる理由もコレである。ニッポンって実質的な単一民族国家だから、出自や民族や宗教などによる正義観と道徳観の違いが無いか、あっても少ないのである。だから法律よりも正義と道徳の方が価値が上と見なされるし、議会政治においても可能な限りの満場一致を強く望むのである:

坂上忍、飯塚元院長を「元院長と表現するのは納得できない!仕方ないから言うこと聞いてます」

20150917 安保法案強行採決の様子
コレなんかが典型的なソレである。プリウスミサイルの爺さんだって法律に則って淡々と処理されてるだけなのに「納得できないッ!」って声が大きいし、強行(?)採決も議会ルールに則ってやってるだけなのに「民主主義の破壊だッ!」である。何故そうなるかって、法律以上の「正義と道徳」があって、ソレに則ってないから反発されるのである。まぁ昔よっかは遥かに法治と民主主義を受容するようにはなったけど、やっぱ正義と道徳を求める声は未だ強いと言えるのである。

*もうやめて!関連会社のライフはゼロよ?
 でもってその「正義と道徳」を拗らせちゃったのが今時のサヨクである。今回の選挙の野党の演説が安倍ちゃんや与党の悪魔化に徹してる&支援者たちもSNSで同じ様な主張を繰り返すのは「自分達は正しいッ!」って考えてて、ソレが全ニッポン人にとっての普遍的正義だと思い込んでるからである。だから「悪が倒され正しい事が成されれば全ては良くなる」「自分達の話を聞けば、正しき人々は皆賛同してくれる筈」「我々に反対するヤツは悪だから、話を聞いてやる必要は無い」って考えてしまい、結果あのような独善的で上から目線な選挙運動になってしまうのである┐(´д`)┌


日本共産党 天王寺ミオ前街頭演説(20190714)

 多分【自分のキャラクターにサヨク的発言をさせたマンガ家】も同じような心境で、正義感の下でこういうサヨクいイラストを投稿したんじゃないかと思うのである。でもってワタクシの見解は「ンなモン、ダメに決まってるだろ( ̄ヘ ̄)」である。表現の自由?確かにソレも大事であるが、もう一つ大事なモンをこのマンガ家は疎かにしてるのである。ソレは「自分の意見は自分のモンだけど、キャラクターは自分だけのモンじゃない」って事である。グッズやゲームを作ってるコナミ、作品の版権を持ってる集英社、及びその他数多くの下請け企業。ソコに属する人々の生活がこの作品に影響されている以上、リスクを伴う事をすべきではないのである。


遊戯王だけで50億売れた? カードゲーム業界2月の売上がやばい!? バディファイトどうなる? #遊戯王 #デュエマ #ポケカ #FEサイファ

 もしもこの発言が原因で売り上げが落ちて、その結果リストラされた社員が出たり、下請けが切り捨てられたりしたら、作者はどう責任を取るんだって話である。作者が一人で発言に伴うリスクを引き受けるのなら「あぁ、サヨクなのねこの人( ´∀`)」でお終いだが、他人に迷惑がかかるのなら話は別である。擁護するヤツは「表現の自由ガー」って言ってるのであるが、自由ってのは「他者の権利を侵害しない」という前置きがあるのを忘れてはいけないのである。もしも「正しい事を言ってるんだから、コナミ集英社や下請け達は我慢するべき」などと言うヤツが居たら、ワタクシはソイツを自由の敵だと認定する次第である。

*やるならもっと上手くやれ
 中には「お前は政権批判をするなと言うのかッ!」とかいう的外れな事を言うヤツも居るかも知れないが、ワタクシはそんな事一言も言わない次第である。上記にあるように、表現の自由を行使したいのであれば、他者の権利を侵害しない事。そしてもう一つは「やるんだったらもっと上手く、興味無い層や相手陣営の人間も認めるほど上手くやれ」って事である。音楽だと、例えばこんな感じにである:

Rage Against The Machine - Sleep Now in the Fire (from The Battle Of Mexico City)

Green Day - American Idiot [OFFICIAL VIDEO]
ワタクシはサヨクは大嫌いだけど、サヨク節全開のこの2曲は大好きである(笑)こうやって素晴らしいモンを作れば、人はソレだけで耳を傾けてくれるモンである。耳を傾けてさえくれれば、ソコから仲間に引き入れるチャンスだって生まれるのである。ニッポンのサヨク的なアーティストの何がダメかって、政治メッセージばかりが先行し過ぎてて、肝心の作品の出来がダメだからなのである。

 特に作者はマンガ家なんだから、皆をハラハラドキドキワクワクさせるようなマンガを描いて、ソコにサヨク的メッセージを上手に織り交ぜれば良いのである。もしもバリバリの萌えっ娘が巧みにサヨクい言動していれば、ソレだけでオタク連中をサヨク道に引きずり込めるってモンである(笑)文学だとダルトン・トランボの「ジョニーは戦場へ行った」とか、ロン・コーヴィックの「7月4日に生まれて」とか、あとジョージ・オーウェルの「1984年」も、素晴らしくサヨクい作品だと言えるのである。正義が人の数だけある以上、重要なのは正しいか否かではなく、説得力があるか否か。改めてそう思う今日この頃であった。

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