アスペルガー医師ロンの日常

医師でもあり、アスペルガー症候群当事者でもあり、更には911GT3&ロードスター乗りでもあるワタクシのささやか(?)な日常

BLODSVEPT

 ロンマニアの皆様、こんにちはm(_ _)m

「賢者より愚か者のほうが世には多い。しかも賢者さえ心は分別よりも狂気で満ちている」
By セバスチャン・シャンフォール

 といった今日この頃、皆様はどうお過ごしでしょうか。


*外交的/内向的な音楽
 音楽はジャンル毎に性格の傾向ががあるんだそうである。リア充がポップスを好むのも、ポップスが「自尊心が高い、勤勉、外向的、温厚、クリエイティブでない」という、正にリア充向けの性格を擁してるからである。でもってラップやヒップホップも「自尊心が高い、外向的」ってなってるのである。何故同じ底辺向けの音楽でもラップとメタルで方向性が全く異なるのは、そういう事なんじゃないかと思うのである:

1/4【BEEF】日本語字幕付き HIPHOP WAR ドキュメンタリー
外向的だからこそヒップホップの歌詞ってのは他のラッパーに対するディスだとか、あばずれ女の話だとか、ヤク売買の話だとか、政治社会への不満の話だとか、そういう”外に向かっての言葉”が多いのである。1人称も”俺”よりも”俺達”といった複数形が多いのも、外向的で群れる事が多いが故であろう。

 逆にロックやメタルは「自尊心が低い、クリエイティブ、勤勉でない、内向的」という風に、ポップスやヒップホップとは逆の方向性なのである。だから怒りを仲間で分かち合ったり外にぶつけたりはせず、自分自身の中で溜め込んで増幅させてしまうのである。そして時には死や破壊や悪魔崇拝といった、妄想と厨二病を拗らせたような非現実的な歌詞や世界観が生まれてしまうのである:

5分でわかるメタルの歴史
なぜメタルがドンドン過激になってドンドン細分化するかって、テメェの中に閉じ籠ってしまうからである。世間の反応を見たり周りと協調したりが乏しくて、テメェの内面世界だけを構築拡大し続けるから、自ずと人其々のジャンルが出来てしまうってワケである。外向的な音楽だと周囲と合わせたりするからジャンルもソコまで広がならいのである。

*邪悪なチキンレース
 何故この話をし始めたかって、実は先日ガルパン最終章観た後に、ドサクサに紛れて別の映画も観に行ったからである:
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ブラックメタルを題材にした映画」「監督は元ブラックメタルのドラマー」「主役はあの時代のスターだったマコーレー・カルキン実弟」と聞いたら、ワタクシもいちメタラーとしてメチャクチャ観たくなってしまったというワケである(笑)どんな映画かを簡単に言うと「ガルパンには絶対出て来ないような基地外が沢山出てくる映画」といったトコであろうか(爆)ワタクシは映画好きではないので良い映画かどうかを問われたら「?」だが、ただ一点「ブラックメタラーとはどういうヤツ等か」を上手く描けてる点は良かったと思うのである。

 まず予備知識として、ノルウェーって実は相当なムラ社会で、社会に溶け込めないヤツや社会規範(主にキリスト教)に忠実でないヤツは除けモンとして社会の隅に追いやられるのである。あとノルウェーって北にあるから日照時間も少なく、その所為でうつ病になる人が結構居るのである。だからキリスト教ムラ社会への反抗のシンボルとして反キリストの悪魔崇拝が用いられる事が多く、ソレが同じように除けモンにされた若者たちの旗印になったのである:

映画『ロード・オブ・カオス』予告編
詳しい話は「ブラックメタル インナーサークル」とかでググると分かるから省略するが、コレの元ネタは実話なのである。簡単に言うと、連中はガチの反社的悪魔主義者なんかではなく、厨二病拗らせた除けモン達が傷を舐め合うグループなのである。貧困とか差別とかいった現実的な悩みでないから本気にはならないし、大半が中流家庭の出身で切羽詰まってないから妄想に浸ってられたのである。で、ソコにガチメンヘラ(デッド)とガチ反社会的人格(ヴァーグ)が入ってきたせいで、サークル内で遊び的にやってた「誰が一番邪悪かチキンゲーム」に歯止めがかからなくなったという映画である。

 そう、常識という壁の前で如何にギリギリまで近付けるかのゲームだったのに、マジキチ2人がアクセル全開のまま壁を突き破ったら英雄視されてしまい、周りもソレに促されてアクセル全開で壁を突き破るようになってしまうのである。外部と繋がりがある&外向的なヤツならソコで歯止めをかけられただろうけど、閉鎖的な空間で内向的なヤツばかり集まると暴走が加速してしまうのである:

大量破壊兵器(オウム真理教による地下鉄サリン事件から20年)
ISISとかオウム真理教とかニッポン赤軍とかが精鋭化してテロ組織になったのも、今時のサヨクヴィーガンや環境屋やBLMとかが精鋭化過激化しつつあるのも、つまりそういう事なんじゃないかと思うのである(^_^;)内向的で弱い人間ってのはマイナスからの社会復帰に耐えられないから、一線を超えるともう後戻りできなくなってしまい、理想に殉じる事を厭わなくなってしまうのである。連中は強いからテロるのではなく、弱いからテロるのである。

*アレから28年
 当初は「何故ニッポンから革命的な音楽ジャンルが生まれないのか」って不思議に思ったモンであるが、この映画観た後だと「革命的な音楽が生まれる土壌となる社会の歪みが無いのは幸せな事なんだな(*´∀`*)」って思うようになってしまってたのである(笑)あと蛇足であるが、ノルウェーには死刑と終身刑が無く、刑期は最長で21年で、この事件は28年前の事件。こう書けば察しの良いロンマニアの方は理解したと思われるが:

About the 'Lords of Chaos' movie
リアルでリアルユーロニモスを殺害したリアルヴァーグであるが、もう刑期を終えてシャバに出てたりするのである。動画の中でもヴァーグ本人は映画をボロクソ言ってて、映画に出てた他の本人及び映画に出てなかった当時のグループメンバーもボロクソ言ってたりするが、まぁ映画で「ブラックメタラー厨二病拗らせた内向的な弱虫共です」って言われて高評価しろってのがムリな話である(^_^;)

 でもって「あの事件の後、メイヘムってどうなったの?」とは誰もが思う事であろう。その答えは「未だ現役」である。正確には一度解散したけど再結成して、残ったメンバーが逮捕されたり殺害されたりしたメンバーに後任を迎えて活動を続けて、つい1年半前に新アルバム出したばっかりだったりするのである:

MAYHEM - Falsified And Hated (OFFICIAL VIDEO)

De Mysteriis Dom Sathanas Alive - Full Concert Music Video
実はワタクシ、メイヘムはアルバム全部持ってて、結構好きだったりするのである(笑)ブラックメタルは新旧東西南北に渡り色々聴いてきたけど、やっぱ何だかんだメイヘムとかエンペラーとかバーズムとかダークスローンとか、あの時代の音が原点にして最高峰だと思うのである。とまぁ、コレ以上話すとワタクシもヤバいヤツだと思われるので(爆)もうお開きにしたいと思う今日この頃であった。

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