アスペルガー医師ロンの日常

医師でもあり、アスペルガー症候群当事者でもあり、更には911GT3&ロードスター乗りでもあるワタクシのささやか(?)な日常

TRUTH AND SOUL

 ロンマニアの皆様、こんにちはm(_ _)m

「科学技術って進歩する以外に能がないんですね。文化、芸術がブレーキかけないと、野蛮な文明国になっちゃう。合理を最優越させないで知情意、真善美のバランスを回復しなくてはいけない」
By 唐木順三

 といった今日この頃、皆様はどうお過ごしでしょうか。


専制vs自由
 1989年のベルリンの壁の崩壊と共に東西冷戦が終わって、旧ソ連や中国がグローバル市場に参加するようになって、世界はホントの意味のグローバル時代になると思ってた人は少なくない筈である。少なくとも2010年ぐらいまではガチでそう考えてたからこそ、西側諸国は中国やロシアに甘々だったのであろう。何故ダメになったかって、ワタクシが思うに「メンタリティー発展途上国のまま経済成長だけしちゃったから」だと思うのである:

  • 貧しいからあらゆるモンが奪い合いになり、モラルが大幅に低下する
  • モラルが低いから社会インフラが真っ当に機能せず、融通を効かせてもらうために賄賂や汚職が横行する
  • モラルハザードから身を守るために家族や仲間以外の人間を信用しなくなる
  • 家族や仲間の絆を強めるために厳格な集団主義が適応され、人権や法律が無視されるようになる
  • 対等な人間関係というのは基本的に無く、余所者は基本的に服従させるor服従するかの二択
  • 信頼関係やルール順守という考えが乏しいから競争が成立せず、重要ポストがコネや賄賂で決まる
  • 技術やモノは他所から買えばいいor盗めばいいと考える様になり、自国産業が育たない
  • 社会にダイナミズムが無いから誰も積極的に行動せず、ズルや手抜きが横行する
  • 当然だけど貧富の差はドチャクソ大きくて、極僅かな人間がアホほどの富を独占するようになる
  • マトモな人や高学歴高技能な人はそんな状況がバカバカしくなって、国を出てしまう

こういう「発展途上国あるある」ってのは世界中何処もそうなのであるが、その悪循環から抜け出して上手く先進国になれた国ってのは、ワタクシが思うに文化や芸術、そして宗教が発達してるトコなのである。目の前の利益じゃなく未来のより良い結果を、ただ食って寝てヤる以上の高次元の満足を、人間の形而上的なモンへの意識を民衆に植え付けられたからこそ、悪循環を脱して先進国になれたのだと思うのである。

 じゃあそういうモンが乏しいにも関わらず経済成長だけしたらどうなるかって、答えは「カネが溢れた発展途上国になる」であり、ソレが今の中国でありロシアなのである。経済的に豊かになって軍事力まで増すようになると、その発展途上国メンタリティーのまま世界に少なからぬ影響を及ぼすようになり、ソレが飽和点を超えてしまったのが今年2月のウクライナ紛争なのである:
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今後世界はどうなるかって、ワタクシが前々から言ってるように「第二次世界冷戦に突入」である。中国ロシアを中心とした専制国家ブロックと、欧米日の先進国を中心とした自由国家ブロック、価値観の違いをベースにして世界が二分されるのである。ンでもってどっちつかずの国を舞台に互いのブロックによるオルグが始まって、時折代理戦争が巻き起こる、東西冷戦時代に良く見たソレが繰り返されるのである。

*人権って何ですか?
 何だか昨夜は【ペロシが台湾で云々】でSNSが盛り上がってたのである。一部「強引に行く事はなかったのでは?」って声があるが、アレは行く以外の選択肢は無いのである。所謂「相手を刺激しなければ此方も何もされない」ってのは先進国ならではの忖度っちゅーか遵法精神であり、中国にゃそんなモンは無いのである。ウイグルチベットや香港見れば分かると思うが、中国にとって漢民族に非ずは人間に非ずであり、敬意も忖度も必要無い相手なのである。だから変に遠慮すると、向こうは「攻め入って良いって事だな ( ̄ー+ ̄)」って解釈してしまうから、ココは最悪の状況のリスクを承知で強引にでも力を誇示してくしかないのである。

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 そう、コレが文化の違いなのである。一方の国じゃ当たり前過ぎて疑いすらもしない事が、他方じゃ全く違ったりもするのである。例えば戦争にしても、ニッポン人ら先進国の人間は「向こうも死にたくない筈だ」とか「戦争しないに済むに越した事はない筈だ」って考えるけど、そうじゃないのである。向こうは「コアメンバー以外の国民は使い捨てできる」「デメリットよりもメリットのがデカいなら戦争する」「人権思想や法治主義なんて西側諸国が勝手に言ってる戯言に過ぎない、我々には我々のやり方がある」であり、話し合って何とかなるレベルじゃないのである。

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 分かり易く言うと、スポーツカーやスーパーカーで暴走するヤツ等の言い分と同じである(笑)悪い事してもバレない&捕まらないのなら全然やっちまうし、被害者が居ても「用心しなかったヤツが悪い」って考え方である。ドストエフスキーの「罪と罰」みたいに「ソレやったら人間として終わりで、人間として終わると後々とんでもない不幸になる」って事を教育なり文化なり宗教なりで浸透させていかないと、豊かになってもそのまんまのメンタリティーで行っちゃうのである。だからワタクシは昔から今に至るまで、中国やロシアを全く信用してなかったのである。

*The浦島太郎
 もしもワタクシが生まれも育ちもニッポンだったら、恐らくそういう事を理解できなかったか、或いは半分も理解してなかった事であろう。が、ワタクシは元インドネシア人であり、ガキの頃は今みたいに経済成長してなかったジャカルタで青春時代を送ってたので、ソコんトコ身を以て体験してたりするのである。だから純ニッポン人の生活とか見てると「危機意識そんなガバガバで良いの( ̄▽ ̄;)」とか「ハンコを誰も厳重に管理しないって、偽造書類作りたい放題じゃん(;´Д`)」とか思ったりする&変な邪心が生まれそうになっちゃうのである(笑)

 無論ニッポンだったらやっても簡単にバレる&バレた後のデメリットがデカ過ぎるんで、そんな事はしない次第である。社会人になって仕事が忙しくなって以来はジャカルタに殆ど全然帰っていないので、超久しぶりにグーグルアースで昔良く行ってたトコとかを見てみたのであるが、何ちゅーか全く違う街並みになってて結構ビビったのである(笑)
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実はワタクシの元実家はこのポンドックインダーであり、ワタクシの記憶にあるポンドックインダーはモール以外何も無いスッカスカの土地だったのであり、画像に記憶に無い建物がバンバン出てきて&別の国と勘違いするレベルの綺麗さで、何ちゅーか「竜宮城から戻ってきた浦島太郎ってこういう感じだったんだろうな( ̄▽ ̄;)」って思ってしまったのである(笑)インドネシアがこのままリッチな発展途上国になるか、或いは先進国へと脱皮するか、願わくば後者であってほしいと思う今日この頃であった。