アスペルガー医師ロンの日常

医師でもあり、アスペルガー症候群当事者でもあり、更には911GT3&ロードスター乗りでもあるワタクシのささやか(?)な日常

CUT THE CRAP

 ロンマニアの皆様、こんにちはm(_ _)m


「ちょっと強くなると、解ったような錯覚を起こす。そういう子はある所まで行くと、もうそれ以上は強くならない」

By 小出義雄(女子マラソン監督)


 といった今日この頃、皆様はどうお過ごしでしょうか。


 今日は行きつけのショップが主催している走行会の日である。場所は現在ワタクシのホームとなりつつあるFISCOショートコース。今まで計3回ほどサーキット走行はやってきたのだが、走行会は2度目である。ワタクシ的には「ドラテクの向上」が図れれば一人で行っても走行会でもOKなのであるが、馴染みのショップ主催で、行きつけのサーキットで、しかもプロ選手の同乗走行もアリと言うのだから、行かない手は無いであろう。んで、実はたった一つ杞憂な点があったのであるが、ショップの雰囲気そのもので多いに良かった事を付け加えておこう。


 どういう雰囲気かと言うと「如何にも走行会」という雰囲気である。ほぼ全員(ワタクシも含めて)自分のクルマしか見ていない。会話があるとしたら自分のクルマの世話をしている店員さんと情報交換するか、良く顔を合わす同じショップの客と数言話すぐらい。後はタイムを見て「お、やるじゃん」といった他愛の無い会話。ソレが「やっぱり走行会はこうでなくっちゃ」ってワタクシは逆に感心してしまったのである。NASCARなんかが正にそうであるが、マシンは殆ど同じでもドライビングは各人違うのと一緒である。結局、自分のクルマの一番良い動かし方は最終的には自分にしか分からんモンであり、他人がどうこう口を挟むのは無粋である。ソレをどうするか(クルマを自分に合わせる、または自分をクルマに合わせる等)をチャレンジ&エラーして「自分だけのクルマ」を作るのも走行会の楽しみ方の1つだと思うのである。


 以前の走行会の後"師匠"からカミナリを落とされて、アタマからケツまで炭化してしまった事を思い出す(笑)「なぁロン、お前は走行会に"女"を連れてきたにも関わらず、サーキットにいる間その"女"に一言も話しかけないヤツをどー思うよ。思いっきりアホだろ。そう、お前がやっていたのは正にそういう事なんだよ」と何時もの事ながら情け容赦ない(笑)と、言うわけで、今回の走行会の主題は2つ。1つ目は、"彼女"と徹底的に会話することであり、思いっきり失礼なのを覚悟で言わせてもらうと、他の方々は"彼女"との会話をより円滑に進めるための"触媒"だったりする。2つ目は、前回"師匠"から授かった走りについての教えを実践&体得するためのステージだったりするのである。タイムはハッキリ言ってアテにしていないし、他車と比較するだけムダである。タイムは"彼女"と仲良くなれば後から勝手について来るし、Sタイヤ&ドライサンプFD3Sと比較すること自体ナンセンスである。


 んで、今回プロの選手に"トリックマスター"に乗って頂いた時に問われたのが「足は何使っているの?」である。ワタクシが「ビルシュタイン・クラブマンパックですけど、何か問題でも(^_^;)」と聞いてみたら「柔らかいけどシッカリ動くし、踏ん張って欲しい時にちゃんと踏ん張ってくれる。使いやすい足だよ。本格的にサーキット走行を目指して1/100秒を削るんだったら話は別だけど、そうでなかったらコレで十分やっていける」との事である。あとたったの4周と時間的に厳しかったので、思いっきり具体的かつ包括的に「自分のクルマ乗って、何か明らかに"ココが問題"というポイントはありましたか」とと尋ねた所「特に問題は無い、今の状態を上手く使いこなす事に集中していけば大丈夫」だそうである。実は、上手く使いこなせない事が最大の問題なのであるが(笑)


 おさらいであるが、コレが今回のFISCOショートの全体図:

グリップ走行がA2→B3→C2で、ドリフト走行がA1→B3→C2である。


 ワタクシのようなド素人とプロは何が違うのか、と問われたら「踏んでいる」と答えるであろう。とにかくABC(アクセル、ブレーキ、クラッチ)ペダルの踏み方がハンパじゃなく上手い。自分が運転しているのと同じはずなのに「コレが同じクルマなの!?」って思うぐらいキビキビ動く。他の参加者が居たため正確なクリアラップを測定する事は不可能だったが、ワタクシという最大の重量物(笑)を積んでいるにも関わらず、ワタクシ単独で走った時よりも確実に2秒前後速い。これがワタクシ抜きだったら、もっと凄い事になっていたことは想像に難くない。逆に言えば、ワタクシのドラテクが如何に大した事が無いかを如実に語るエピソードでもあるのであるが(爆)


 んで、プロの選手がいたのはグリップ枠だけではない。ドリフト枠にもD1リーガルの選手を招待していて、その走りを見たのだが、冗談抜きでシャレになっていない。何と、殆どグリップと同じ走行ラインでA1の入口からC2出口まで、ホームストレートを除けばほぼ全コースをドリフトのみで綺麗なラインを描いて走り抜けて行くのである。"師匠"が以前「"グリップとドリフト、どっちが上か"って良く議論になるけど、俺に言わせれば不毛の極みだよ。"スピードスケートとフィギュアスケート、どっちが上か"って議論を交わしているのと同じぐらいムダだって事、何で掲示板で延々とやっている連中は気付かないのかねぇ」と仰っていたが、今回プロのドリフトをライヴで見てマジで実感したモンである。グリップでさえライン取りに四苦八苦しているのに、ソレをドリフトでやられたら素直に感激するのがベターだと思うのである。


 とはいえ、ワタクシの興味の中心はあくまで「"トリックマスター"との会話」のみに集中していて、今思い返すとプロの選手(グリップ&ドリフト)以外に記憶に残っている他者が殆どいなかったりする(笑)唯一「負けた…orz」と思ったのが顔馴染みの店員さん(クルマはAE92)と一緒の枠で走った時に。ホームストレートで馬力とトルクにモノを言わせて大きく差を付けたと思ったら、C2入口でもう真後ろに付かれていた事である。相手は言っちゃあ何だが20年前のローテク低馬力車両(失礼)で、しかもA2入口からC2入口にかけては下りじゃなくて、上り。つまり「コーナリングで圧倒的に負けていた」という事である。これではタイムで勝っていたとしても、全然嬉しい気持ちが起こらない。同じクルマなら徹底的に負けていたのは考えるまでも無いからである。


 今日「"トリックマスター"との会話」で分かった事の1つは、ワタクシはコーナリングが好きだという事である。GDBというクルマの特徴上アホみたいに踏みまくればタイムは出るのだが、上記にも記したように無粋だと思うのである。C2出口でガツンとフルブースト→アタマが吹っ飛ぶ程の超加速も楽しい事には楽しいのであるが、それ以上にA2手前でフルブレーキング→荷重を上手く調節してクリップへ→クリップからガツンと再加速→限界のグリップをコントロールしてA2出口のアウトに付ける→アウト・イン・アウトが描く軌道は栄光への架け橋だ!(古っ!/笑)がキマった時の方が遥かに気持ち良かったりする(爆)タイムはベストが37.101秒と全然大した内容ではないが、コーナリングを1つずつやっていけば全然詰められる内容だと思うのである。


 おかげで今日1日はブレーキングとコーナリングとドリフト鑑賞(笑)だけでアタマの中がいっぱいで、他者を見る時はソレに関連がある場合だけという、見る人が見れば「何やってんだ、この人は」な思いっきり自己中心的な一日となってしまった(爆)何せ・・・


自分が走り終わる

走行後のエンジン冷却&各部点検作業

「今度はココをこう入って・・・」「DCCDの設定は・・・」「ブレーキはココから踏んで・・・」でアタマの中一杯

トイレ(笑)

ドリフト走行枠始まる

「うぉぉぉ!プロすげぇ!!前走ってるヤツ、退くかもっと車間空けろ!!!」ってヤジ飛ばす(爆)

気付いたらもう自分の番

自分が走り終・・・(以後無限ループ)


・・・だったのであるから、皆で楽しくワイワイガヤガヤやるヒマなんか無かったのである(笑)こーして帰ってブログ書いてる最中にも「ココをこーして、ソコであーすれば、あと1秒強いけたんじゃね!!」って考えていたりする(爆)ブレーキキャリパーの"brembo"の文字はブレーキ熱にて赤から黒へ変色したものの、コーナリングへの執着心は未だ真っ赤に萌え・・・ぢゃなくて燃えている今日この頃であった。