アスペルガー医師ロンの日常

医師でもあり、アスペルガー症候群当事者でもあり、更には911GT3&ロードスター乗りでもあるワタクシのささやか(?)な日常

TUONELA

 ロンマニアの皆様、こんにちはm(_ _)m


「直感に従え。それでこそ真の知性が発揮される」

By オプラ・ウィンフリー


 といった今日この頃、皆様はどうお過ごしでしょうか。

*車載カメラで一考

 前回(今年一月)にサーキット走って分かったことの一つに「車載カメラの頼りなさ」があるのである(^_^;)今使っている【GoPro Motorsports HERO】の画像が粗いのはまだ我慢できるが、問題は撮影時間である。最大容量のSDカードを使っても30分ぐらいしか撮影できないのである。というワケで解決法をググってみたら、こんなモン見つけたのである:

GoPro HD Hero 960

GoPro HD Hero 960

  • GoPro(ゴープロ)
Amazon

上記のソレの次世代商品である。外部媒体容量が4GB→32GBに大幅アップするだけじゃなく、新たに”HD”の名がついたように画質がアップしてるのである。同様の商品に【HKS DMR】があるが、画質も安さも【GoPro HD】の方が上だし、何より使い慣れてるという点が大きい。サーキットは現在オフシーズン真っ盛りであるが(笑)シーズンが近づいたら欲しい一品である。


*前荷重って何ですか?

 でもその前に、ワタクシには”宿題”があるのである(^_^;)ブレーキングである。ブレーキングは後輪のソレもフルに使って、4輪全体でクルマを止めるようにする。口で言う(文章で表す)のは簡単であるが、やってみると以外に難しいのである(-_-;)よく言われる事は「ブレーキングはABSが作動する直前まで踏む」とあるが、ソレやるとイヤでも荷重が前に行く&ケツが浮く。かと言って踏まなけりゃ止まらない。先日、ソコんトコをSオーナーに聞いてみたのである:

          |: : : : :.| : : : | : : : : : : : : : : : : : : : : : : |: : : : : : : |        後輪が使えているかどうかをどう判断するか?
           |: : : : : l.: : : :|: ! : : |: : : : : : : :|: : :|: : :/: : : : : : : :|        クルマの姿勢、これで分かる。
           |: : : : : : : : __|厶: : |_:|: : : : : 厶: /: _/_: /.: : : : : :|        静止状態と同じなら、後輪にも荷重が掛かってる
          |.:.: : : :.:∨\|Vヘ: :|:∧: : : :/j/|: :/|: /∨.: : : : :|        
.           |: : : \:.:IV〒孑汀 ハ: :./ 汀戈〒ヾ/: : : /: :,′       まずはロック直前までフルブレーキ
            lハ.: : : :\:ト 辷ヒzi ヽ∨r'  ヒz辷! 彳 : : /: :/         その後、ブレーキを少しづつ抜いていく
              丶: : : : :ヽ、___ ノ ⌒ヽ、___ /: : : /: :/         そうすれば前に乗っかってた荷重が後ろへ行く
           _  \ : : : ゝ ̄ ̄  '    ̄ ̄/: : : /j∨          姿勢を戻したら、そこから更に調節していく
          /:::`ーくヘ: : : :> _   -    _ <: : : /:::::::ヽヘ、       
     _ノ三三ニ≡=- \ :.{ \> _, </ /_j/-=≡ニ三三\_    知ってるとは思うけど、R35は基本的にFR
     F¬≠=≡三三ニ≡= ミ`ヽ、 \_.  _/ /  -‐= ニ三三三ニ≠¬|   エンジンブレーキをフル活用するためには
     |l        ̄¨¨ ¬ー-、ヾ\V⌒V/_,, -―¬ ¨¨ ̄      l|   後輪への荷重が重要になる
     |l              {{ ̄ ̄ ̄ ̄}}                  l|
.    /|l                   } |      | {                 l|   ブレーキングは踏力じゃない
.    l |l                   | |      | |                  l|ヽ  タイヤのグリップを最大限使えるかが勝負






        ____    ━┓
      /      \   ┏┛   分かったような分からないような・・・・
     /  \   ,_\.  ・     そうすると、一つ大きな疑問が浮かんでくるお
   /    (●)゛ (●) \
   |  ∪   (__人__)    |      その方法で行くと、荷重が真ん中に戻ってしまうお
   /     ∩ノ ⊃  /       折角ブレーキングで曲がるための前荷重を前輪に掛けたのに
   (  \ / _ノ |  |         ソレが無くなってしまうお
   .\ “  /__|  |         その点はどーすれば良いのか分からなくなってきたお・・・
     \ /___ /






                 _,,. -‐ '' ー ‐- 、.,_
              _,.イ~           `ー、        前々からずっと思っていたのだけど
             /                   \       その「前荷重」って一体何?
            /                   \
.             /                        ヽ    前輪に荷重を掛けて、その力で曲がる?
.          /      !     |  |   |        'i,    カート、フォーミュラ、Cカー、プロト、ハコ車
          |       |ヘ     :|  |__ム、_/  i     |    長年いろんなクルマでレースやってきた私だけど
            {    ヽ |_ハ    :ノて~レ' レ'   :/      !    そんな事を意識した事は一度も無い
           | 人  ''て丁ヽ :/ ,-=テ云示`ヽ/ / .. :: : }
         |  \ ,ィテ示 ∨    辷 少 | / /  :: :: ::/    どんなに荷重を掛けたって、前輪が受け持てる
         ∨ \〈 K_;ソ r-‐く、  ~  _,イ / :: :: /     グリップの限界が上がるわけじゃない
          ヽ \ \  _ノ、   `ー─''"/// :: ::∨      グリップの限界を超えてしまったら、当然だけど
            ヘヽ < ̄         / ,.イj :: //        コーナリング能力が落ちる
             \, 〉、   ー       //  :/|/
               ∨> 、.      ,.イ |  ::/ /        そういう「前荷重」を掛けたコーナリングをしてるから
                 ヽ__>‐ '" _,,.ィ<ー‐ゝ、        ステアリングを必要以上に切る事になってしまう
                /:::/`T ̄ _,. <:::: ::: ::::ヘ         原因はスリップアングルが大きすぎるから
            _,.イ⌒:::: ://^ヽ /:::: ::: :: :: :: '":: ヘ
           /::: ::: :: : 〃   /::: ::: ::,,/::: :: :: :: :: ヘ      あともう一つ、ステアリング操作は基本的に抵抗
          /:::〈: : :: :: :: :| /::: ,,,;:: ::: ::: :: :: :::: ::: :::: :::\     ステアリングを切れば切るほど抵抗が増える
            /:: ::: \:: ::: :: |/::: /::: :: : : ::: ::: :: :::: ::: _,,,.:: :: 〉     だから立ち上がりも遅くなる







        ____
      /  ノ  ヽ\     
     /  (○)}liil{(○)   え”?そんなこと初めて聞いたお・・・・・
   /     (__人__) ヽ    まさか前荷重そのものが否定されるなんて、夢にも思っていなかったお
   |       |!!il|l|   |   
   \        lェェェl /   というと、巷で流れている「前に荷重を掛けて」だとか「タイヤをつぶして」とか
    /         ヽ    ソレって一体何なんだって話になるお
    しヽ        ト、ノ    
      |    __    |    ・・・そ、そうなると、コーナリングってどうやるのかお??
      !___ノ´  ヽ__丿







                           ---  _
                        ´          `  、      先程言った「タイヤのグリップを最大限使う」が答え
                   /                 \     何故ならブレーキングもコーナリングも
                     /                      ヽ    全てはタイヤのグリップで決まるから
                    /                           ',    
                /                            ',   どんなクルマでもそうだけど、タイヤグリップは
              l                           l   クルマが静止状態の重心位置において
                  l                      l        |   最大の力を発揮するように作られている
                  |       \    ヽ      /i  /  |. |   だったら、その状態で止めたり曲げたりするのが
                  |      \  |\   |ヘ    / |  /  /  l   一番効率的なのは明白
                 |.      ー‐|--\__|_ ヽ  /_,, |-/|´./ ト l
               ヘ   \   `⊥---.,-|、 ヽ /.セニTア| /  /.リ   でもクルマは常に動く、これが問題になる
              ,,ゝ--t  \ ヽ込zク   n ' nLzク. ,リ.  /    止まったり曲がったりするから、重心がずれる
         ,,, -..... ̄:::::::::::::::\  \ゝ ̄   ノ, ̄ 、___/ノ. /    重心がずれれば、当然タイヤグリップは落ちる
       /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\  l`===´  '   / ∧ /
     /::::::::::::::::::;;....-...一'´` ー 、\|ヽ、    -  .イ / ソ    ドライビングテクニックとは、ありとあらゆる状況で
    /:::::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::\:::::::ト .   .ィ´/|.} ./      この重心のずれを戻す一連の技術のこと
    ヽ::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`Y`l::::::| /、.リ|/      それがクルマを速く効率的に動かす最適解
     ヽ:::::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::_;;;-‐''´`ヽ:::}^ヽ:::/::::::)       
      >':::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/      \::::/::::::/l        口で言うのは簡単だけど、これはドライバー各々が
     /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ ,,, ---―――`---<:::::::ヽ        自身の感覚として身に付けなければ理解できない
     /::::::::::::::::::::::::::::::::::/          _ ,,⊥;;__::::}   , へ,
    ./:::::::::::::::::::::::::::::::::/、                 `ヽ, /=ヽ ヽ,、   まずはこの感覚を理解することから始めて
   /:::::::::::::::::::::::::::::::::/  ``ヽ、                ヽ  ヽヽ. ,、l   それはサーキットに行かなくても身に付く
  ./:::::::::::::::::::::::::::::::::/      `>、                     |. |<ン   身に付いたら、その先を教えてあげるから
  /:::::::::::::::::::::::::::::::::::i      /   `ヽ、             レ'

・・・ココに来てまさかのコペルニクス的転回である(笑)今までSオーナーからは色んな話を聞いてきたが、まさかワタクシの基本知識を根底から覆されるとは夢にも思っていなかったのである(^_^;)今更言うまでもない話であるが、やっぱアマチュア&ド素人のワタクシとじゃ住んでる世界が違いすぎるのである。ワタクシの心境を例えるなら、サルトル実存主義の講義を受けたサルみたいな気分なのである(爆)


*チューニングは誰のため?

 何ちゅーか、ワタクシの悪いクセもどうやら既にSオーナーには見破られているのである。理論や思考が先に行き過ぎていて、感覚や実技が全然追いついていない。身体が動かないのに知識だけは必要以上にあるから、その結果脳ミソと手足がギクシャクする。例えるなら、古いOSのパソコンで最新プログラムで組んだソフトを実行させるようなモンである(笑)今年度のオフシーズンの課題は、この思考と感覚の齟齬を埋めることである。まぁ今年は猛暑になるらしい→サーキット行っても車内で干からびてミイラになるだけなので(爆)エアコン効いた状況下でのんびりツーリングするのも一興であろう。


 何ちゅーか、こーゆー話を聞くと「チューニングって、実は上級者向けの技術なんじゃね?(´・_・`)」とか思っちゃうのである。チューニングって結局のトコはタイヤを最大限使いやすくするための技術→チューニングを受ける側がタイヤの使いこなせていなかったら、チューニングの結果良くなっているのか良くなっていないのかが分らないんだから本末転倒だって話である。掛け算九九を暗誦できないヤツに微分積分教えても理解できない&使いこなせないのと一緒である。今の日本のチューニング文化が不毛なのは、タイヤ云々よりも商売優先で「走りが良くなる、気持ちよくなる」って感じにオーナーを焚き付けてるからだと思うのである。何ちゅーか、チューニングカーに乗る事がステータスと化しているっちゅー感じである。


 チューニングとは、ノーマルのセッティングを最大限使える上手い人が、ソレ以上を求めて最後に取る手段→ヘタクソはチューニングよりも先に走り込めって話であるが(笑)ある意味ソコがチューニングの問題点だと思うのである。簡単な話である、自分がヘタである事を正直に認めるヤツは少ない。特にランエボ乗り&インプ乗り&GT-R乗りは「自分は日本最高のスポーツカーに乗ってるんだぞ<(`^´)>」という自負が強いから、自分がヘタだという事をまず認めたがらない。因みにソースはワタクシ(爆)そして「自分はノーマルじゃ満足できない上級者である」ということを示すためにチューニングをする。この3車種のチューニングパーツがやたら多いのは、つまりそーゆー事なんじゃないかと思えるのである。クルマがクルマであっても、素直にヘタである事を認めようと思った今日この頃であった。