アスペルガー医師ロンの日常

医師でもあり、アスペルガー症候群当事者でもあり、更には911GT3&ロードスター乗りでもあるワタクシのささやか(?)な日常

NOTHING’S SHOCKING

 ロンマニアの皆様、こんにちはm(_ _)m


「人間は笑い、かつ泣く唯一の動物である。なぜなら人間は、あるがままの事実と、あるべきはずの事実との相違に心を打たれる唯一の動物であるからだ」

By ウィリアム・ハズリット


 といった今日この頃、皆様はどうお過ごしでしょうか。


*至高にて究極の純正

 もしも「自分は07年モデルのR35オーナーなんですけど、保証が全切れしたんで弄りたいと思います。資金は300諭吉ほどありますが、まず何をすればいいですか?」と問われたらどうするか?ワタクシなら「その07年モデルを下取りして、足らない分はその300諭吉を頭金にして、現行モデルのR35を買いなさい」と答えるであろう(笑&マジな話)480馬力→550馬力と大幅にパワーアップしていて、チューニングも高い次元でバランスが取れていて、07年よりもオプションが豊富で、初期型の弱点は殆ど解決済みで、ノーマルだから(変な使い方しない限りは)まず壊れないし、しかも5年10万キロの保証もついている。例えば「1/1000秒を削り取るような本格的サーキットアタックマシンを作りたい」「結果はどうであれ弄るという行為が好き」だというのなら話は別だが、そうでなければ「3〜5年乗ったら最新型を乗り継ぐ」がR35というクルマにおける最高の選択だとワタクシは考えているのである。


 年改毎のパワーアップがパネェのもそうであるが、もう一つの問題は「ヘタに弄ると逆に悪くなるから」である。R35というクルマは純正で相当高いレベルまでチューンされてる→ちょっと弄っただけでバランスが崩れて、結果チューンダウンしちゃうってパターンが実に多いからである。足回り変えたらアンダー/オーバーの境目が厳しくなった、エアロ変えたら熱が逃げなくなってオーバーヒートし易くなった、ホイール変えたら乗り心地が悪くなった、ブーストアップしたらパワーバンドが狭くなって扱い難くなった等々。R35乗りにノーマル派が多いのはパーツ代が高いのもそうであるが、上記の「弄って失敗した」って報告が実に多いからである。本格的にチューンアップしようと思ったらホントに腕の立つチューニングショップに任せるか、あるいはオーナー自身に相当の知識や経験が無ければムリだっちゅー話であり、そーゆーショップやオーナーは指で数えられる程度しかいない。だったらノーマルが最良の選択だとワタクシは考えているのである。


 じゃあ何故他のクルマだと弄れば弄るほどパワーアップするのかといえば、答えは「コスト」と「マージン」である。ニッポンのスポーツカーの殆どが値段設定に制約(大体400諭吉以下)がある→コスト抑制目的の意図的なデチューンも少なくないからである。だからそのコストカットされた部分を値の張る良い部品に交換するだけでパワーアップするって話である。あとコストを下げた分アタマの悪いヤツでも買えちゃうようになるんで、そーゆーヤツが荒っぽく使っても壊れないようにマージンが必要以上に大きくなってる→そのマージンを削れば当然パワーアップするワケである。でもってR35はコスト抑制目的のデチューンが殆ど(特に主要部品は全く)無く、荒っぽく使うアタマが悪いヤツには買えない値段だからマージンも必要以上に取らない→逆にチューニングパーツの方がクォリティーが低い&マージンが少ないからパワーアップが難しいってワケである。だったら弄らないでおくのが最善の選択だとワタクシは考えているのである。


*続・富士山が呼んでいる

 さて話は変わって、先日の「左足=左前輪」「右足=右前輪」「ケツ左半分=左後輪」「ケツ右半分=右後輪」という感覚を掴みとった話の続きである。この感覚を上手く覚えておけば、4輪の接地状況が分かる→つまり「4輪を上手く使う=足とケツで感じるモンを同じにする」ってワケである。ソレが分かれば、あとは2本目の走行で色々試してみれば良いのである。でもって、コレが二本目の動画である:

足の感覚のが強くなった=つまり前のめりならブレーキを僅かに抜いて荷重を少し戻して、ケツと同じぐらいになったらまた深く踏んでいく。こうすればABSをムダに作動させる事無く、且つ奥までガッツリ踏んで減速Gを掛けられるようになるのである。コーナリングのタイミングも目視よりも足&ケツを優先して、ケツに良い感じに強く感じたらアクセルを徐々に開けて、アクセルで曲げていくようにするのである。課題はターンインで未だにスパッと曲がれていない事であるが、こっちは引き続き練習である(^_^;)あとはダンロップシケインで膨らむ事であるが、あそこは下り坂になってる→止まり難くアンダーが出やすいため、もう少し手前からブレーキを始めても良い希ガス


 あと走行後にブレーキパッドの具合とタイヤの空気圧(てゆーか窒素圧)計ってみたのであるが、パッドは前後均等に擦り減ってた&焼けてて、タイヤ圧は前後ともほぼ同じ。大成功である( v ̄▽ ̄)流石に涼しくなったとはいえ気温はまだ20℃以上→そのせいでエンジンパワーが出なかったのでタイムはイマイチであるが、ソレでもタイヤとブレーキの使い方についての自信が確信へ変わっただけでも収穫大である、バーチャルトレーニングも良いが、やっぱこーゆー原始的な感覚ってのは実車に乗らないと身に付かないモンであり、実車であれば街乗りでも十分練習出来る。オフシーズンの間、街乗りで感覚澄まして通勤したり、アキバ通ったりした甲斐があったってモンである(笑)次回はまだ未定であるが、そろそろツインリンクもてぎも第二のホームコースに据えたいトコである。


*2012年、最も熱いアイツ

 でもってココはFSWレーシングコース。殆ど国産スポーツしか来ないミニサーキットとは違い、毎回ホントに色んなクルマが集まってくるのである。今回は雑誌の取材であったが【ランボルギーニ・アヴェンタドール】が来ていた&一緒に走ったのだが、生で見るとアレは別格さ&非日常さを改めて思い知らされるである(^_^;)あともう一台は【ラディカルSR4-13】である。オーナーさんとも話をしてみたのであるが、やっぱサーキット走行を突き詰めた先にあるのがコレなのである。曰く「やっぱハコは何処まで行ってもハコ。ハコである限りムダが絶対に出る。だから限りなくムダの無いこのクルマに魅かれた」との事である。因みに重量は500kg台で馬力は250前後→パワーウェイトレシオ2点台という生粋のハードコアスポーツマシンなのであるから、その走りは推して知るべしである。結局サーキットを極めた先にはカートかフォーミュラか、あるいはこの類のハードコアスポーツに帰結するんだなとワタクシは確信した次第である。


 でも今回ワタクシが一番注目したのは、やっぱ今年世界で最も”熱い”スポーツカーである【トヨタ86】である。最初の予約組の納車が始まったであろうココ2〜3ヶ月の間で急激に増えてきたから「そろそろサーキットにもボチボチ現れるかなぁ〜( ̄▽ ̄)」と思ったら、マジで現れたのである。しかも1台だけでなく、4台である。ヒマな時間見つけてオーナーに話聞いてみた所、リアルな話もぼちぼち出るようになってきてるのである:

  • ドリフトマシンというイメージが先行してるけど、実際はドリフトにはあまり適してない。バランスが非常に良い→ケツが余り流れない&流れても簡単に戻っちゃうからだとか。
  • 86に最も適したステージは峠。アレぐらいタイトなコーナーの方が曲がってて気持ち良いとか。サーキットはミニサーキットが最適。レーシングコースは大き過ぎるとの事。
  • サーキット走る上じゃエンジン油温がネックになるから、ガンガン走りたいんだったらオイルクーラーは必須。エンジンオイル以外にも、86は熱が結構出るとの事。
  • ノーマルの足回りが非常に良くできているので、弄るのが難しいとか。だから足回りは安物ポン付けはダメ。弄るのなら経験豊富なショップと、高くてもシッカリした車高調を入れるべし。
  • 簡単に乗れる&乗りやすいけど、突き詰めようと思うと難しいクルマ。

あくまでサーキット来てる人達の感想であるが、まぁ86/BRZはホントに良く出来たクルマだとワタクシも評価するのである。決して高いクルマではないが、安いなら安いなりにコスパを可能な限り高めてあるのである。国産スポーツの殆どはコストの制約を受けてると書いたが、特にこのクルマはソレが非常に顕著である。が、コストを抑制した中でも徹底的に計算されて作ってあり、安い部品同士でバランスを取り合ってるのである。ワタクシはココにトヨタの本気を感じるのであり、オーナー達も「ニッポン中を退屈なクルマだらけにした主犯であるトヨタが、まさかココまでのピュアスポーツカーを作れるなんて考えもしなかった」と口を揃えて言っていたのが印象に残ってるのである。そろそろ86の”次”を見てみたい、そう思うのがワタクシだけでないと確信した今日この頃であった。