アスペルガー医師ロンの日常

医師でもあり、アスペルガー症候群当事者でもあり、更には911GT3&ロードスター乗りでもあるワタクシのささやか(?)な日常

ASSASSINATION

 ロンマニアの皆様、こんにちはm(_ _)m


「純粋な現在とは、未来を喰っていく過去の捉えがたい進行である。実を言えば、あらゆる知覚とはすでに記憶なのだ」

By 村上春樹


 といった今日この頃、皆様はどうお過ごしでしょうか。


*未来に生きる人々

 ココ一週間の話である。街を歩いてたら、2回ほど珍しいクルマを見てしまったのである。以前からニッポンにも導入されてたのは知っていたが、こうやって間近で【テスラ・モデルS】を見たのは初めてである。何ちゅーか、クルマ全体から「ベンツもBMWアウディもクソ喰らえだッ!俺は未来に生きてるんだッ!」ってオーラが半端ないのである(笑)写真で見るとちょっとアレだけど、近づいてみるとコレが中々悪くないのである。でもって蛇足であるが、ワタクシが見た2台とも、アメ車にしては珍しく右ハンドルだったのである。まぁこんなクルマ買う余裕のある人とインフラは先進国にしか無い→自ずとイギリスとオーストラリアとニッポンの比率が高くなるから、右ハンドルもシッカリ用意したってトコであろうか。

 でもってワタクシが思うに、コレ買った人は間違いなくクルマ好きである。ただステータスが欲しいだけなら、ベンツかロールスロイスフェラーリかポルシェ買った方が確実にウケが良いからである。1000諭吉前後する上に「テスラ?何ソレ美味いの?」って周囲に言われるんだから(笑)余程のクルマ好きでなければこのクルマは買わないし買えないのである。あとワタクシ実は電気自動車(以後EV)は嫌いじゃないのである。何だかんだ言ってクルマの未来はEVにあるんだから、やっぱ未来を見るのは楽しいのである。果たしてワタクシがジジイになる頃にはEVが主流になるのか、ワタクシがEVを所有する事になるのは何時なのか、興味は尽きないのである。


*オッサンのオッサンによるオッサンのための軽スポーツ

 ワタクシが以前S660を試乗して、その出来に失望したのはご存じの通りである。速度計上加速はしてるんだけど加速感は全く無く、アクセル全開にしても気持ち良く回らず、ソレどころか回せば回すほどガサツなエキゾースト音が響き渡る。エンジンを回すのが苦痛になるスポーツカーなんて、ワタクシが知る限りコレが初めてである(笑)でもって値段も乗り出し300諭吉弱と決して安くない。こんなん若者に売れるワケないと思ってたら、案の定【S660購入者の大半が50歳以上】なんだそうである(^_^;)スポーツカーってのは「若い頃に憧れる→中高年になって余裕ができてからやっと買う」の繰り返しで、今が80年代〜90年代に憧れてた若者が中高年になる頃だから、S660もソレに合わせたのであろう。



 じゃあどういう人がS660買うのかというと、ワタクシが聞いてきた話だと「この手の軽スポーツには熱狂的なファンが結構いて、その人達が記念に買う」んだそうである。ビートを2台所有(片方は実際乗る用、もう片方は共食い整備の部品取り用)してる人だとか、平成ABCトリオ(AZ-1、ビート、カプチーノ)を全部所有してる人だとか、そういうマニアって実は結構いて、そういう人が「今買っておかないと、またすぐに生産終了して買えなくなっちゃうから」って理由で買い足すんだそうである。初代NSXといい、S2000といい、ビートといい、ホンダはスポーツカーを大事にしない事はクルマ好きの間では有名なのであるが、ソレを逆手に取ったってワケである(笑)


 
 ただワタクシとしては、このやり方には賛同できない次第である( ̄〜 ̄)そうやって「1代限りで生産終了する→熱狂的なファンを待たせる→時間が経ったら復活→待たせたファンに少数高額で売って儲ける」って方法は確かに有効かも知れないけど、代を重ねれば重ねるほど劣化して先細る事が目に見えているからである。Sオーナーも言っていたが、クルマを育てるのは熟成なのである。長い間同じコンセプトを続けていかないと見えてこない長所や短所ってのが実は非常に多くて、ソレを克服していくからこそ強い個性が生まれて、値段や速さやカタログスペックじゃ測れない「そのクルマの味」ってのが出てくるのであるが、ホンダのこのやり方だと熟成もへったくれも無いからである。


*熟成って何ですか?

 ウチの”師匠”曰く「個性とはソイツが一番やり易いやり方を徹底的に煮詰めた先に出てくるモン」という事であるが、クルマについても同様の事が言えるとワタクシは考えてるのである。ポルシェ911のRRレイアウトや、コルベットV型8気筒OHVエンジン+リーフスプリングコイルが良い例であるが、徹底的に突き詰めた長所&ソレでも依然残る短所が一つに合わさって「そのクルマでなければ得られない”何か”」になってるのである。ソレさえあれば不況になっても、少しぐらいニュル北で遅くても、ブランドは揺るがないのである。よく雑誌なんかで「ニッポン車は安くて高性能なんだけど、深みが足りない」っていうのは、つまりこういう事なんじゃないかなと思うのである。



 だから今度出る新型NSXは楽しみなんだけど、同時に心配でもあるのである( ̄〜 ̄)コレを新しいホンダの象徴として新たに熟成させて、コルベット911に並ぶような一大ブランドを築き上げるのか、或いは初代NSXの熱狂的なファンや欧米のマニア向けに少数高額で売って終わりにするのか、どっちに転ぶのかが全く分からんからである。ワタクシはニッポン車好きでニッポン車を応援してるからこそ新型には期待したいのであるが、ソレ以上にワタクシはクルマを愛するクルマ好きなのである。売り切り上等のニッポン車に乗るぐらいだったら、ワタクシは裏切り者の十字架を背負いながら外車に乗る次第である(笑)さて今日も遅くなってしまったので、さっさと寝るに限る今日この頃であった。