アスペルガー医師ロンの日常

医師でもあり、アスペルガー症候群当事者でもあり、更には911GT3&ロードスター乗りでもあるワタクシのささやか(?)な日常

GODLESS PROPHETS & THE MIGRANT FLORA

 ロンマニアの皆様、こんにちはm(_ _)m


「会社が変化してくれると思ったら大間違い。自分が変化を起こす核になるべきなんです。それをさせてもらえない会社なら、さっさと辞めたほうがいいと思います。そうでないと、会社もそこで働く人も将来はないですから」

By 三木谷浩史


 といった今日この頃、皆様はどうお過ごしでしょうか。


*夢の対決(?)再び

 同じジャンルに同じようなモンが2つ以上あったらどうなるか?答えは当然「対決になる」である。クルマ界において特に有名なのは、10年以上に渡って繰り広げられたインプSTIランエボの対決であろう。毎年の様にフルモデルチェンジなりマイナーチェンジなりが加えられ、その度にメディアでサーキットにおけるラップタイムが計測され、読者やユーザーは「どっちが速いか」で口プロレスをおっ始める。R35の登場で「国産最速の座を争う」という大義名分を失って、更にはランエボの生産終了と共に終わってしまった2大ハイパワー4WDターボ対決だけど、また何時か観てみたいモンである。という風に「ライバルが居れば対決になる」というのは運命であり、避け様がないモンなのである。


 そう、よーするに「NSXが復活する」という事は、ソレ即ち「GT-Rと対決する」と同意義でもあるのである。ファンやメディアもソレを期待してる事は想像に難くないし、日産やホンダもそうなる事を当然想定しているであろう。でもってこの度、漸くその対決が実現したのである:

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     / || ̄ ̄|| ∧_∧
     |.....||__|| (     )  どうしてこうなった・・・
     | ̄ ̄\三⊂/ ̄ ̄ ̄/
     |    | ( ./     /


      ___
     / || ̄ ̄|| ∧_∧
     |.....||__|| ( ^ω^ )  どうしてこうなった!?
     | ̄ ̄\三⊂/ ̄ ̄ ̄/
     |    | ( ./     /



      ___ ♪ ∧__,∧.∩
     / || ̄ ̄|| r( ^ω^ )ノ  どうしてこうなった!
     |.....||__|| └‐、   レ´`ヽ   どうしてこうなった!
     | ̄ ̄\三  / ̄ ̄ ̄/ノ´` ♪
     |    | ( ./     /



      ___        ♪  ∩∧__,∧
     / || ̄ ̄||         _ ヽ( ^ω^ )7  どうしてこうなった!
     |.....||__||         /`ヽJ   ,‐┘   どうしてこうなった!
     | ̄ ̄\三  / ̄ ̄ ̄/  ´`ヽ、_  ノ
     |    | ( ./     /      `) ) ♪ 


・・・というのがワタクシの正直な感想である(笑)まぁR35NISMOが勝つ事までは予想してたけど、流石にNSXの挙動が酷過ぎるのである(´ヘ`;)黒澤元治氏と水野和敏氏が指摘していたNSXの欠点が、モロにこの動画に出てきてるのである:

  • 攻め込むとリアが暴れる → リアサスのストロークが足らないから、後輪のメカニカルグリップが弱い
  • ブレーキが甘い → ブレーキバランスが前輪寄り過ぎるから、すぐにロックしちゃう
  • 突っ込めない → フロントの剛性が足らないから
  • 電子制御が異様に介入する → バカでも安全に運転できるようにマージンを大きく取ってて、安全にアンダーになるようにしている
  • アンダーが出易い → 安全第一でわざとそういう味付けにしてある。

よーするに「熟成不足」って事である。熟成ってのはクルマそのものもそうだけど、客層もである。結局どういう層がこのクルマを乗るかが分かってないから、浅く広く対応できるように安全第一のセッティングになっているのである。クルマに歴史が重要なのは、つまりそういう事なのである。


 あとワタクシ的に一番気になったのは「電子制御を利かせないようにして走らなきゃならない」って点である。ソコんトコも、やはり歴史のある欧米スーパースポーツとの違いなのである。欧米のソレは何から何までシッカリ熟成してあるから挙動が破綻し難いし、挙動が破綻しても滑らかにドリフトしていくのである。破綻が滑らかだから電子制御の介入も最小限で済むし、最小限で済むから違和感も起こり難いしタイムへの影響も少ない。だから「少しぐらいなら滑っても大丈夫だから、踏んでいこう(^-^)」って気持ちにさせるのである。この手のパワーがあり過ぎるスーパースポーツで「挙動が破綻したら怖い&遅いから踏んでいけない(>_<)」って感じるのは大きなマイナスポイントなのである。


*9年の長

 何故R35NISMOが安定してるのかって、ソコんトコを9年という歴史の中で煮詰め切ったからである。R35も最初に出た頃はやっぱマージンを浅く広く取り過ぎたトコがあり、ソレが不自然さとして所々に出てきてたのであるが、ソレを幾度となく繰り返されたニュル北開発で徐々にマージンを詰めていったのである。だからドライバーも安心してレイトブレーキングで突っ込めるし、突っ込んだ後も挙動が安定しているのである。確かにマシンの素性としてはNSXのがR35よりも優れてるのであるが、この熟成の度合いが速さや安定感に繋がってるのである。ポルシェ911なんかが正にソレであるが、RRという理に適っていないレイアウトをしてながらも速くて安定してるのは、そのン十年という長い歴史が生み出した熟成ゆえである。


 あと中谷氏が散々言ってた「アンダーが強い、アンダーが強い」ってのも、実はカラクリがあるのである。ワタクシも年度は違えどR35NISMOオーナーなので、この現象は既に実体験済みである。何故アンダーが出てくるかって、答えは「前輪のホイールが素と違うから」である。素R35のフロントホイールのリム幅は9.5Jなのであるが、NISMOのホイールは10Jで引っ張りタイヤ気味にタイヤを履かせているのであり、コレがアンダーステアの正体なのである:

ホイールのリム幅を増やす事によってタイヤショルダーの剛性が上がる

そうする事によりステアリングをスパッと切った時の反応性が上がる

ショルダーの接地は上がるけど、その代わりタイヤ中心部の接地力は下がってしまう

大きなコーナーを曲がろうとすると前輪にも荷重が掛かり、フロントタイヤ中心部のグリップに頼る事になる

フロントタイヤのグリップがリアに負けてしまい、踏んでいくとプッシュアンダーになってしまう

( ゚Д゚)マズー

・・・という事である。だからワタクシはR35で走る時はココまで追い込む事はせず、敢えて余裕を持たせてニュートラルステアコーナリングを心掛けているのであるが、コレだとタイムが出難いのである(^_^;)もっとフロントタイヤを苛めるつもりでガッツリ荷重をかけていく&パワーオーバーで曲げるようにすればタイムは出るんだろうけど、ご存じのようにR35のタイヤは高いのである(笑)


 あとSオーナーも似たような事を言っていたのだが、今のR35のレイアウトではココまでが限界なのである。コレ以上速く、しかも理に適ったように走らせるには、もうフルモデルチェンジしか方法は無いとの事である。ちゅーのもR35ってのは実はコストを下げるための妥協が少なからずあり、その妥協の為に”コレ以上は煮詰められない”って部分も結構あるのである。スカイラインと構造を同じくしたサスジオメトリーとか、他の日産車と同じようなPCD114.3とM12径のハブボルトなんかがソレである。だから専用設計でコストアップを覚悟の上で専用設計なトコを増やせれば、更に安定した上で速くなるとの事である。R36が出るのかどうかは現段階では分からんのだが、出るとしたらこういう部分が煮詰められるのかなとワタクシは思うのである。


*国産スポーツ新時代?

 まぁ何はともあれ、またNSXGT-Rのバトルが観れて、ワタクシ的には満足といったトコである(^-^)ホンダが余程のバカでない限りはNSXはコレから熟成が進んでより速くより楽しくなるだろうし、日産も余程バカでない限りはR36を出して更に進化してくるだろうと思うのである。あとレクサスが【このクラスのスーパースポーツ】を出すとか出さないとか言われているが、是非とも出してほしい次第である。その方が絶対業界が盛り上がるし、観てる方も楽しいからである。あとワタクシは一応買う側でもあるので、選択肢が増える事は素晴らしい事なのである(笑)まぁ会社の体力的な面を考えると日産とホンダとレクサスにしかスーパースポーツは作れんだろうけど、ゼロか1社よりは遥かにマシなのである。


 ただ今回の対決で、分かった事が一つあるのである。ソレは「今後国産スポーツの世界は二極化するだろう」という事である。今も既にそうなりつつあるけど、国産スポーツカー(及びスポーツグレード)は700諭吉以上か300諭吉以下のどっちかであり、かつては国産スポーツの中心だったその真ん中がポッカリ開いちゃってるのである(^_^;)昔はあんなに沢山あった300〜700諭吉の国産スポ車って、ワタクシの知る限りだと現行ではVABとZ34ぐらいしか見当たらなくなってしまったのである。まぁ世の中も二極化してる&世の中この流れは当分続きそうだから、あの古き良き時代は残念ながらもう戻ってこないんだと思った方が良いであろう。さてもう遅くなってしまったので、さっさとお暇するに限る今日この頃であった。