アスペルガー医師ロンの日常

医師でもあり、アスペルガー症候群当事者でもあり、更には911GT3&ロードスター乗りでもあるワタクシのささやか(?)な日常

TERRA DAMNATA

 ロンマニアの皆様、こんにちはm(_ _)m


「モノの価値というのは、良い悪いじゃありません。高い安いでもありません。大切なのは、飽きるか飽きないかです」

By 永六輔


 といった今日この頃、皆様はどうお過ごしでしょうか。


*洋の深み

 外車と国産車の一番の違いは何か?ワタクシの答えは「奥の深さ」である。何せニッポン人が「乗り物=籠か馬」って認識しか無かった1769年に欧州では世界初のクルマが誕生してたのだから、その歴史の差がモロに出てるのである。特にスポーツカーなんかが一番分かり易いのだが、外車のソレってスペック的な部分が凄いのは言うまでも無く、スペック外のトコも良く出来てるのである。この手のクルマ好きがホントに求めてるモンをちゃんと取捨選択して、ピンポイントにシッカリとツボを押さえてくる、そのセンスが抜群に良いのである。国産車は性能とか信頼性は抜群なのだけど、どうしてもソコのセンスがやや負けてるのである。ココ一番で欲しいモンが足らなかったり、或いはその反対だったりとかである。


 ワタクシが洋ゲーやって特に感心するのは、やっぱクルマ同様に奥の深さである。昔のショボかった時代とは違って、今の洋ゲーってのはハリウッドとかからの人材も多く入って来てるから、ソレがゲーム作りに活かされてるのである。特に最近感心したのが、ワタクシが今プレイしている「ウォッチドッグス2」のソレである。ゲーム内の仲間キャラに発達障害のキャラクターが居るのだが、ソレがリアル発達当事者のワタクシがビックリするぐらいリアルに描写されてるのである:

比喩表現を理解できない、ワンテンポ遅れて会話に入ってこようとする、質問者が求めていない回答をする等々、発達障害のテンプレとも言えるソレが出てくるのはまだ序の口。ワタクシが感心したのが、ゲーム中のこのやり取りである:

発達キャラがとあるミスを起こす

恐らくフラッシュバックによるモンと思われる恐慌反応を起こし、パニック状態に陥る

すかさず主人公が「確かにお前のミスだけど、でもお前じゃなきゃ早期発見できなかった」とフォローする

更に主人公が「まだ巻き返しも出来るから、だから大丈夫だ」と付け加える

発達キャラが落ち着く

(゚д゚)ウマー

というシーンである。発達障害の描き方だけでなく、そのフォローもすんごい的確なのである。ワタクシもそうだけど、発達って「大丈夫だ、大丈夫ッ!」って言われると余計に不安になるのである。何故かと言えば、何が大丈夫なのかが分からないからである。だから主人公が「なぜ大丈夫なのか」を具体的に言う事によって、発達キャラを落ち着かせているのである。こういうのって、ライターが発達障害の事を理解してなけりゃ絶対に書けない話である。しかもコレ、クライマックスでも何でもなく、イベントの何気ない一幕である。こういうトコに、ワタクシは洋ゲーの奥深さを感じるのである。


*和と洋を別つモノ

 ワタクシは今まで色んな和ゲーをやってきたけど、リアリティを以って病気や障害を描いた作品は殆ど見た事が無いのである。大体が病気っていうと「QOLが低い、命が危険」のレベルでしか描いておらず、大体が死を用いた感動要員だったりするのである(笑)もうこの際だからハッキリ言うが、和ゲーのシナリオって子供騙しなのである。無論、和ゲーが子供をも購買層にしてる事は百も承知だけど、子供向けだからと言って細かいリアリティーを省略して良いかと言ったら当然ノーである、そう、子供騙しと子供向けは全く違うシロモノなのであるが、ソコんトコを分かってないライターが実に多いのである┐( ̄ヘ ̄)┌だから今の為体になって、世界でのシェアを奪われまくってるのである。


 という内容を要約してTwitterに投稿したのであるが、コレがソレなりに盛り上がってしまったのである(^_^;)まぁ細かい事は【件のツイート】にあるから敢えて省略するが、でも何ちゅーか、ニッポン人が洋楽や洋画や外車に抱くような、言うならば「洋ゲーアレルギー」みたいなモンが存在するんじゃないかともワタクシは感じられたのである。異文化に対する得体の知れない不安感というか、ナチュラルに上から目線な西欧文化に対する反発というか、慣れ親しんだ自国文化に対する愛国心故の反応というか、やっぱ”洋ゲーage、和ゲーsage”なモノの言い方は少なからぬ反発を招くのであろうとワタクシは思うのである。ワタクシはてっきり国内ゲームクリエイターも口を揃えて同じ事言ってる→共通認識だと思ってたのだが、そうではないっぽいのである(^_^;)



 因みにワタクシは家庭環境上の都合でガキの頃から和モノ洋モノ隔たり無く接していた事や、海外移住の経験もある事があるんだろうけど、基本的に和と洋を分けて考える事は無いのである。ワタクシにとって重要なのは「ソレが良いか否か」であり、モノにアイデンティティーを投影する事は殆ど無いのである。ワタクシが洋ゲーを好んでいるのもニッポンやニッポン人やニッポン文化を貶したいという意図は全く無く、単純に洋ゲーのがより面白くて奥が深いからである。第一、ワタクシは元々和ゲー出身なのだから、出身地を裏切るような事はしないのである。抑々ホントに和ゲーが嫌いだったら、ツイッターで「和ゲーは子供騙し」なんて書いて投稿するだけ時間と労力のムダである。愛の反対は憎しみではなく、無関心なのである。


*和ゲーがこの先生きこのこるには

 そ、ワタクシは和ゲー界に対する叱咤激励の意味を込めて「和ゲーは子供騙し」と言ったのである。ワタクシが言うまでも無いと思うが、和ゲーはこのまま行ったら緩やかに衰退していくだけだからである。少子化が進んで人口が減りつつあるニッポンという国で、ソコに特化した作品を作る。何をどう考えたってお先真っ暗なのは一目瞭然である。でもってPS4の時代になってから更に、洋ゲーは確実にニッポン市場に定着していっている。ただでさえ減ってるパイをソシャゲや洋ゲー勢と取り合う事になるんだから、マジでどーすんだって話である('〜`;)ぶっちゃけた話、ワタクシは和ゲーが無くなっても別に問題無いのであるが、流石の洋ゲー萌え要素まではカバーしきれてないって話である(笑)


 というワケで、ワタクシは決して和ゲーをバカにしてるワケではないのである。確かに和ゲーにも名作はあるが、その和ゲーの名作が1本登場する間に洋ゲーの名作は10本ぐらい登場していて、自ずとそっちに時間を取られてしまうんだって話である。和ゲーの希望の星であるFF15が開発開始されて実際に発売されるまでの間、GTAは2作、TESも2作、FOも2作発売され、そしてFF16が発売されるまでにはさらに多くの名作洋ゲーが発売されて間を埋め尽くしてしまうのは想像に難くないのである。ワタクシは前々から言ってるけど、和ゲーは劣っているのではなく、遅れているのであり、その遅れさえ何とかなれば和ゲーも復活できる。そういう未来を信じて止まない今日この頃であった。