アスペルガー医師ロンの日常

医師でもあり、アスペルガー症候群当事者でもあり、更には911GT3&ロードスター乗りでもあるワタクシのささやか(?)な日常

ROBOT HIVE/EXODUS

 ロンマニアの皆様、こんにちはm(_ _)m


「早起きして、新聞を読むことは、現実主義的な朝の祈りである」

By ゲオルク・ヴィルヘルム・フリードリヒ・ヘーゲル


 といった今日この頃、皆様はどうお過ごしでしょうか。


*プロ当事者たちの黄昏

 プロ当事者。ワタクシが勝手に作った言葉であるが、どんだけ普及してるのかを検索エンジンで調べたのだが、今も昔も【コレしか引っかからない】のである(笑)まぁコレについては以前言ったと思うのだが「当事者性が何の役にも立たないとは言わないけど、ソコに書いてあるように当事者性でメシを食えるようになれるヤツは全体の何%?」ってトコである。言っちゃなんだが、1%も居れば御の字なのではないであろうか。だが就職して本業を持つのならば、上手く行けば50%ぐらいは何とかなるんじゃないかとワタクシは睨んでるのである。繰り返し言うが、ワタクシは当事者性でメシを食ったり成功者になろうとする事を否定はしないのである。ただ単に「ソレを本業として追及するのは割に合わない」って言ってるだけである。


 かく言うワタクシも、ココ数年この手の発達障害の講演に呼ばれていないのである(^_^;)当初の予定では「講演料でフェラーリ、印税でランボルギーニ」だったのであるが、どうやら若干修正が必要みたいである(笑)ワタクシが自分で言うのもアレであるが、ワタクシは耳当たりの良い希望論は嫌いなのである。発達障害関係のイベントで耳当たりの良い事だけ言ってムダに希望を持たせて、でも希望だけじゃ何も解決しないから徐々に絶望に変わっていって、また希望を得るために耳当たりの良い事を言ってくれる発達障害関係のイベントに参加して、以後無限ループ。ワタクシが今まで何度も目にしてきた光景である:

そんな中で「発達障害者に優れた才能があろうとも、ソレが顕現して実力と結果として形に出なけりゃ意味がない。先ずは出来る事をやって可能な限り自立しろ。夢やら希望やら理想やらは、その後で何とでもなる」とか言ってるから、この手の講演に呼ばれなくなっちゃったんじゃないかと思うのである(笑)言っちゃなんだが、発達界隈はルサンチマンが決して少なくなく、ワタクシみたいなソレなりに自立に成功してる当事者は一種の厄介モンなのである( ̄〜 ̄)


*究極の理想主義者とは

 究極の理想主義者とは、徹底した現実主義者の事。他の人は知らんが、ワタクシはそう考えてる次第である。夢だとか理想だとかってのは、目の前にある現実問題を一つずつ解決し続けた人間が、気が付いたら何時の間にか達成してしまうシロモノなのである。だから講演の度にワタクシは「”こうしたい、ああしたい”っていう理想があるのは分かるけど、先ずは自立した社会人になる事から始めましょう」って言うのである。言葉において大事なのは論理的に正しいか否かよりも、説得力があるか否かである。言葉に説得力を持たすために必要なのが自立であり、本業なのである。年収2000諭吉のエリートと、年収ゼロのニート、どっちの言葉に重みや説得力があるのか、最早言うまでもないであろう(笑)力なき正義は無力なりなのである。


 こう書くと大概「じゃあ立ち上がりたくても立てない人はどうするんだ?!」と言われてしまうが、ワタクシの答えは「ワタクシにソコまでカバーする余裕は無い」である。ワタクシにビル・ゲイツほどのカネや影響力があるのなら話は別だけど、生憎ワタクシにそんなモンは無いのである。まぁあったとしても、真っ先にクルマに使っちまうであろうが(笑)あとワタクシも何だかんだ言って未だ発展途上で問題が山積みなので、他人を助ける余裕には限りがあるのである。前に進もうとして足取りがフラついてる人に肩を貸すぐらいの余裕はあるが、前に進む気も立つ気もないヤツを背負って歩く余裕なんて無いのである。あと前に進みたがってる人を助けると後々良い事があるけど、そうでないヤツをムリヤリ助けたってロクな事にはならんのである。



 そう、助け合いだとか横の連携だとかっていうのは、互いに前へ進みたい人同士で行うからこそ意味があるのである。決して少なくない自らの犠牲が、他人の元で大きく花開いて有意義なモンへと変わる。そういう確信が持てるからこそ、互いに困った時に肩を貸し合えるのである。ソレを「生き辛いから仕方がない」「可哀想だから助けて」とか言われても、慈悲には限界があるってモンである( ̄〜 ̄)酷いのになると「成功した当事者の話は参考にならないから、話半分で聞くように」などと言いだすヤツも居るんだから、ホントこの発達障害界隈は色々と面倒臭いのである┐(´д`)┌テメェのケツはテメェで拭く、足の先から頭の天辺までルサンチマンに浸かってしまうと、こういう当たり前の事までも分かんなくなってしまうんだろうなと思うのである。


 だからワタクシはビル・ゲイツウォーレン・バフェットみたいなカネも影響力も必要以上にある人間以外が「同じ発達仲間を全員助けたいッ!」って言っても、ソレを全く信用していないのである。でもって言っちゃ悪いが、そういう事を言うヤツに限って、無職だったりニートだったりするのである( ̄〜 ̄)多分「プロ当事者として皆を救うヒーローになれれば、人生一発逆転あるかもッ!」って考えなんだろうけど、ハッキリ言って宝くじ一等賞を当てるよりも遥かに可能性は低いのである。だったらマジメに就職して、目の前の一人を確実に助ける。遠回りに見えるけど、コレが一番確実な方法なのである。繰り返し言うが、理想ってのは積み重ねられた現実の事なのである。


*所詮この世は弱肉強食、強ければ生き弱ければ死ぬ

 上記のサブタイはとある古人の言葉であるが(笑)ホントその通りだとワタクシも思うのである。時代の流れと共に”人権”とか”平等”とか”博愛”という各論が色々付属するようになってきたけど、総論である”弱肉強食”は古今東西、不変で普遍なのである。でもってワタクシは、コレも発達障害の世界においても当てはまると考えているのである。弱い人々を甘い言葉で誘惑して扇動して、権力を握った途端に前の政権以上の独裁と搾取が始まる。南米とか中東とかアフリカとかの発展途上国でよくある光景が、そのままではないにしろ”弱い”発達障害当事者や家族や支援者の身に降りかかる。現にワタクシは昔、発達障害関係の発表会で憲法九条Tシャツ着てたヤツとリアルで遭遇した事あるから、決して夢物語ではないのである(爆)



 当たり前の話であるが、悪意のあるヤツに対して「私は発達障害なんです。生き辛くて可哀想なんだから襲わないで下さいお願いします(;´Д`)」なんて言い分が通るワケが無いのである。サバンナに足を怪我したシマウマが居たら、ライオンは真っ先にソイツを襲う事であろう。でもってソコで「世の中間違ってるッ!」って叫んだトコで、ハイそうですかって世の中が変わるのかって話である。変わらんだろうし、変わるにしてもン十年、ン百年後の話になるであろう。だったら助かるためには、こっちが”強く”なるのが一番手っ取り早くて確実な方法なのである。世の中を変えるのは、強くなった後にやればいいのである。大層な理想よりも、目の前の現実、その考えに変わりはない今日この頃であった。