アスペルガー医師ロンの日常

医師でもあり、アスペルガー症候群当事者でもあり、更には911GT3&ロードスター乗りでもあるワタクシのささやか(?)な日常

GROUP THERAPY

 ロンマニアの皆様、こんにちはm(_ _)m


「人々は愛によって生きている。だが、自己に対する愛は死の初めであり、神と万人に対する愛は生の初めである」

By レフ・ニコラエヴィチ・トルストイ


 といった今日この頃、皆様はどうお過ごしでしょうか。


パワハラ人間の特徴

 今に始まった事ではないが、最近ニッポンじゃパワハラ絡みのニュースが色々起こってるのである。ワタクシも身内にそういうパワハラ気質なヤツが居た&実際にパワハラ上司の下で働いた事があるから分かるのであるが、パワハラするようなヤツってとある一つの共通点があるのである。ソレは「強烈なコンプレックスを抱えている」という事である。生まれ育った家庭環境などの様々な要因で自己肯定感が育まれなくて、故に自分自身が大嫌いで、皆にチヤホヤされる「理想の自分」を脳裏に描いてソレを目指して精進する。コレが適度ならば丁度良い人生のスパイスなのであるが、コレが強烈過ぎると「理想の自分」と「現実の自分」のギャップが大きくなり過ぎて、後者を受け入れられずに心を病んでしまうのである。


 そして現実を受け入れられない心は「俺はホントは凄いんだ」「俺の凄さが分からない周りがバカなんだ」「俺の考えを受け入れられない世の中は間違ってる」って妄想に走るようになって、コレが所謂”自己愛性人格障害”ってヤツの正体である。自己愛のヤツは一見自信満々に見えるけど、ソレはテメェの強烈なコンプレックスの裏返しなのである:

こういうヤツが過度な根性主義に走って自分を追い込んだり、過度にエネルギッシュに自己啓発を行ったりするのも、つまりそういう事である。自分に自信が無いから「もっともっと凄くなりたいッ!」って願望が強いし、自分自身が大嫌いだから身体を壊すような事を厭わないのである。コレが適度であるならば、繰り返し言うが人生のスパイスなのである。自己愛が問題なのは、コレが過剰だからである。


*成功という名の神

 でもってこういうヤツが運良く(?)何らかの形で成功を掴むと、強烈な劣等感が強烈な自尊心に変身するのである。成功が自尊心に繋がるのはフツーの人でも良くある話であるが、自己愛の場合はソレが過剰になるのである。自己愛の場合、その成功体験は自らを”神”とする宗教に変わってしまうのである。自己愛の持つ「俺は凄い。愚かなのは他のヤツ等や社会の方」という妄想が確信を超えて宗教経典となり、最早誰にも否定できないようになってしまうのである。でもってその成功が組織内での出世だとか場合はそのままパワハラ上司になってしまうし、起業における成功だった場合はブラック企業のシャッチョになってしまうのである。だからこの手の連中には一般的な常識だとか良心だとかが通用しないのである。




 何故ブラック企業のシャッチョはやたらと人生やら哲学やら社会やらを語りたがるかってのは、つまりそういう事なのである。自分という”神”が語る”世界の真理”を一人でも多くの人に知って欲しい、自分の様なコンプレックス塗れで自分自身を見失ってる人を救いたい、冗談抜きでそういう動機なのである。本音の本音は「俺様を崇めよ称えよ」なのであるが、ソレが自己愛と成功体験で歪められて、正当化され大義名分を得てしまったのである。何せ”宗教”なんだから心変わりを期待する事なんて出来ないし、論破は尚更ムリな話なのである。更に言えば”神”に人間の作った法律は適応されないんだから、順法精神を訴ええてもムダなのである。繰り返し言うが、相手は自分を他の人と同じ人間だとは思っていないのである。


 そういうヤツに当たってしまったらどうすれば良いかって、答えは「逃げる」である。ソイツが中間職だったら所長に被害を(できれば証拠付きで)訴えて、ソイツが役員だった場合はシャッチョに被害を訴えて、ソイツがシャッチョだった場合は素直に退職すべきなのである。繰り返し言うが、テメェを”神”と思ってるヤツ相手には話し合いも常識も良心の呵責も通用しないのである。速やかに距離を置いて、必要ならば弁護士なり何なりを用意するべきなのである。ワタクシも上記の身内や上司と対峙した時もそんな感じに距離を置いて、その上「近づいてきたらブッ頃すッ!こっちだって法律も常識も良心もクソ喰らえだッ!」的な事を言ったら引っ込んだのである。その手のヤツの根本にはやっぱ自身の無さがあるので、こっちも凛として立ち向かえば意外と引くのである。


*神の終末

 でもってその身内や上司はどうなったかといえば、上司の方は「どっか行っちゃった」である。話を聞いてみたらやっぱ頑固過ぎる性格ゆえに色んなトコで揉め事起こして、その度にお偉方の間で問題になって、その度ソイツが「こんなトコはこっちから出ってってやるッ!」って辞めてを繰り返してるらしいのである。今何処に居るかは知らんが、知ったトコでブログのネタにはならんのでパスである(笑)でもって身内の方であるが、亡くなってしまった次第である。病気だったんだけど本人は頑なにソレを認めたくなくて、遂に足腰立たなくなって気合でどうにもならなくなってから現実を受け入れた時にはもう手遅れで、一週間ほど現実に打ちひしがれながら亡くなったんだそうである。ワタクシは見舞いにも行ってないので、ソコんトコ詳しくは分からんのである。


 でもって驚くべき事は、ワタクシが今の今に至るまで独身だったにも関わらず、ソイツ等は2人とも結婚して子供も孫も居た事である(笑)コレは何故ブラック企業があれこれ言われながらも中々廃れないのかと一緒であり、やっぱ自分に自信の無いヤツ、自分自身の考えの無いヤツ、気が小さくて自己主張できないヤツにとって、そういう自己愛的な成功者って眩しく見えるんだそうである。どっちも根本に抱えたモンが一緒だから、意識的or無意識的に共感し共鳴してしまうんだそうである。先日も述べたけど、才能や環境や実力が無いヤツってのは概して自己嫌悪に陥り易く、そういうヤツにとって根性と努力は唯一の救いなのである。さてこんな面白くない話を延々とするのもアレなので(爆)さっさと〆るに限る今日この頃であった。