アスペルガー医師ロンの日常

医師でもあり、アスペルガー症候群当事者でもあり、更には911GT3&ロードスター乗りでもあるワタクシのささやか(?)な日常

KODAMA

 ロンマニアの皆様、こんにちはm(_ _)m

「みんなの手本であるからには、ネガティブであってはいけない」
By マイケル・ジョーダン

 といった今日この頃、皆様はどうお過ごしでしょうか。


*就労がもたらす良循環
 ワタクシがアスペルガー症候群(現自閉症スペクトラム障害)と診断されたのが12年前で、当初は専門家しか知らなかったこの障害名も数年前に発達障害ブームが起こって一気にメジャーになり、ブームが下火になって今に至るって感じである。そのブームがあったお陰か発達障害当事者の進学率や就職率も年々上昇していって、同じ当事者としても嬉しい限りである(^-^)無論、就職したらしたで職場における困難が色々あるし、就労率に比例して離職率もアップするといった事もあるし、問題は山積みである(^_^;)が、コレも就労者の母数が増えてくれば徐々に解決していくとワタクシは考えているのである。


【LITALICO仕事ナビ】就労移行支援って何するの?通うとどうなる?

精神障害・発達障害の方に特化した就労移行支援事業所 平塚 横須賀 一般社団法人ペガサス

 ちゅーのも就労する当事者が増えれば増えるほど色んな支援業者が参入してサポートするようになるだろうし、当事者同士でSNS等を介したノウハウやライフハックの蓄積も行われるだろうし、企業側も当事者の扱い方が分かってくるようになるだろうからである。つまり当事者が就労を目指せば目指すほどに各種フィードバックが積み重なって、次に就労する当事者が楽になっていくのである。そう発達当事者の就労ってのは「インフラが整ってから行うモン」ではなく「自分達でインフラを作っていくモン」なのである。ネガティブなヤツはそう考えないっぽいのであるが、ワタクシは基本ポジティブシンキングなんで、リスク上等で挑んでしまう次第である。

*ネガティブな界隈
 でもってこの12年で何が変わったかと言えば、発達当事者や家族や支援者の界隈と距離を置くようになったという事である。ワタクシが離れたというよりかは、気が付いたら離れてたってのが正しいであろう。何が一番合わなかったかって、界隈が抱えるネガティブさが合わなかったのである。ワタクシもそうだったから分かるのであるが、やっぱ殆どの当事者は健常者社会で様々な苦労や挫折や迫害を受けていて、逃げるように界隈に転がり込んできたって感じなのである。だから自分自身に対する劣等感、健常者に対する憤怒、社会に対する怨恨、上手くやってる人に対する嫉妬、そしてそういうネガティブな気持ちを払拭するためのルサンチマンなど、多かれ少なかれそういった感情を持っているのである。

 でも残念な事に、そのネガティブな感情が望む形で解決する事は無いのである。だからそういう気持ちは昇華させるか、或いは「コレばっかりは運が悪かったと思って諦めるっきゃない」って割り切るかのどっちかしかないのである。でもその2つが出来ないと、ネガティブな感情は様々な形を噴出してしまうのである。承認要求が肥大する、上手く行ってる他当事者の足を引っ張る、自分の意見に妥協できなくなる等々。そして発達界隈の微温湯の中でしか生きられなくなってしまう当事者も出てくるのである:

界隈の中でしか生きられない人 界隈の外でも生きてける人
作業所や当事者会や講演会などの各種イベントが活動範囲 学校や職場、及び職業訓練施設などが活動範囲
健常者との付き合いは家族か支援者か理解者のみ 支援者や理解者以外とも幅広く健常者と交流する
同じ生活圏に居るため、メンバー間の結束や一体感が重要視される 生活圏が基本的に違うため、結束や一体感はあまり重要視されない
界隈を守る事が何よりも大事 界隈はあって損する事は無いけど、無くても別に構わない
実は社会と協調する気はあんま無い 社会との協調は最優先課題
金銭的にも精神的にも余裕は少ない 金銭的にも精神的にも余裕はソレなりにある
生活は楽で結構ヒマ 色々と忙しく各種負担も少なくない

じゃあ界隈の中でずっと居れば心が安らぐのかと言われたら、答えはノーである。ネガティブな感情云々に加え、深まっていく社会との乖離や将来における経済面の不安とかもあるから、界隈住人の余裕って殆ど無いのである。だから些細な事ですぐに言い争いになるし、思ってもなかった揉め事に巻き込まれたりもするのである。励ますために的確なアドバイスをしたつもりが、何故か恨みを買ってしまうなんてのもザラなのである(-ω-;)

 でもってそういう人等が望んでるのは「我々は社会の犠牲になった可哀想な人間なんだから社会の方から理解して歩み寄ってくれ。じゃなきゃ一生養ってくれ」なのである。ワタクシはそういうのは違うと思ってるからこそ、この界隈から距離を置いてるのである。でもって周りを見てみると、ワタクシと同様に社会に出れた発達当事者の多くは界隈と距離を置いて、健常者社会に生き健常者社会を中心に人間関係諸々を築いちゃってるのである。そう、ワタクシが望んでいるのは「発達界隈が無くなる事」なのである。デブ界隈やチビ界隈やハゲ界隈や近眼界隈が存在しないのと同様(笑)発達障害が個性の一つになれば界隈も必要無くなるとワタクシは考えているのである。

*脱界隈のススメ
 そう、界隈から距離は置いているとはいえ、ワタクシは別に発達障害の支援を止めたワケではないのである。就労したがってる人やキャリアアップを目指す人、そういう人をメインに支援していきたいと思ってる次第である。だからこのブログを通じて「発達障害だけど仕事できてるし、サバゲーもクルマも楽しんじゃってるし、人生エンジョイしたいならワタクシみたいになろうぜ~(* ̄▽ ̄*)」ってアピールしてるのである(笑)無論就労を介して直接人の役に立つ&税金で間接的に他人を助ける事も重要なので、そちらの方も合わせてオススメしてる次第である。ワタクシはこの方が気楽だし、何よりポジティブなのである。


昼休みの12分でポジティブになれる方法

 無論、このやり方だと少数のやる気満々の当事者しか上手く行かないだろうけど、ワタクシはソレでも構わないと考えてる次第である。上記にもあるように、先ずは母数を増やす事が先だからである。母数が増えればノウハウのフィードバックが多くなるし、色んな分野のスペシャリストの助言や助力を受ける機会が増えるからである。一回1~2諭吉ほどの講演料を細目に稼いだり、一般ウケしない本の印税で細々と稼ぐよっかは、出世のノウハウを蓄積してビッグビジネスでガッツリ儲ける方が稼ぎが断然上ってモンである。プロ当事者はロクに稼げないのもそうだけど、需要は先細りしていく一方。だからこそ就労を強く勧めたい今日この頃であった。

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