アスペルガー医師ロンの日常

医師でもあり、アスペルガー症候群当事者でもあり、更には911GT3&ロードスター乗りでもあるワタクシのささやか(?)な日常

SOMEONE IN CONTROL

 ロンマニアの皆様、こんにちはm(_ _)m

「人は熱狂せずに偉大な真実に到達することはできない。冷静であれば議論はできるが、創意に至ることはない」
By ジョルジュ・ベルナノス

 といった今日この頃、皆様はどうお過ごしでしょうか。


*医学の限界
 新コロ問題の何が難しいって、もはや新コロは医学だけで語れる問題じゃなくなってしまったからである。SARSみたいにある程度抑え込めたのなら純粋に医学だけで対処できるのだが、ココまで拡散してしまったら最早医学だけじゃどうしようもないのである。政治、経済、社会、軍事etc、あらゆる分野のノウハウを総合的に組み合わせて、最も犠牲の少なくなる方法を見つけるしかないのである:

なぜ、新型コロナウイルスではなく、経済によって命が奪われるのか? #みんなのWHY
そう、どんなに新コロによる死を防げたとしても、その所為で新コロ以外による死が増えてしまったら元も子も無いのである。だから医学以外の様々な要素を考慮して、最小公倍数の死を目指すしかないのである。

 今尚「経済を守る為に感染を増やしてはダメだッ!たとえ経済がボロボロになっても、人が生きてれば復活できるッ!」とかいうヤツが少なくないが、ぶっちゃけソレは労働者目線でしかないのである。ちゅーのも会社ってのは家電とは違って、スイッチ入れればまた元通りに動くなんて事は無いのである:

新コロで会社が経営できなくなり、稼ぎが無くなる

稼ぎがなくても従業員に給料払わにゃいかんし、会社インフラの維持費やメンテ費も出さなきゃならない

払えなくなったら会社を倒産させて、従業員も解雇して、インフラも全部処分したり売っ払わなきゃならなくなる

新コロが収束してまた働けるようになっても、一度失った諸々はすぐに元に戻せない

働きたくても働くトコが無い

/(^o^)\ナンテコッタイ

という事である。こう書くと「社会保障ガー」とか言われるだろうけど、その手厚い社会保障とかやらは税金から捻出されている、つまり経済活動から生まれてるのである。経済活動を早く再開させなければ悪循環に陥るんだって事、自ずと想像付くであろう。

*ノーモア無観客試合
 だから8月頭に過去最高の新コロ感染者を出しても再度緊急事態宣言を出さなかったニッポン政府の決断を、ワタクシは評価する次第である。実際重症例や死亡者数は4月の頃よりもずっと減ってるし、病院のキャパも全然余裕があるので、経済活動を拡大しても然程問題にならないとワタクシは睨んでるのである。現にイベント類も最大5000人からキャパの半分まで増えて、新コロそのものも第2類から第5類(つまりインフルと同じ)に格下げされる見込みだから、ニッポン政府の新コロ対策は今んトコ上手く行ってると言っても良いと思うのである。でも無観客試合ってのは、やっぱ観てて気持ち良いモンじゃないのである(^_^;)


さまざまな野球の音を愉しむ 無観客のすすめ

 無観客試合を観て、改めて「何故観客が必要なのか」が分かったのである。ファンは良い試合を観たい以上に、同好の士と共に喜怒哀楽を分かち合いたいのである。そしてその感情は、テレビ越しに観てる人にも伝わるのである。自分が大好きなスポーツを大勢の人も大好きで、自分が熱狂の大きな一体感の中にいるのを味わえる。だから観客を大勢入れるって事は、スポーツやエンタメではこの上なく大事なのである。そう、無観客試合はその同好の士との一体感という最大のキモが味わえないのが大問題なのである。もしも試合やショーの内容だけが重要ならば、とうの昔に無観客&自宅鑑賞がデフォになってるのである。


神宮球場の観客4万人が「東京音頭」大合唱!

 だから無観客試合してネット視聴で稼ごうと思っても、ソレは焼け石に水でしかないのである。最初の内は「無観客だけど○×が観れるッ( ;∀;)」って喜ぶだろうけど、すぐにでも「何だか観てても盛り上がらねぇなぁ~( ´△`)」って観なくなってしまう可能性が高いのである。だから段階的に観客数を開放するニッポンのやり方と、ソレに対し問題を殆ど起こす事無く指示に従ってくれるニッポンの観客を、ワタクシは高く評価してるのである。こうやって経済を回す事が、回り回って新コロに苦しむ人を助ける事になるのである。繰り返し言うが、社会保障の財源は税金であり、税金は経済活動から生まれるのである。

*先進国が先進国たる所以
 先進国と途上国の決定的な違いは何か。色々あるけど、ワタクシはその中に「第三次産業でガッツリとカネが稼げるか否か」があると思うのである。ただ食って寝て働くだけじゃなく、文化的活動や娯楽やスポーツでメチャクチャ稼げる国が先進国なのである。そしてその類の稼ぎは税金として徴収され、各種社会保障として国民に還元されるのである。そう、ニッポンの各種社会保障が世界でもトップクラスに充実してるのは、ニッポンが先進国だからである。だからワタクシは「社会保障を守る為には多少リスクがあっても経済活動を再開すべし」と言ってるのである。ただ生まれた時からニッポンに住んでる人的には、そのありがたさに実感が持てないのである。


映像教材「社会保障って、なに?~身近な人から学ぶ健康保険や公的年金の話~」

 ワタクシは元インドネシア人であり、インドネシア及びその周辺の途上国の社会保障のアレさを身を以て知ってるからこそ、ソレを軽視する危うさに警鐘を鳴らしているのである。社会保障が薄い事の何が問題って、貧しい人や弱い人達が真っ先に苦しむ事になるからである。カネ持ちはカネの力で保障が無くても身を守れるが、カネの無い貧乏人は保証が無い故に死んでいくのである。そう、リスクを伴ってもニッポン経済を再開するって事は、ソレ即ちニッポンの弱者救済に繋がるからである。物事を短期的一元的に見るのは極めて危険であり、物事は長期的多元的に見てこそ意義がある。改めてそう思う今日この頃であった。

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