アスペルガー医師ロンの日常

医師でもあり、アスペルガー症候群当事者でもあり、更には911GT3&ロードスター乗りでもあるワタクシのささやか(?)な日常

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 ロンマニアの皆様、こんにちはm(_ _)m

「時代の波に乗ろうとすることは、すでに追い越されているということだ」
By ウージェーヌ・イヨネスコ

 といった今日この頃、皆様はどうお過ごしでしょうか。

*時代が生み出した特殊性
 戦後ニッポンを語る上で欠かせない要素は何か?ワタクシは「バブル時代」だと思うのである。世界史上稀にみるほどの急激な経済成長を成しとげたが、政治や技術や文化がソレに追い付いておらず、ソコから生まれた様々なニッポン独自の現象。ソレがニッポンの個性というか、歪さというか、そういった他国に無いモンを色々生み出しているのである。例えばクルマなんかがソレであるが、あの時代のクルマってのはバブルが生み出したモンなのである:
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バブルで市場にカネが有り余ってて、でも国産車メーカーにゃブランド力も技術も欧米に追い付いてなくて、更には280馬力規制という縛りがあって、そういった特殊な状況が「バリエーション豊富で高性能な若者向けの280馬力という丁度良い出力のスポーツカー」という稀有なジャンルを生み出したのである。

 本来、スポーツカーという車種は若者向けの車種ではないのである。クルマをチョロQが如く気軽に買い揃えられるカネ持ちか、或いはなけなしのカネをクルマに躊躇いなくブッ込めるクルマバカか、スポーツカーを買い求める人種ってのはそういうヤツ等が基本なのである。だから90年代国産スポーツカーってのは、あの時代のニッポンならではの特殊な車種であり、バブルが終わればソレ等は消えていく運命にあるのである:
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だから巷で良く言われる「スポーツカーは欲しいけど、値段がねぇ( ̄▽ ̄;)」ってのは、実はフツーの人によるフツーの反応なのである。スポーツカーなんてのは「○×の新型が出る?じゃあデポジット入れとくから枠押さえといて」って気軽に買っちゃうカネ持ちか、或いは「高いけど、年収の2倍ぐらいなら残高ローンで何とかなる( v ̄▽ ̄)」って平然と言えるクルマバカだけなのである(笑)

*安さって何ですか?
 そう、クルマの在り方全般で見たら、ニッポンの90年代の方が間違っているのである。スポーツカーは「安いから買う」のではなく「高くても買う」のである。この前【もしもS2000にTypeRがあったら】って記事を読んで、その記事のリンクがSNSに貼られて、ソコにあるレスに「値段が×00諭吉までなら買うッ!」ってレスが多かったのを見て「S2000の次期型が登場しない理由の1つがコレだよなぁ~( ̄~ ̄)」って妙に納得してしまったのである(笑)やっぱ多くのファンが国産スポーツカーを選ぶ基準の中で「値段」を相当重要視してたのである。

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 もしもコレが800諭吉ほどで発売されたら高いと思うかと問われたら、ワタクシは「高くない」と答える次第である。ぶっちゃけた事を言えば、ワタクシはフェラーリランボルギーニは「安い」とも言えると考えてるのである。例えばフェラーリを4000諭吉で買ったとして、数年後売る時には3000諭吉で売れて、その間「フェラーリを所有してる」って事で色んなセレブやカネ持ちと知り合いになる事でビジネスチャンスが転がり込んできたり、フェラーリを走らせる事で他のクルマじゃ味わえないフェラーリならではの真髄を味わう事が出来たのならば、ソレは「安い」とも言えるのである。

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 そう、カネ持ちが言う「安い」とパンピーが言う「安い」は言葉こそ同じだけど、意味は全く違うのである。カネ持ちやマニアの言う「安い」ってのは、コスパが優れてるだとか、リセールが高いだとか、そういう意味で言ってるのである。よーするに「高いカネ払っても払っただけの価値があったり、払った分を取り戻せるならば、最終的には安上がりになる」という意味なのである。でもって一般庶民のいう「安い」は、そのまんまプライスタグに書いてある数字の少なさなのである。買ったモンが二次的三次的な効果を生むと考えられないor単なる消耗品しか求めてないから、プライスタグの数字で全てが決まってしまうのである。

*鯛フィッシングwith海老
 だからワタクシも「R35NISMOは高かったか?」と問われると「安かった」と答える次第である(笑)確かに買値は1505諭吉と高かったけど、でも7年乗って900諭吉で売れたし、ソレでサーキット走る事で色んな経験や知識が得られたし、ポルセン行った時もR35NISMO乗りだという事で一目置かれて、フツーなら一見さんには売ってくれないらしいGT3の枠まで回して貰えたのである。払った分のリターンを考えれば、ワタクシは「1505諭吉は安かった」と答えるしかないのである。こう言っちゃ大変悪いが、もしもVABでポルセン行ったら、ほぼ間違いなくぶぶ漬け出されてた事であろう(笑)

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 そう、今現在の国産スポーツカーは廃れたのではなく、本来のあるべき姿に戻ったから高いのである。繰り返し言うが「安いから買う」のではなく「高くても買う」のであり、高くても欲しいと思えないのであればスパッと諦めるが吉なのである。もう何をどうやってもあの特殊過ぎた時代は戻ってこないし、あの時代が戻らんって事はあの時代のクルマも戻ってこないって事である。フツーの人として懸命にフツーのクルマを買うか、カネ持ちかバカになってスポーツカー坂を上っていくか、どっちを選んでも間違いじゃないので強要もオススメもしない今日この頃であった。