アスペルガー医師ロンの日常

医師でもあり、アスペルガー症候群当事者でもあり、更には911GT3&ロードスター乗りでもあるワタクシのささやか(?)な日常

GET THE PICTURE?

 ロンマニアの皆様、こんにちはm(_ _)m

「紙や土地を売り買いして儲けているのは会社とは言えない。物をつくらない奴はダメだよ」
By 本田宗一郎

 といった今日この頃、皆様はどうお過ごしでしょうか。

*バブルとガラパゴス
 バブルはニッポンの企業を巨大にしたけど、同時に深刻なガラパゴス化をもたらしたと思うのである。何せニッポン国内での売上だけで莫大な利益が稼げていて、でもってニッポンは文化的&言語的にも孤立してた事もあり、自ずと独自路線過ぎる商品が次々と生まれてくる事になったのである。ソレはニッポン製品の強みであると同時に、弱点でもあったのである。バブルが弾けると冒険できなくなったから独創性は薄れてゆき、外へ打って出ようにも海外でのブランド形成が疎かになってたから中々売れない。クルマも然りで、バブル後の事まで考えてたのって精々トヨタぐらいであろう。

 だからホンダが21世紀になって急につまらなくなった理由も、ワタクシはバブル崩壊が一番の原因だと思ってるのである。名車といわれるホンダ車が発売されてた時期って、殆どが80年代~90年代のクルマであり、21世紀以降はフィットとN-BOXぐらいしかないのである:

クルマにおけるホンダのイノベーション全盛期って、ワタクシは初代NSXの頃だと思うのである。世界初のオールアルミモノコックを採用していて、スーパーカーなのに日常的な使い勝手の良さも兼ね備えてて、しかもドチャクソ速い。そりゃ当時のクルマ好きが「ニッポン車の夜明け(゚∀゚)キタコレ!!」って興奮して、納車待ちが4年とかになる筈である。2代目NSXがダメだった理由は、つまりそういう事である。


NSXを頂点にして、こうしてスポーツカーの種類も豊富にあって、当時全盛期を迎えてたホンダF1活動の相乗効果も凄かったのである。スポーツカーにはF1で鍛えたエッセンスが惜しみなく込められており、正に「レースは我が社のDNA」を地で行ってたのである。


別にスポーツカーでなくともホンダには走りの良いクルマが多く、有名なレーシングドライバーが若い頃はホンダのこうしたエントリーモデルで腕を磨いてたのは有名な話である。


バイクは良く分からんのがアレであるが、良く分からなくても見ててワクワクするのだけは間違いないのである。でも今考えるとコレ等のホンダの栄光ってのは、やっぱ背後にバブル経済があったからだと思えてしまうのである。バブルだったからこそ色んな意味で楽観的になれて、突飛も無いアイディアを積極的に試せたのである。あと高度成長期~バブル期のニッポンのメーカーは軒並み2流3流メーカーであり、ブランド力を上げるためにはムリをしなきゃならなかった面もあるのである。

*ポスト本田宗一郎
 そう、本田宗一郎時代のホンダが何故あそこまでイケイケで攻められたかって「失うモンが何も無かったから」である。ブランド力が皆無だったからダメ元で攻められたのに加え、当時は戦後が終わって高度成長期で市場も拡大一辺倒だったので、そりゃ攻めの経営で行くのが最適解だったのである。でも今はブランドも十分に育って、かつ戦後からのボーナスステージも終わってしまったのである。だからホンダが示さなきゃならんのは「本田宗一郎時代後のホンダの在り方」なのである:


クルマとバイクとモタスポだけど、たったこんだけなのである Σ( ̄□ ̄;)2代目NSXも、今バカ売れしてるN-BOXも、この21世紀以降のコーナーには置いてなかったのである。


代わりに大々的に展示してあったのがASIMOとかホンダジェットである。ぶっちゃけた事言うとワタクシ、どっちも興味無いのである。ワタクシは超カネ持ちじゃないからホンダジェットは買う事も無けりゃ乗る事も無いし、ASIMOが幾ら凄くてもワタクシの暮らしが豊かになる事は無いからである。ルンバみたいにASIMOがワタクシん家の家事全般をやってくれるってならワタクシも大金を惜しまないのであるが(笑)残念ながらンな事は無いのである。

 そう、今のホンダがやってる色んな事ってのは、ワタクシの生活を何一つ豊かにしないのである。ワタクシはホンダファンじゃないから、ホンダジェットがどんだけ評価されても「やっぱホンダは凄いんだッ(= ̄▽ ̄=)V」って誇らしい気持ちにはならんのである。ワタクシがホンダに望んでるのは後にも先にも「今のワタクシを楽しませてほしい」の一点であり、過去の栄光だとか本田宗一郎の偉大さだとか、ンなモンはどうでもいいのである。ワタクシは今具体的に楽しめるモンが欲しいのであって、美しい思い出ではないからである:


ワタクシが思うに、ホンダは将来的にはクルマ事業、ひいてはバイク事業からも撤退する事も考えてるんじゃないかと思うのである。トヨタもポルシェもそうであるが、双方共10年後20年後のビジョンがちゃんとあって、ソレに沿って今のクルマ作りをしてるのである。が、ホンダにはソレを感じないのである。2040年からはICEを捨ててEVとFCVに移行すると言ってるのであるが、その時代へ向けてのコンセプトカーが無いのである。EVなんて今や超レッドオーシャンなのに、ソコを勝ち上がる為のホンダの具体的なビジョンが見えない→故に将来の撤退を疑ったって話である。

*打倒完全上位互換
 というワケで、今回もまたホンダをボロクソ言う事になってしまったのである(笑)7年経ってホンダから新しいビジョンが提示されると思ってたのであるが、ホンダジェット以外のモンが無かったのが残念なのである。ホンダが今後航空宇宙事業や乗りモン以外の事業に打って出るのは良いのであるが、大きな問題が一つだけあるのである。ソレは航空宇宙事業にせよロボット事業にせよ、ソコには「テスラという完全上位互換が存在する」って事である:
youtu.be
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そう、ASIMOホンダジェット程度じゃ、まるで話にならないのである(´ヘ`;)この手の事業に進出するって事は、テスラと真正面でカチ合う事に他ならないのである。でもって4輪事業に戻りたくても、こっちはこっちでトヨタという完全上位互換が存在するのである。正に「前門の虎後門の狼」なのである。

 だから今のワタクシが買いたいホンダ車は今んトコ無いし、今後も当分無いだろうなと思ってしまったワケである( ̄~ ̄)今のホンダって「良いクルマ」は多いんだけど「すげぇクルマ」が無いのである。乗るだけでワクワクして夢心地になれる、昔のホンダに多かったそんな「すげぇクルマ」をワタクシは求めてるのである。そう、今乗ってるGT3のようなソレである:

ホンダは技術を売りにしているが、技術はあくまで手段であって、決して目的ではないのである。昔のホンダが革新的技術のオンパレードだけで成功できたのは、確立された「ブランドの芯」が無かったからなのである。ブランドを確立して芯が出来上がったのなら、技術は目的から手段と化すのである。ポルシェが正にソレであるが、技術はブランドを固めるための手段であり、芯は時代が変わろうとも変えてはならないのである。その芯を確立できてないのが、今のホンダの問題点なのである。さてコレ以上はマジで限が無くなってくるので(笑)次回からはホンダネタから思いっ切り離れて新ネタで行こうと思う今日この頃であった。