アスペルガー医師ロンの日常

医師でもあり、アスペルガー症候群当事者でもあり、更には911GT3&ロードスター乗りでもあるワタクシのささやか(?)な日常

EROTIK

 ロンマニアの皆様、こんにちはm(_ _)m

「社長室は狭いほうがいい。社長室はみな広くてゴージャスだが、重要なことを決断しなければいけないときには、閉鎖的な空間のほうが適している」
By 小山薫堂

 といった今日この頃、皆様はどうお過ごしでしょうか。

*過去を美化すべからず
 前回R35の話をしてた時に思い出したのであるが、R35が発表された時、否定的な反応も少なくなかったのである。例えば「スカイラインGT-Rじゃないのか」とか「値段が高い」とか、そんな感じである。そして多分一番多かったんじゃないかと思われるのが「MTじゃない」である( ̄~ ̄)まぁR35及びクルマに限らず、新登場のモンはすべからく保守的なヤツに批判されるモンであるが、ワタクシはこういうのは嫌いなのである。ちゅーのも新しいモンを否定するヤツは従来のモンを肯定するからなのであるが、その従来のモンも更に過去のモンから否定されてきたからである。

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 BNR32がデビューした時だって「何故4WDなんて採用するんだッ!」とか「ハイテクなんて邪道ッ!」とか従来のスカイラインファンから色々言われていたのである。恐らく19世紀後半にクルマが登場した時も「あんな遅くて停める場所も無い乗りモン、誰が買うんだよ」とか「ガソリン?何ソレ美味いの?」とか「クルマ買うヤツなんてバカ以外の何でもない、やっぱウマだよウマ」とか散々言われてたのであろう(笑)でもR32もクルマそのものも、結果は説明するまでもないであろう。故に新しいモンは無暗に否定するべきではないのである。

*妥協からの卒業
 前回は「もしも水野和敏氏が2013年に退職してなかったら」の話をしたが、アレが本来ワタクシが乗り継ぎたかったR35だったのである。その「真のMY14」を乗り継いで、そのまま数年乗って、18年~20年に予定されていたR36に乗り換える。ソレが当時ワタクシの思い描いていた未来像だったのである。因みにR36であるが、本来こうなる予定だったらしいのである:

  • 基本レイアウトの「フロントエンジン&トランスアクスルの4WD」は継続採用
  • スカイラインの応用でない新規専用プラットフォームを採用し剛性アップ&軽量化の両立を図る
  • 足回りもスカイラインの応用ではない新規設計にして、サスジオメトリーの最適化を図る
  • PCDの拡大orセンターロックの採用?

という感じになるらしかったのである。よーするにR35の正常進化であり、R35において構造上の問題でどうすることもできなかったトコを根本から直してしまおうって話である。ハデで分かり易い事は一切やらず、地味且つ確実な性能向上を図る。何ちゅーか、実に水野氏らしいやり方である。

 コレあんま知られてない事であるが、R35って結構あっちこっちで妥協して作られてるのである、足回りはスカイラインの応用だし、PCD114.3&ハブボルト径12mmはマーチと全く同じで、その他細かいトコで従来の日産車種の諸々を応用しているのである。フツーに街乗りする分には殆ど分からんのだが、サーキット走行等のハードユースをするとボロが出てくるのである:

マーチならば十分に耐えられただろうけど、流石にR35だと厳しいと言わざるを得ないのである。妥協するって事はつまりそういう事であり、こういう類のクルマが好きなヤツってのはソコをシッカリ評価してくるのである。だからこそ水野氏はフルモデルチェンジするにあたって、そういう妥協点を潰していきたかったのであろう。

 ワタクシが常々「フルモデルチェンジを繰り返さないと良いクルマは生まれない」と言ってる理由がコレである。初代ってのは何をどーやっても構造的な問題による不具合が発生するモンだから、ソレを直すにはフルモデルチェンジで基本構造そのものに手を加えるしかないからである。フルモデルチェンジを繰り返す事で徐々に弱点が無くなってユーザーからも信頼を得て、確固たる名車になっていくのである:
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S2000がスピンし易いってのも、正にその基本構造の問題なのである。後期型になって大分マシになったが、基本構造を変えない限り「マシになった」止まりであり「改善した」にはならんのである。あと2~3回ぐらいフルモデルチェンジすれば良いクルマになってたかもであるが、その前に生産終了してしまったのである(´・ω・`)

*売り上げは値段だよ兄貴!
 とはいえ、実際にソレをやるのは容易ではないのである。ワタクシは以前「R35のPCDを130にするだとか、センターロックを採用するとか、そういう話は無かったんですか?」と聞いた事があるのであるが、実際R35を開発した人曰く「話はあったけど、ソレやると車体価格が2500諭吉とかになるから断念した」という返事が返ってきたのである(^_^;)ソレ採用するとしたら専用の部品製造ラインが必要になり、結果莫大な費用が掛かる→その分車体価格に上乗せされるから、仕方なくマーチのソレで妥協したんだそうである。R35はまだ初代で、高く売る為のブランド力が無かったから、値段が高過ぎると売れなくなってしまうのである。

 あとセンターロックにすればPCD130以上に軽量化と高剛性が見込めるのだが、ソレに関しては専用の製造ラインもそうであるが、もう一つ大きな問題があるのである。ソレは「センターロック独特の付け外し方があるのに加え、4輪同じトルクで締めないと一番緩いトコからボルトが緩む」って事である。その事を全NHPCに周知させて、知識と経験を積ませるのが非常に困難なんだそうである:
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ポルシェの何が凄いって、ソコんトコ対応できちゃう事がである。当たり前の様にセンターロックを採用してるし、各地ポルセンにも取り扱いのノウハウが伝わってるし、ワタクシ含むポルシェバカ共は値上がりにアッサリ応じてしまうのである(笑)クルマを進化させるのは非常に難しいけど、生産終了させるのは簡単なのである。改めて生産終了と復活を繰り返すメーカーは信用できないと実感した今日この頃であった。