アスペルガー医師ロンの日常

医師でもあり、アスペルガー症候群当事者でもあり、更には911GT3&ロードスター乗りでもあるワタクシのささやか(?)な日常

UNITED $TATE$ OF ANARCHY

 ロンマニアの皆様、こんにちはm(_ _)m

「安心感と信頼感がなければ、人は心を開きません」
By 加藤諦三

 といった今日この頃、皆様はどうお過ごしでしょうか。

*オレはようやくのぼりはじめたばかりだからな、このはてしなく遠いR35坂をよ…
 コレは水野氏もSオーナーも言ってた事であるが、R35って実は結構妥協の産物なのである。開発コストを下げるためにスカイラインの足回りを流用したりマーチと同じハブボルト径&PCDを用いたりして、ホントはもっと太いタイヤと径のデカいブレーキを履かせたかったけど販売価格が跳ね上がるから断念したりとか、そういう妥協点が数多くあるのである。Sオーナー曰く「本来欲しかったモンを全部盛り込んだら販売価格が2500~3000諭吉(当時)になる」んだそうである( ̄Д ̄;)でも当時のR35はデビューしたての若造的存在だったので、販売価格を抑えざるを得なかったのである。

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 だから水野氏の脳内にあったR36計画においては、上記の妥協を改善した正常進化型が出る予定だったらしいのである。R35での実績を以ってR36の販売価格を大幅に上げられるようになるから、その分を開発費に回せるようになるからである。そう、こうやってフルモデルチェンジを重ねて進化し続ける事により顧客の信頼をゲットして、更なる性能アップのための値上げに納得してもらえたり、グッズや版権で儲かるようになるのである。でも残念な事に水野氏は志半ばにして退職してしまい、R35はフルモデルチェンジする事無く来年8月を以って生産終了となってしまうのである(´・ω・`)

*安心できる速さ
 本来ならR35もNSXも、そうやって世代交代を繰り返しながら成長してかなきゃならなかったのであるが、残念ながらホンダも日産もそんな体力は無かったのである(´・ω・`)でもってGT3に乗るようになった今、R35を別角度から検証できるようになってきたのである。そしてR35に関して改めて思う事は「粗い」なのである。素材としては最高なのであるが、基本設計だとかセッティングとかで粗があるのか、限界域まで攻め込んでいくとその粗さが挙動の荒れという形で顔を出すのである。ソレを無意識に恐れてしまい積極的に踏み込んでいけない、そんな感じがあったのである。

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 後はブレーキを上手くやらないとすぐ熱でダメになるとか、重いからタイヤがすぐに減るとか、そういった設計面での妥協もワタクシの財布を苦しめたのである(笑)あと速くしていこうと思うとアンダー前提の挙動になっていくトコとか、NISMO辺りがもうR35の限界だったのである。でもってGT3は素材的にはR35より若干劣るが、素材の調理が完璧なのである。超高速域でも全然安定しているし、RRの難しさも然程感じないし、挙動が崩れ難く、崩れてもマイルドに崩れるからカウンターもし易い等々。コレはもう一世代で完成できるモンじゃなく、幾度とフルモデルチェンジを重ねる事でしか熟成できない事なのである。

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 こういう限界走行時においてもマシンコントロールが全然し易いから、乗ってて全然怖くないのである。電子制御も超絶お利口で怖くなるような過剰な介入をしないから、いざという時も身構えないで済むのである。あと「安心して乗れる」って事は「万が一に備えて心や身体に緊張を張る必要が無い」って事なので、集中力も持続するのである。ワタクシは目を三角にして1/1000秒を削りに行くガチ勢ではないので、速くても安心できないクルマは合わないのである。ワタクシは「サーキットは楽しく走ってナンボ」のエンジョイ勢なんで、安心して乗れるクルマの方が重宝するのである。

*安定一番、速さは二番
 昔はワタクシも「クルマは速くてナンボ、R35サイコー(*´∀`*)b.:゚+♪」だったのであるが(笑)ソレが変わったのがGT3がキッカケではなく、NDなのである。ND乗るようになって一番衝撃を受けたのが「挙動が安定してて乱れ難く、挙動が乱れても穏やかに乱れるから余裕でカウンターが間に合う」だったのである。ソレ味わったから、R35が如何に粗いかが理解できてしまったのである。そして911ほどじゃないけど、ロドスタも30年以上熟成に熟成を重ねられているクルマであり、NAロドスタの粗さをNB→NC→NDとフルモデルチェンジを重ねて解消していったからこその走りなのである。

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 NDに乗るようになってから、ワタクシは「速いだけで粗いクルマはバカバカしい」って思うようになって、ソコからポルシェを気にするようになって、速さのターボではなく軽さのGT3の方が気になるようになって、そして今に至るってワケである。無論、暴れるクルマを捻じ伏せてタイムを出す楽しさは否定しないが、ワタクシにはソレを可能とするドライビングセンスは無かったのである(笑)クルマはやはり素性と熟成が大事なのであり、速さはソレ以降でも全然良い。そう考えると「熟成と速さを兼ね備えてるポルシェ最高」が結論な今日この頃であった。