アスペルガー医師ロンの日常

医師でもあり、アスペルガー症候群当事者でもあり、更には911GT3&ロードスター乗りでもあるワタクシのささやか(?)な日常

Phoenix in flames

 それを迎える方のメジャーリーグのしたたかさ、計算高さといったらもう脱帽モノである。多分彼らは野茂が活躍したその時から、このような時代が来る事を予測していたのだろう、ここ数年のメジャー球団のフットワークは軽すぎるぐらいに軽い、全てが後手後手に回っている日本プロ野球側と比べるとその差は歴然としている。恐らく彼らは日本野球界を完全に征服した後、韓国、台湾、中国とドンドン進出するつもりなのだろう。韓国人、台湾人メジャーリーガーも少しづつではあるがその数が増えている。恐らくあと数年もすれば今の日本みたいになるだろう。

 メジャーリーグ側の魂胆は、これまた非常に分かりやすい:

①日本人選手は安い:

向こうにはアレックス・ロドリゲスという10年252億の選手がいる。それに比べれば松井秀の3年21億、イチローの4年50億なんて安いものである。そもそも日本人選手の殆どがメジャーに来れただけで満足していて、そこから先は全く考えていない事が少なくない。これではメジャー球団に足元見られても仕方が無い。

②球団の広告塔:

日本人選手が居るだけで、マスコミが集まってくる。マスコミが集まってくれば、自然とその球団に注目が集まってくる。注目が集まってくれば人も集まってくる。人が集まってくれば球団の収入も上がる。球団の収入も上がれば、また新たに日本人選手と契約できる。後は最初に戻る。

③経済効果:

とどのつまりはこれに尽きるであろう。イチローが4年間で400億円、松井秀が2年で250億円の収入をそれぞれマリナーズととヤンキースにもたらしている。二人とも入団当初の(日本球界からしてみれば)破格とも思える契約金が話題になったが、上記の経済効果から見れば”はした金”でしかないことが分かる。

両者とも「年某問題で球団と云々」と言われているが、出来レースもいいところ。ここ最近二人とも複数年で1年当たり10億超の延長契約をしたそうだが、それを払ってももう既にそれ以上の収入をもたらしているのだから安いものである。ドジャース、メッツ、マリナーズヤンキースが必要以上に日本人獲得に熱心なのも、この旨味を知り尽くしての行為であろう。

来年は松坂がポスティングシステムでのメジャー入りが噂されているが、恐らくイチローや石井や松井秀をも上回るとんでもない額の入札金、契約金が出ることは予想される。だからこそ西武は松坂を出すことが出来るのであろう。メジャーは活きの良い選手を(経済効果を考えると)安い値で獲得できて、西武の方も松坂の穴を埋めて余りあるほどのキックバックが手に入るというわけである。

 今考えると、ポスティングシステムとは非常に良く出来たシステムである。勿論、日本球界にとってではなくメジャーにとってである。こうして野茂のドジャース入団から10年、日本球界がじわりじわりとメジャーリーグに侵食されていく様がハッキリ見えてくる。下手したら20年、30年後は日本プロ野球は「NPB」ではなく「MLB-Japan」になっているのではないかと思ってしまう今日この頃であった。