アスペルガー医師ロンの日常

医師でもあり、アスペルガー症候群当事者でもあり、更には911GT3&ロードスター乗りでもあるワタクシのささやか(?)な日常

ATOMIC!!

 今日、神経放射線科の教授から話があった、何でも医局長から「あと3ヶ月ローテーションを延長しないか」ということだった。教授曰く、そろそろ進路の方を真剣に考えたらどうだ、と。脳神経外科の専門医は健常者でもきついのに、睡眠障害を抱えているワタクシには尚更のことだ、と。自分のトコ(神経放射線科)はまだ一つの学会として独立していない、故に:神経放射線科医になる→一般の放射線科医の専門医の資格が必要→勉強のプロトコルを根本的に変える必要がある→再々度ゼロからのスタート、となる故お勧めできない。

 「家族の人と直接話がしたい」とは医局の上司からの言葉。確か11月末に、睡眠の不調が精神に及んでしまった時も同じ事を言っていた。そのときワタクシはもう十分家族と話し合った、それででた結論が「脳神経外科を続けたい」だったからこそ充電期間としての今の3ヶ月ローテーションを選んだ。なのにまだ「家族と話し合う」必要があるというのか?仮にまた「脳神経外科を続けたい」という理由でその3ヶ月の条件を飲んだとして、また三ヵ月後に「家族と話し合って」とでも言うのだろうか。

 家族?ワタクシはもう一介の社会人である、自分の事は自分で決める権利がある。一体ワタクシの家族に何を期待しているのだ?家族を説得して、家族を介して遠回りで私を説得して、ワタクシに円満な形で事を済ませたいとでも考えているのだろうか。根本的なことは解決しなくても、形だけは整えてなるべく穏やかに事を解決しようというのか。極めて日本人的な発想だ、反吐が出るぐらい美しい。

 だがそんなことで、ワタクシが納得するとでも思っているのだろうか。訳の解らない睡眠障害を患って、忘れようとしても忘れられず、今だ私の記憶の中にこびり付いて離れない忌々しい屈辱と挫折を味わされた。それらを全て忘れるか、水に流せる方法があったら是非教えて欲しいものだ。怒りを忘れるほどに大量の精神安定剤を服用しろというのか?飲んで、買って、打てば忘れるというのか?修道院で数年暮らせとでも言うのか?それを聞いても誰も答えは出さない「気持ちは分かるけど・・・」「可哀想だけど・・・でお茶を濁してお終い。全然分かっていない。

 人間が出来ていない、世渡り下手だ、バカのすることだ、と言われても結構。もし理不尽なものを認めず、それに立ち向かって行くことがそれだとしたら、ワタクシは一生世渡り下手な人間の出来ていないバカで構わない。ワタクシはそんなに偉いわけでもないし、実力があるわけでもないが、ワタクシの心を癒せるのは「復讐」だけである。勿論ネガティヴな意味のそれではなく、自らがこの理不尽な病魔に立ち向かい、根本的治療は達成できなかったとしても、せめて一矢報いる。これしかない。

 脳神経外科を続けられるかどうかは未定だが、続けられれば万々歳、続けられなかったら続けられなかったで、また新たな形でこの病気に挑んでいきたい。そう決心しつつも、また感情の垂れ流しになってしまった今日この頃であった。