アスペルガー医師ロンの日常

医師でもあり、アスペルガー症候群当事者でもあり、更には911GT3&ロードスター乗りでもあるワタクシのささやか(?)な日常

THE 100! CLUB

 う〜〜む、昨日はあまりにも理性を失ってしまった。どうもここ2、3年キレ易くなっていけない。睡眠障害と診断される前と後で性格がずいぶん変わってしまったような気がする。診断される前までは「眠ってしまうのは自分が不甲斐無いからだ」と自責の念から攻撃性が内側に向いていたものが、診断後では「好きで眠ってしまうわけじゃないのに」と被害者意識から攻撃性が外側に向いてしまう。それでもって生まれつきの口下手のため、それを上手く表現できる手段がない。結果、表現の方法を見出せない自我がパンクしてキレる。

 もっとも、普段から人付き合いに慣れていれば口喧嘩や悪口を言われたりする機会も増えるだろうし、そうした中でこういった状況になった場合の処世術を自然と実につけるものである。が、悲しいかな、何時何処でどの様にしてこうなったのかは定かではないが、ワタクシの周りには人が殆どいない、人々の中に溶け込もうという意欲も起きないし、溶け込もうとしてもまるで水と油のように分離してしまう。人間は一人では生きていけないことは頭で解っていても、群衆の中にいるよりも孤独を好む。それに「孤高」という名のデコレーションを施して、自らを納得させて今に至っている。

 「分裂病人格障害(現在は総合失調症と言うのが正しいが、分類上はいまだこの言葉が使われているので引用させていただきました、あしからず)」という言葉が精神医学には存在するが、ワタクシを表すのにまさにピッタリの言葉である。http://akatan.cool.ne.jp/jinkaku.htm。とにかく人と付き合うのが異常に疲れる。「相手を傷つけはしないか」とやたら心配になると言葉が出なくなる。それではダメだと気合を入れてしゃべりだすと、今度は要らん事までしゃべってしまい相手に不快感を与えてしまう。すると何も出来なくなってしまい、相手に自分を伝えることが出来ない。相手はワタクシという人間を言葉を通じて知らない、または伝えていたとしても上手く伝わっていないから、ちょっとした事で誤解を受ける。

 個人主義が行き届いている欧米ならこんな人間でもそこそこやっていけるが、いかんぜんここは自らを「和」の民族と呼ぶ人々の国。「和」こそが最高の価値観であるこの国では「貴方は貴方、ワタクシはワタクシ。ワタクシは貴方の世界に介入しない、だから貴方もワタクシの世界に介入しないでくれ。ここは民主主義の国だ、貴方にもワタクシにも互いに義務と権利がある、それを守っている限り問題は無いはずだ」という考え方はまだまだ認知されにくいものである。社会に出ると民主主義の文律よりも「習慣」「仕来り」「伝統」「その場の空気」といった不文律の方が未だに拘束力が高い。だから俗に「オタク」と呼ばれる人はそれ自体何の罪も無いのに孤立してしまうのだろう。それを民主主義の熟成度が低いと言うべきか、アジア的集団主義の賜物と言うべきか、一種のジレンマに陥りそうな今日この頃であった。