アスペルガー医師ロンの日常

医師でもあり、アスペルガー症候群当事者でもあり、更には911GT3&ロードスター乗りでもあるワタクシのささやか(?)な日常

THE SICKNESS

 ロンマニアの皆様、こんにちはm(_ _)m


「民衆の正義とは、富豪や、資産家や、貴族や、その他の幸福なものに対して、利己的な嫉妬を感ずることである」

By 萩原朔太郎


 といった今日この頃、皆様はどうお過ごしでしょうか。


*イイね?

 いきなりなサブタイでアレなのであるが(笑)コレはみんカラに最近搭載された「イイね!」ボタンについてワタクシなりに色々思ったことが出て来たので、ソレについて書いてみようと思ったワケである。たまたま見た記事の中に、何と1400近くもの「イイね!」が付けられている記事があったのである。記事の内容だが、とあるプリウスオーナーが埼玉のトヨタディーラーで受けた災難についての話であるが、流石に直リンするのは倫理的にもアレなので、ご興味のある方はみんカラHPを探すなり、キーワードを拾ってググるなりして調べて欲しいのである。


 何ちゅーか、この「イイね!」システムの功罪について考えさせられる内容なのである、本来の目的は自分が良いと思った記事を賞賛するための機能なのであるが、コレがこーゆー使い方になっているのである:

オーナーが年始に現行プリウスをオーダーした。納車は半年後

オーナーがみんカラの存在を知り、友達や情報交換を活発化させる

オーナー、納車前の社外パーツ取り付けについてディーラー担当に相談

担当、社外パーツ取り付けのOKを出してしまう(ホントはディーラーで社外はNG)

「ただし社外なので追加工賃を取る」と担当

ソレをキッカケに&納車も長かった事もあり、日に日に増え続けるパーツ類

しかもソレを立て続けにOKしてしまう担当(勿論殆どNG)&追加の工賃

納車日が来たけど、パーツ取り付けや加工云々の関係で延期

その後、不具合が度々出てきて更に納車が伸び、オーナーの不信感が募る

1ヵ月半後に漸く納車。が、配線がおかしかったり、効果が感じられないなどの不具合が

別のトコで見たところ、何とメチャクチャなやり方で取り付けられていたことが判明

酷いのになると、依頼していたのにも関わらず付いていなかったモンまで

キレたオーナー、ディーラーに作業の詳細を書いた書類を提出するように迫る

実はコレ、担当が勝手にOKして自分で付けていた事が判明

オマケに整備士や部長も知ってて黙認していた疑い大

オーナー、その事をブログに綴り、みんカラの「イイね!」システムにて賛同を呼びかける ← 今ココ

・・・という感じである。コレに対するワタクシの意見は「同情はするけど、同調はしない」である。誰が一番悪いかといえば、そりゃディーラー&担当である。サービス業は信頼されてナンボ&ココは日本なのだから、そりゃ客はディーラーを信頼するに決まってるのである。ソレを裏切られたのであるから、同情せざるを得ないのである。


 が、オーナーに問題が無いワケではない。まずはパーツであるが、いくらなんでも納車前に付けるには余りにも多過ぎるのである。オーナーは「自分は素人」「クルマの知識は少ない」という割には、何故ある程度知識が無いと効果が分からないであろう補強パーツ各種を、まだ走ってもいないのに納車前に組み込むんだって話である。フツーなら、そーゆーパーツ類って走りながら必要に応じて組むモンである。多分みんカラ見て&みん友たちに「コレは良い」「コレは効く」って言われて、ソレを鵜呑みにして何も考えずに組み込んだのであろう。だからワタクシは同調できないのである。


*強者と弱者

 ワタクシが思うに、この事件が盛り上がった理由は「被害者が(ある意味庶民側→コッチ側の人間である)プリウスオーナーであり、加害者が(世界有数の大企業→アッチ側の人間である)トヨタだったから」だと思うのである。コレがフィアット車オーナーVsフィアットジャパンの"コッチ側同士"だったら「フィアットは日本じゃ小さいんだから、あんまりムリ言って苛めるなよ(´ー`)」ってなるだろうし(笑)コレがフェラーリオーナーVsコーンズの"アッチ側同士"だったら「どうせテメェらにとっては大したカネじゃないんだろ( ̄へ ̄) 成金どもがウゼェんだよ( ゚д゚)、ペッ 」ってなるはずである(爆)


 よーするに「弱者を虐げる強者」という、何とも日本人好みな判官贔屓的なストーリーが出来上がってるワケである。当然、読者たちは庶民の代表であるオーナーに(一部優越感をもって)同情し、大企業であるトヨタに対して(一部嫉妬の念をこめて)情け容赦なく怒りをぶつける。言っちゃ悪いが、カルデロン一家の事件と一緒の構造なのである。ワタクシにはプリウスオーナーが哀れむべき存在には見えないし、トヨタがソコまで邪悪な存在にも見えない。だからワタクシはハズレの担当&ディーラーに当たった事は同情するが、この「判官贔屓ゲーム」には全く同調できないという事である。


*Viva La Revolucion!

 何故同調できないか?理由は簡単、オーナーがこの問題に第三者を巻き込む必要性が全く無いからである。何処まで行ってもコレはオーナーとディーラーの問題である。偉い人とサシで話をつけて、関係者全員の処罰を確約して、今までのソレに対して保証や賠償をハッキリさせる。必要なら弁護士も立てる。たったソレだけの話であり、第三者の入り込む余地なんてないのである。言っちゃ悪いが、オーナーのやってる事は所謂「数の暴力」である。強者が弱者に暴力を振るうことは断固として許されない。ソレならば弱者が強者に暴力を振るうことは許されるのか?答えは勿論「ノー」である。


 よーするに、中南米なんかで良くある独裁政権に対するクーデターみたいなモンである。右だろうが左だろうが、タカだろうがハトだろうが、とりあえず政府に対して行動を始めたヤツについていって暴れるだけ。理念?思想?ンなモンない。とりあえず政府に一泡吹かせて、自分の暮らしが良くなればソレでOK。革命に興味がない&理解していないにも関わらず、革命のリーダーと共に"Viva La Revolucion!(革命万歳!)"と皆で集まって叫んでる。今回の一見はそんな感じなのである。が、残念なことにココは日本であり、豊かな先進国であり、民主主義の法治国家なのである。さて、つまらない話はコレぐらいにしておいて、と(笑)明日は休日なのでシッカリ休むに限る今日この頃であった。