アスペルガー医師ロンの日常

医師でもあり、アスペルガー症候群当事者でもあり、更には911GT3&ロードスター乗りでもあるワタクシのささやか(?)な日常

INEVITABLE COLLAPSE IN THE PRESENCE OF CONVICTION

 ロンマニアの皆様、こんにちはm(_ _)m


「人の真似をするな。何を食ってもいいが、自分のクソをしろ」

By 本田宗一郎


 といった今日この頃、皆様はどうお過ごしでしょうか。


*ストリートとモータースポーツ

 ワタクシは基本的に理想主義者であるが、お花畑的思想は持ち合わせていないつもりである。理想を達成しようと思ったら、グチャグチャドロドロした現実を一つずつ解決していくしか方法が無いからである。だからモータースポーツの普及においても「違法行為(公道での珍走、車検範囲外のチューニングなど)は全部(;`O´)oダメ!」などと一方的に理想を押し付ける気は毛頭無い。日本に何時の間にか染みついてしまった「モータースポーツDQN上りがやる競技」ってイメージが一昼一夜で簡単に拭えるワケないのであるから、目の前の人、身近な人から地道にやってくしかないのである。だからこそ、コレは許し難いのであるヽ(`Д´)ノ

この際だからハッキリ言わせてもらおう。もしもドリフトがDQN珍走イメージと切り離せないと言うのであれば、ドリフトなんぞ廃れてしまえ、と。名声や信頼を積み重ねるのは大変だけど、崩れてしまうのはあっちゅー間。折角アンダーグラウンドな世界から先人たちが長年頑張って築き上げてきた「ドリフト=新しい類のモータースポーツ」というイメージも、たったコレだけで全て台無しである。ドリフトだけならまだしも、他の健全なモータースポーツだってイメージ低下の巻き添えを食らうかも知れないし。折角築き上げてきた「チューニング=クルマ文化」ってイメージまでも台無しである。もう一度言おう。コレがチューニング文化だというのであれば、チューニングなんぞ廃れてしまえ、と。


モータースポーツへの入口

 大衆的なスポーツカーが発売されることに関しては否定しない&むしろ喜ばしいと思うのであるが、同時に懸念してるのはこーゆー事なのである。ココで「やっぱスポーツカーはDQNやオタクが好んで乗るクルマ」ってイメージが再確定したら、今度こそ国産スポーツは終わるとワタクシは思っている。そうなったら、もう日本には高級スポーツカー以外は絶滅してしまうであろう。そうなる前に・・・

試乗してきちゃったって話である(笑)ネットで調べてみたら【AREA86】がワタクシの職場からそんなに離れていない場所にあった&AREA86なら当然試乗車があるので、乗ってきちゃったって話である・・・・が、残念な事が一つだけある。試乗車がATだったのである(´・ω・`)ディーラーの中の人曰く「若者やスポーツカー初心者をターゲットにしているため、取っ付き易いATを試乗車にした。都内とかの大型店舗ならあるかも知れないが、茨城県内にはMTの試乗車は無い」だそうである。こーゆートコが何ちゅーか、トヨタクォリティーなんだよなぁ┐(´д`)┌


 まぁATでも実走できるだけマシなので、ありがたく乗せてもらうとしたのである。まず第一印象が「コクピットが(・∀・)イイ!!」である。効率や運転しやすさを最重視したピュアスポーツカーらしく、タイトで理に叶っていて操作しやすいのである。もうこの時点で51%以上は合格したようなモンである。早速走り出してみる。エンジンに関しては優良可の内では「良」である。車体が軽い&ATだからトルク倍増効果もあるのであろうが、低回転から加速がかかってくるのである。流石に「怒涛の」だとか「官能的な」とかいう形容詞はつかないが、NAらしい素直なトルク特性である。3500rpmからトルクが乗ってきて、大人しめにスムーズに上まで回ってくれる。例の【サウンドクリエイター】の音は素晴らしいってワケではないが、ソレでも「エンジンは頑張ってるんだゾ☆(ゝω・)vキャピ」って雰囲気は出てるのである(笑)故に「良」としたワケである。


 次に足回りである。レーン内&法定速度内でスラロームやってみて、サスの特性を調べてみたのである。フロントサスはアクセルやブレーキに合わせ素早いレスポンスで対応し、反面リアサスはトラクションを逃さないように腰のある粘りでジワリと反応する。ターンインは素早く前輪荷重をかけてスパッとノーズの向きを変えて、脱出は後輪のトラクションとカウンターステアで立ち上がる。典型的なFRの足回りである。ただ安物の足だけあって細かい部分の往なしや腰の強さがアレなんで、評価は「可」である。ハンドリングであるが、エンジンがムチャクチャ低い&フロントミッドシップという事もあって、レスポンスもゲインも極めて素直である。従来のフロントヘビーな水平対向エンジン車やFF車とかだと、慣性の影響でレスポンスとゲインにタイムラグが多少出るのであるが、ソレが無いのである。ハンドリングに関しては「優」である。


 ミッションであるが「やっぱAT(・A・)イクナイ!」である。やっぱ何ちゅーか、こーゆーシンプルなクルマこそ、シンプルな機構で乗りたいのである。構造がシンプルで素性が良いからこそ、3ペダルMTである利点(分かりやすさ、ダイレクト感、操作する楽しさ)が活きると思うのである。逆に言えばパワーがあり過ぎて速過ぎるクルマ、機構が複雑なクルマだったら、DCTのような2ペダルMTがベストだとワタクシは考えている。500馬力レベルになると、逆に人間の方が足を引っ張るからである。でも86のレベルだと余裕で人間が主役なので、人間が主役ならば3ペダルMTがベストなのである。というワケでATは「可」である。


*この世界へようこそ

 何よりもワタクシが一番気に入ったのが「思いっきり踏める」という事である、確かに非力だし、スピードも大したことは無い。が、ソレゆえに安全に踏んでいけるのである。ココで言う「安全」とは身体的のもそうであるが、法律的にもそうである。スポーツカーで一番楽しい瞬間は何かと問われたら「アクセル全開で立ち上がり加速をする瞬間」だとワタクシは答える。ただ最高速を伸ばすだけなら、スポーツカーである必要性なんかないのである。だがコーナーにカミソリの如くスパッと進入して、ソコからアクセルを全開にして稲妻の如くシャープに立ち上がる。コレは基本構造が最適化されたスポーツカーにしか出来ない芸当であり、その一連の動作のクライマックスが「アクセル全開で立ち上がり加速をする瞬間」なのであり、脳汁が最大限に噴出される瞬間なのである(笑)この麻薬的な瞬間のために、モータースポーツ愛好家は安くないカネを払ってサーキットを走るのである。

 
 そう、このクルマの売り(?)であるローグリップ&ローパワー&NA&FRってのは、サーキット以上に公道でこそ活きるのである。高速道路とか峠道とかで、”常識的な”速度の中でアクセルを床まで踏んで心地良い立ち上がり加速を味わう事が出来る。コレは「超優」である(笑)多分慣れてくればすぐ飽きるんだろうけど、この86というクルマがターゲットにしているスポーツカー初心者の方がこの快感を知れば「ようこそ、この世界へ」である(爆)あとはサーキットに通うようになり、チューニングの世界に踏み込んだり、更に上のグレードのスポーツカーを物色し始めたり等々。結論から言ってしまえば、86のクルマ的な総合評価は「良」である。が、コレが後々のクルマ業界にどのような影響を与えるかによって、この評価も変わるであろうと思うのである。


 とまぁ、実に楽しかった試乗である。もう既にモータースポーツの世界に踏み込んでいるor各種スポーツカーを乗り継いでいるロンマニアの方にとっては物足りないだろうと思うが、コレからスポーツカーに乗りたいと思っているロンマニアの方に対しては、ロードスターと並んでワタクシからもオススメできる一台である・・・と、今までハイグリップなハイパワー4WD以外所有した事のないワタクシが言ってみる(笑)次回は勿論【スバルBRZ】に乗ってみる予定である。今度こそMTに乗りたいのもそうであるが、双方を乗り比べて両社のアプローチの違いを知るのも面白いと思ったからである。さて、明日もまた早いので、さっさと寝るに限る今日この頃であった。